Neo Border [Version2.0] ■011■

2013-07-31 18:59:07 | Weblog

<近未来、SFストーリー「Neo Border」映画製作用原文より>:)

時を少し戻し。

Markは今や名誉だけもらったメンバーの一人でしかない。
Johnからもらった “MSSS(Medical Support Security System)” “TFS(Tutelary Fairy System)”搭載モバイルはとても有能で、ストーカーに出来るだけ会わないですみ、 “GVR Revolution(GVR革命)”以来自由な旅を1年以上も続けている

秋初め、彼はここスイスに居た。
あちこちのワインフェスティバルを訪ねては美味しいワインを飲み歩いていたが、フェスティバルシーズンも終盤に入った9月の終わりに不思議な少女と出会った。

その夜いつものようにこの地方の知人や、街の人、旅行者たちとお祭り騒ぎの中、横に座ってきた隣街に住むという成年が、もっと旅の話が聞きたいから自宅に泊まるよう頼んできた。回りの人たちもその成年を知っているようで、話しを聞かせてやってくれと言う。そこまで言うならとお邪魔することにした。手首に巻いた細いブレスレットもセイフティを示す。
決して秘蔵のワインに引かれたわけではない。

店を出て成年に案内されながら歩いているとふと成年の姿が無い。

周りを探すと暗がりからフェスティバルの衣装をまとった少女がゆっくりと現れた。
そしてまるで大人のような口ぶりで

「今年のワインも格別においしくできましたが、来年もまた格別のワインを飲んでいただけるよう
今からお話しすることを出来るだけ早く実行してください。

広がった夢が流れ出さないように、ひとまず楔を打ちつけておいたほうがいいでしょう。
夢もみなさんの手が届かない所で迷子になれば、狼の餌食となり、その味をしめた狼は群れを成してやってきます」

後ろの、まだにぎやかな路地から成年が   「こっちですよー」
手を上げて答え振り返ると既に誰もいなかった

成年の家では、夜も遅かったが家族がとても暖かく迎え入れてくれた。
リビングで秘蔵のワインを頂きながらいろいろな国の話をした。成年は目を輝かせながら聞いていた。

時折「ならば、Markさんは“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”は何だと思いますか?」
   「多分、心を持った人類にとっての新しい、そして最後の国家群じゃないかな」
そんなちょっと難しい話もはいったが、成年の真剣なまなざしに、心高ぶるものを感じながら夜が更けていった。

次の日の朝、一家総出で見送ってくれた。昨晩は夜も遅かったため出会えなかった娘さんも中央で微笑んでいた。
・・・・・なんとなく似ている
「また来年お会いしましょう」
「是非に!楽しみにしています」

そしてその2週間後
”Ragnarok Crisis・ラグナロククライシス(ネットパニック)”が起こった。

 


Neo Border [Version2.0] ■010■

2013-07-30 20:39:26 | Weblog

<近未来、SFストーリー「Neo Border」映画製作用原文より>:)

現実国家群は獲物をさだめた狼のごとくアグレッシブだった。
“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”の閉鎖を要求すると同時に、
今回のようなネットシステムのダウンを二度と起こさないシステムの構築する必要性を全世界に説き、
“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”のような無秩序なネットエリアなどの乱立によって、人民と国家群の安全が著しく脅かされることが無いように、セキュリティの地球レベルの構築をさけんだ。

グローバルセキュリティの規格として、
PCはもとより、携帯、電話などすべての通信アイテムにヘッダにアクセス権利ナンバーや、サーバー認証ナンバーを。フッタにアクセス機器や場所、個人のIDを、挿入しなければ、アクセスできないシステムもそのひとつだが、これがプライバシーの侵害になることが無いようにネット上のゲート(後に“国境システム「Neo Border Gateway」”とよばれる)をパスすれば一瞬のうちに各個人情報情報やログは消去されるシステムであることを抱き合わせて、半ば強制的に導入をはじめた。
世界中の主要ポイントにゲートを設け、ネットは必ずこれらを通過しなければならない。

また、無秩序な投稿型サイトなどの監視システム、ウイルス隔離逆探知機能など様々なセキュリティシステムを付加し構築していく


Neo Border [Version2.0] ■009■

2013-07-29 19:47:56 | Weblog

<近未来、SFストーリー「Neo Border」映画製作用原文より>:)

