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worldNote

世界の覚書

道州制、易姓革命、外国人参政権には反対です。伝王仁墓に百済門を作るのは場違いであり、反対です。

中国脅威論に麻生外相がのる

2005年12月22日 | 軍事・諜報
「中国はかなり脅威に」 軍備増強で麻生外相 (共同通信) - goo ニュース
「隣国で10億の民、原爆を持ち、軍事費が連続17年間で毎年2けた伸び、内容は極めて不透明だ。かなり脅威になりつつある」
正直に語るものだが、事実なので仕方ない。日本で意見が分かれるのは、これを「脅威」と表現して「発言」するかどうか。「懸念」と表現しても、言いたいことは伝わる。

前原氏講演 原文の「中国脅威」を「懸念」と表現 (朝日新聞) - goo ニュース
原文では中国の軍事費拡大を「現実的脅威」と書きながら、実際は英語で「現実的な懸念(concern)」と発言、言葉を使い分けていた(中略)もっとも前原氏は、講演後も、日本語では記者会見などで中国を「脅威」と繰り返し述べ、「考え方に変わりはない」としている。
concernは、現実的に影響する関係があり(無関係の第三者ではなく)関心事である、つまり心配であるという程の意味だ。懸念というニュアンスもある。確かに、脅威よりは弱いニュアンスだ。「これには関心を抱かざるをえない。透明性が重要だ」とかいった具合でも十分だ。

鳩山幹事長「中国 脅威でない」 前原代表へ反論、対立鮮明 (産経新聞) - goo ニュース
鳩山由紀夫幹事長は十九日、都内での講演で「私は脅威だと思っていない」(中略)「(中国の)基本的な軍事力の行使は防衛。そのことを信頼すれば必ずしも脅威と呼ぶべき状態ではない」
別に煽るつもりはないが、最近の中国の軍事力が変質しつつあるという認識が鳩山氏には欠落しているか、無視しているようだ。これでは、脅威論に対抗する主張として弱すぎる。

ただ、仮想敵は言わずもがなという所があり、本来なら軍関係者の慎重な発言が出てくるべきだ(米軍ならそうする)。軍人の発言は、表現が慎重でもリアリズムが根底にあり、透明性に寄与する。日本では、自衛隊が発言できないから、妙な事になっている。それにしても、麻生外相の発言はちょっと意外だった。

threatは、差し迫った危険を示す。この問題は、よくある翻訳の問題のようだ。日本人は脅威でも懸念でも一緒じゃないかと言い出しかねない。でも、特に中国人にとって、言葉は日本人とは違う。曖昧性はあまりないはずだ。

#「潜在的脅威」といえばよかったかも(毎日新聞)。「脅威になりつつある」というのは、実質的にはそういう意味だろう。
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追記:(2005年12月25日)
「言葉遣い間違っている」 山崎拓氏、外相発言を批判 (朝日新聞) - goo ニュース
「言葉遣いが間違っている。中国の軍事力が『脅威』だというと、我が国に対する侵略の意図があり、対処しないといけないことになってしまう。大変な対立、いっそうの緊張が生まれる」(中略)「侵略の意図と能力を組み合わせて『脅威』と呼んだ。(かつての極東ソ連軍のように)能力はあるが、意図が明確でないことは『潜在的脅威』と整理したのが政府の公式見解だ。中国の軍事力が脅威だといってしまうと、我が国に対する侵略の意図があると言っていることになる」
潜在的脅威という表現には賛成できるが... 残念ながら、中国という国の侵略性うんぬんについては、同意できない(侵略性がないと断言できない…侵略性というより恫喝性か)。

再追記:(2005年12月25日)
前原発言は「無神経」 横路副議長 (朝日新聞) - goo ニュース
代表が「中国脅威論」や集団的自衛権を行使できるように憲法を改正すべきだとの考えを示していることについて「無神経な発言だ。理解できない」と批判した。横路氏は「(前原氏が言う)『現実的な脅威』と言うと、仮想敵国になってしまう。周辺事態で集団的自衛権を行使するとは、中国や朝鮮半島に何かあったら自衛隊が(米軍と)出かけていくということだ」
さすがに仮想敵国を明示的に打ち消すのはやりすぎだ。

ただ、こうして見てくると、前原代表の発言(麻生氏ものっているわけだが)は、「あぶりだし」をしているのかもしれない。ぞろぞろと、出てくる。

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