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奇妙は普通、普通は奇妙

2010-11-17 02:03:10 | 社会・政治
やっと理解したのか。それとも、さらにまた……。

福岡市長選で大敗、民主に動揺

【要約】民主が推薦(国民推薦、社民支持)した現職市長の吉田宏氏が大敗し、自民、公明両党に支援された新人の元民放アナウンサー、高島宗一郎氏が初当選した。

 ※参考:「選挙速報」「投票分析」(以上、西日本新聞)

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投票率が50%に届かない地方政治のこと。おなじ日本でも、うまく津軽弁が聞き取れないみたいに、いろいろ想像が阻まれる特殊事情もあるだろう。しかし、ちょっと詳しく調べてみると、現在の民主党政権がもっている詐欺体質の繰り返しが、明確にみてとれる。

今回の福岡市長選で争点のひとつだったのは、博多湾に作られた人工島に「こども病院」を移転するかどうかの問題だった。これが目玉の争点だったろう。落選した現職市長の吉田宏氏は、移転推進派だった。そして当選した高島宗一郎氏と、他の対立候補6名(過去最多らしい)の全員が、「こども病院」の移転問題に再検討の必要や撤回を訴えた。

 ※参考1:福岡市長選 8候補者の公約抜粋
 ※参考2:福岡アイランドシティ(博多湾の人工島)
 ※参考3:こども病院移転、道険し(朝日新聞)

「こども病院」は全国にある。小児科医療センターなど、いろいろ名前は違っているが。小泉・竹中政権と安倍、福田、麻生らが医療制度を改悪して以来、とくに閉鎖・倒産・医師不足が問題になってきた医療分野である。だが、その問題には深入りしない。

 ※参考:全国のこども病院

今回の福岡市長選で奇妙だったのは、その対立構図である。なんと現職市長の吉田宏氏、もとは「こども病院」の移転に反対(構想の白紙撤回)だったのである。そして平成18年(2006年)、その主張を福岡市民が熱狂的に受け入れ、当時の市長だった山崎広太郎氏に対抗する市民グループが生まれ、まだ新人だった彼を市長選に勝利させたのだ。そのとき民主党も吉田氏側を応援した。

したがって、今回の福岡市にみられた市長選の対立構図は、吉田氏自身が、吉田市政を実現させた市民を裏切ったために、生み出されたものだったのである。これを十分に知りながら、民主党は吉田氏を推薦した。今回の選挙戦は、はじめから盛り上がらなかったという。なぜだ!? そう問うのも、実はむなしい。

選挙民を裏切り、無視するのは、現在の民主党そのものの体質だからである。いま思えば、最低4年間は増税の話はしないと、あれほど国会で答弁した鳩山・民主党政権は、言葉を口にした直後にタバコの増税を決定した。その後、沖縄県民を裏切ることになる普天間移転先の問題は、すでにこのとき予想されて当然だったかも知れない。が、しかし、あのころはブログ筆者もタクシーの乗客も、多くの日本人も、まだ民主党を乙女のように信じていた。愛を信じる花嫁気分で、多少のことには目をつぶろうとした。

鳩山政権の「業務」をひきついだ菅・仙谷の政権にいたっては、まだスタートラインに立ったまま、問題をふくむ日米同盟の堅持をスマイル・マークで国民に宣言したものだ。そのうえ参院選の直前に消費税の10%アップを公約するという、歴代首相としては前代未聞、信じられないほど頭が悪い菅と政権に、やっと国民の顔は青ざめた。そのおかげで参院選は沖縄でも惨敗し、県知事選も放棄、不介入、というより選挙協力の拒否を決め込んだ。いままた法人減税、所得増税、消費税10%を、銀河最強のデビルマンのようにしつこく検討を重ねているのだ。

ここに至って、日本の国民、選挙民は福岡市の市民にならい、明確に声をあげる必要がある。すなわち、

  国民への裏切りは許さない!!

ちょっと鶴田浩二さんや高倉健さん、藤純子さんなんかが出てくる任侠映画みたいだが、こんな当たり前の声が、特定のヤクザ組織にではなく、いま現在の日本の政治にとって、ことのほか重要なのだ。なぜズルズルと、政権の裏切りがつづくのか。その答えは、アメリカや官僚の陰謀というより、日本の政治家が大衆を蔑視していることに原因があると考えられる。戦後からつづいた自民党政権のもとで、この大衆蔑視は国の根元からジワジワ醸成されてきた。どうせ日本の大衆など従順で、長いものに巻かれるほかはないのだと。政治家たちは、まだ覚醒しきっていないのだ。国民にたいする「政治主導」(この場合は「政治的な陰謀」)は、あの小泉・竹中・自民党政権で終わりを告げたことに気がつかない。国民としては信じられなくても、政権を交代させ願いを託した国民の力を、民主党員自身が蔑視しているのだ。市長選をとおして、福岡市民たちは身をもってこの事実を証明し、全国の国民に伝えた。

裏切りは許さない、このフレーズに直接関連するのは、いま菅と仙谷が騒いでいる国家公務員の「守秘義務違反」と、さらなる厳罰化の検討である。検察・警察の拷問の可視化は、言葉だけでまったく進んでいない。捜査員が証拠を捏造した事実があるというのにだ。いまや、その理由があきらかになった。菅と仙谷は、国民への裏切り行為を隠蔽できる統制システムの完成をひそかに計画しているからだ。国民になにも隠す必要がない政権なら、なぜ子どもじみた「秘密」の流出に厳罰が必要なのか。なぜ、可視化政策をゴミ箱に投げ捨てるのか。

いよいよ来るのだと予想できる。沖縄をふくめて、ふたたび日本の全土を、日本型ファシズムが覆いつくす深い暗黒の日々が。発展途上の共産中国とミャンマーを参考に、菅と仙谷は、検察と警察、国民の一部と司法を使って、反対勢力を封じ込める不思議なアジア国家の構築を目論んでいるのだ。この菅・仙谷政権は、旧・自民=公明政権よりもはるかに危ない。ついに野党も傍観できない時期にさしかかった。こうした隠微な権力にたいして、匿名者による内部告発こそが必要悪の攻撃だ。日本人の良心たちよ。菅・仙谷の厳罰などにひるまず、ウイキリークスの協力を積極的に利用しよう。そこを除いて、どこに訴えでる場所があるというのか。

 ※吉田市政・最終検証シリーズ(1)(2)(3)(4)


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