現実国家群の今回の発表に対し、
 “仮想地球(Globe of Virtual Reality)”を事実上統治していた仮想国家群のトップや参謀は、一斉に反論をおこなったが、
現実国家群から発表されるシナリオに沿ったような立派な証拠の数々によってもろくも打破されていった。

やがてこれもまたシナリオに沿ったごとく、発表当日から“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”は悪しき根源であるとマスメディアが大々的に報道し、あらゆるメディアもこれに歩調を合わせる。世界中の関心が、「”Ragnarok・ラグナロク(人工知能型ウイルス)”の生誕地は“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”」のコピーに集中し、ほどなく多くの世論もそう信じるようになっていく。
そして
現実国家群は、国際ネットシステム妨害規則違反など、数々の国際条約違反を理由に、
今回の責任と賠償を突きつけ、

“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”の閉鎖を要求した
やがて
”Ragnarok Crisis・ラグナロククライシス(ネットパニック)”の被害に比例し、世論の“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”排斥運動は広がりを見せ、メンバーは徐々に退会。
そしてメディアは彼らを“生還者”と呼び、それを称えた。

巨大な向かい風は
破竹の勢いで拡大した“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”を輝かせてきた街のLEDを次々に灯油ランプに代えていく。

それでも心硬き多くのメンバーは、今にも消えてしまいそうなおぼろげに揺らぐ灯油ランプの明かりの中で、
濡れ衣を晴らすべく、あらゆるフィールドの情報を集め反論、矛盾点、抗議を発信した。
そして願う
遥か昔から言い伝えられてきた伝説のように彼らの再来を


Mark Frost
William Madison
John Reeves


現在は所在が明らかになっていない、“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”建国の3人の救世主たちを

 


Neo Border [Version2.0] ■008■

2013-07-28 17:48:02 | Weblog

<近未来、SFストーリー「Neo Border」映画製作用原文より>:)

 

世界中に広がった”Ragnarok Crisis・ラグナロククライシス(ネットパニック)”に対し、

現実国家群は早急にネット系集合体トップの“Neo Border Company”に各国の電子頭脳ブレーンを招集し、

”Ragnarok・ラグナロク(人工知能型ウイルス)”への地球規模の緊急対策本部を立ち上げると同時に反撃を開始した。

 

当然”Ragnarok・ラグナロク(人工知能型ウイルス)”は瞬時に世界中のフリーなネット、

サーバー、クラウドを駆逐したが、セキュリティの堅固な領域への進行には時間を要した。


この鈍化した進行によって、進行パターンなどの解析が行われ、

約一週間で対Ragnarokワクチンやファイヤーウォールを作製、投入などにより、

徐々に進行の速度が鈍り、2,3週間後には完成させた“Savior・セィヴィアー(人工知能型セキュリティ)”を分刻みでバージョンアップしながら投入したため沈静化がすすみ、わずか一ヵ月後には”Ragnarok・ラグナロク(人工知能型ウイルス)”は消滅した。


当初予想された、まったく先の見えない解決期間が驚くべきスピードで終わりを迎えた。

また
消失した膨大なデータや、ソフト、ハードのダメージは散々であったが、これまたまったく先の見えない復旧期間といわれたものの、ネット系集合体トップの“Neo BorderCompany”のシステムによってわずか数ヶ月でほとんどが回復していく事になる。

 

やがて事態が収束に向かうにつれて被害が明確になっていったが
いくつもの深刻なダメージの中でも、紛争地域、軍事施設での、核兵器、生物化学兵器等

の作動が偶然の幸運によって停止していたことは、神の奇跡があったのかもしれない。

やがて、事態が沈静化するにしたがって当然原因究明が始まった
早急に原因を調べ迅速な対策が急務である。今,再度起きれば今度こそ人類存続の危機となる
”Ragnarok・ラグナロク(人工知能型ウイルス)”への緊急対策本部は、

データ、ネットワーク復旧作業にめどが付いたころ、原因究明本部となり調査を開始。

そして1ヶ月あまりという異例の速さで結果を現実国家郡へ報告、承認。

それをもとに翌日、現実国家群国連総会は世界に向けて発表。


今回の一連に関する原因が“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”にあると。

 


Neo Border [Version2.0] ■007■

2013-07-27 21:47:48 | Weblog

<近未来、SFストーリー「Neo Border」映画製作用原文より>:)

 

