Woodnoteな日常

京都発 小さな小さなCD制作スタジオの日々雑感です

「源氏」にハマってます

2015年12月05日 | 日々是好日
今年の夏ころから、「源氏物語」を原文で読む、ということに挑戦していて、
半年がかりでようやく終盤まで到達、もう少しで読みきれそうです。

思えば高校の頃は「源氏」が苦手で、
全体のストーリーも分からなければ、人物関係も分からないところに
ある場面だけが問題に出されても何のことだかサッパリ分からず、
おまけに複雑な敬語の嵐!
でずっと敬遠してきました。

ところが近年、いろいろ美術館などで作品を見るにつけ、
「源氏」の場面が題材として取り上げられていることが多く、
「ほら、あの場面でしょ、当然知ってるよね」的な作品を前に悔しい想いをすることもあり、
なんとか理解したいと思うようになりました。

カミサンから勧められた大和和紀さんの『あさきゆめみし』を読んで、
ようやく全体像を把握することができ、俄然興味が湧いてきて、
さらに瀬戸内寂聴さんの現代語訳を通読、
そして今年はいよいよ原文で読むことにしました。

読んでいるのは「新潮日本古典集成」版のもの。
これは原文横の要所要所に現代語訳などが併記されており、
私のような初学者にはとっつきやすい。
とりあえず「明石」くらいまで読めれば続けられるかな、とおもって読み始めましたが、
原文を読み慣れてくると、文語文特有の引き締まったキビキビとした文体で、
現代語訳につきまとう説明的なクドさがなく、
かえってスッキリ読めるように感じられます。

正直言って集中できずに文字を目で追うだけになるところもありますが、
場面によってはページをめくるのももどかしいような、
久々にわくわくするような読書体験をすることができました。
日本の文化遺産という面もありますが、
なによりまず「おもしろい」ということが、千年も読み継がれる理由と思われます。

現在、最後から2つ目の帖、「手習」を読み進めているところ、
あとは「夢浮橋」でめでたく読了となります。
あと一息、ガンバリます。


さて、そんな折に、名古屋の徳川美術館で「国宝 源氏物語絵巻」展が開催されている情報を入手、
開館80周年記念ということで、五島美術館蔵のものと併せ、一挙全帖公開!
これはぜひ見なければ、ということで、名古屋日帰り弾丸ツアーに行ってきました(12月3日)。
交通費節約のため新幹線を使わず在来線の新快速などを乗り継いで、お昼ごろ到着、
徳川美術館の様子です。


さて、入ろうとすると、なんと「120分待ち」の表示、
さすがにここまできて帰るわけにもいかず、じっと我慢の行列でした。
ただ実際は120分もかからず、1時間ちょっとでいよいよ源氏絵巻と対面、
これまで本などでみた傷みの激しい状態を想像してましたが、
現物は想像以上にきれいに修復されていて、その繊細な筆致を存分に堪能、
目の至福の時間を過ごしました。

普通は展覧会でも図録はあまり買わないのですが、
今回の図録は印刷もかなり現物の色合いに近く、
また近年の修復により新たに発見された新事実などの解説も豊富でしたので、
今回は購入、これで家でもしばらく絵巻を堪能できそうです。


また在来線を使って京都へ帰り、少々疲れましたが、充実した1日でした。
これでまだしばらくは「源氏」にハマる日が続きそうです…。

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