突然ネット上にウイルスの域をはるかに超えた人工知能レベルのプログラム”Ragnarok・

ラグナロク(人工知能型ウイルス)”が現れる。
これを”Ragnarok Crisis・ラグナロククライシス(ネットパニック)”という。

ネット上のパブリックサーバーや、クラウドが次々クラッシュ。
金融市場関連のネットワークに侵入後個人情報が消え始めたことで表面化し、
瞬く間に個人資産の消失や権利消滅など大規模なネットパニックが始まった。
当然インターネットは大混乱、携帯等の通信障害も起こり始め、
制御システムの脆弱な紛争地域などの、

制御不能による大型兵器の誤作動なども真実味が高まり、
ネットに依存している現実国家群は、

金融大恐慌、世界大恐慌、世界大戦の再来を恐れ始めた。

現実国家群は最悪のシナリオを避けるため、
国防関連のイントラネットやサーバーなどを即座にネットから遮断。
世界中の主要なイントラネットやサーバーなども同様に遮断することで対応したが
それは機能が停止している状態と同じことで、

世界中の主要なインターネットや市場がほとんど機能しなくなっていった。
少数意見でネットに頼りすぎである世界の状態を危惧し、

警告してきた人々も微笑まなかった。
それほどに世界と生活が混乱しはじめた。


Neo Border [Version2.0] ■006■

2013-07-26 20:26:41 | Weblog

<近未来、SFストーリー「Neo Border」映画製作用原文より>:)

“GVR Revolution(GVR革命)”後ますます“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”は膨張していく。

古株たちが引退し、自由度が高まったことや、<AI Freyaフレイヤ>への信頼から多くの有能なメンバーがプロジェクトなどをどんどん提言しあい、各仮想国家のコミュニティは大盛況、人気が人気を呼びどんどんメンバーも増えていく。

やがて仮想国家群は“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”上に仮想国際連合を創設するほどの大きな集合体となった。
ただ、それにつれて現実国家群の利権にどんどん絡んでいき、
仮想国家群の国創りの理想が、現実国家の悪しき部分の是正を提言したり、
あらゆる紛争の解決を求めはじめ、本体であり実像である現実国家群を追い詰めはじめた。

今や
ネットに依存した現実国家群にとって仮想国家群は諸刃の剣となっていた。
ここにきてそれが各国既得権利者にとって大きなの脅威であると全会一致で認識されたとき、

事態は急変することになる。

 


Neo Border [Version2.0] ■005■

2013-07-25 20:37:34 | Weblog

<近未来、SFストーリー「Neo Border」映画製作用原文より>:)

 

「さて、また旅に出るか」 Markはみんなの顔をみながら言った。

するとJohnがかばんからリング、細いブレスレットと腕時計、モバイルを取り出し渡してくれた
「みんなも知っている “ASG”関連企業の“MSSS(Medical Support Security System)”搭載モバイルみたいなものだ。
1年前に発表され今やこのシステムで並ぶのものはいない代物にまったく似ていないということで、私が作ったJブランド品ということがわかってもらえるだろう。
各諜報機関は一応俺たちをチェックしたいだろうが、この中にストーカー好きがいるとは思えないからな。」

「Jブランド品って・そっくりにしか見えん」
「裏に“Jブランド”とはあるけど」 

「まあ外見は“TFS(Tutelary Fairy System)”の“光の妖精 Light Fairy”系モバイルに似ているが、お前のことだ、Fairyの羽よりはるかに大きな翼がかくされているんだろう。 
いずれにしてもありがとう、これでみんな自由に空を渡れるな」

3人はこぶしを合わせ笑い、そしてそれぞれのドアから旅立っていった。 Good Lock

1年後の9月にはMarkはヨーロッパを放浪中でイスに居た。季節はワインシーズン。
あちこちのワインフェスティバルを訪ねては美味しいワインを飲み歩いていたが、フェスティバルも終盤に入った9月の終わりに不思議な少女と出会うことになる。

 


Neo Border [Version2.0] ■004■

2013-07-24 19:42:57 | Weblog

近未来、SFストーリー「Neo Border」映画製作用原文より>:)

7月4日Independence Dayに“仮想地球(Globe of Virtual Reality)” の最高理事会議が行われた。

緊急であるということでメンバーの中では“仮想地球(Globe of Virtual Reality)” にとって重大な方向性の決定や、斬新なVersion Upなどがささやかれたが、これを予想したものはいなかった。

 

会議は議題に関する説明が長時間及んだことで、理事の中で状況を把握していない者からクレームなどがおこったが、最後の結論で、一瞬場内が凍りついた。

 

「つまり、創造主の皆様にこれまでの労を感謝し、しばらくお休みになっていただくべく、断腸の思いで退任を進言します。」

 

やがて議案は民主主義の下公正に可決した。

 

これを“GVR Revolution(GVR革命)”という

 

Markは最高責任者を退任し、William、Johnも全権を委譲。3人は“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”のただのメンバー一個人になった。

 

表向きは創造主たちの休暇、また役員の刷新における新たなステップアップということで大団円会議と後日発表となるが、

実際は緊急動議によるあっという間の解任決議で、裏では3人の強権を嫌った有能な役員たちの理事たちへの工作が見え隠れする。

もちろんこのクーデターのような決議を知るのはこの会議出席者だけで、当然罰則を設けた緘口令が引かれたが、世界中の諜報機関には時間を空けず収集された。まったく困ったものである。

 


Neo Border [Version2.0] ■003■

2013-07-23 21:31:23 | Weblog

<近未来、SFストーリー「Neo Border」映画製作用原文より>:)

 

やがて“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”はバージョンアップを重ねるごとに人気が上がり、

Version3.0 がメディアに紹介されてからはMassive Hitに。

Version4.0 での仮想国家群ができるころにはその参加者数と力は現実国家も一目をおくようになり、

Version5.0では経済や金融の提携などで現実国家群の法律などにも影響を与えるほどの一大勢力となった。

 

ベータ版として“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”が構築されてからわずか2年弱で、世界を席巻するコミュニティになる。

 

このころMarkはWilliam、Johnと共に“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”の基盤を固めることに専念していた。

非公式で“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”の構築に協力してくれたメンバー、団体などと共に、

昨年“MSSS(Medical Support Security System)”という体や心の管理をモバイルが行うアプリなどを開発し、

世界のトップ10企業に名を連ねる“ASG”という、

グローバルセキュリティ企業の関連企業の非公式でのサポートなどもあって、

Markが大学を卒業するころには

<AI Freyaフレイヤ>(民間コミュニティで初めて管理を任された人工知能)をコアに、頑丈なセキュリティを敷いた防壁を“仮想地球(Globe of Virtual Reality)” の周りに築くことができた。

 

「結構大きくなってたな、防壁を作るのも一苦労だ」

「でももう少し礎を固めるのが遅かったら、この巨木の根までは守りきれなかった」

「潮は満ちていたわけか」

「とにかくこれで安心」

 

そんな6月の終わりに突然

、“仮想地球(Globe of Virtual Reality)” の緊急最高理事会議をIndependence Dayに行うことが決定された


Neo Border [Version2.0] ■002■

2013-07-22 20:39:23 | Weblog

<近未来、SFストーリー「Neo Border」映画製作用原文より>:)

Markは周りには珍しく、宗教や国籍、民族に固執しない、Capacityの大きな考え方をしている。おおらか、適当ともいえる。

ただ、人々がこの地球で、他の生き物と共に幸せに生きていくにはどうすればいいのかいつも考えていた。

 

「どんな国に生まれていたら彼女の夢はかなったのだろう」

 

彼はいくつかのSNSやブログ、ツイッターにかかわっていて、サイトもある。

そこで今回の件をきっかけに

“あなたが国を創るなら”という小さなコミュニティをつくってみた。

パソコンの傍らで女の子の写真が彼に微笑んでいる。

 

自分が今まで訪れた地域の人や、習慣、文化を紹介しつつ、多くの実体験から、

「こんな国だったらみんなが幸せに生活できる社会ができると思う」

そんな夢を語り始めた。

それは実際いろいろな国をめぐった彼だからこそ、多くの人々の気持ちをつかんでいくこととなる。

そして国内はもとより、いろいろな国から少しずつメンバーがふえていった。

 

やがて3DCGなどに秀でたJohn Reevesが、

「せっかく理想の国を考えるなら、この地球自体を仮想空間に作り、そこに具体的に国を創っていくと、もりあがるんじゃないか」

そんな提案をコミュニティで紹介するとたちまち話が弾み、意外に多いネット、コンピューター関係のメンバーたちが集まり、議論。やがて簡易ではあるがベータ版として“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”が構築された。