芳彩の歳時記

母から娘へ、そして孫へ  伝えたい生活の中の礼法

春の七草

2012-01-07 01:26:57 |  歳時記

今日は、人日の節供
七草の節句とも言います。

食の先生方とご縁を頂き、
最近ちょっと食に興味を持ち始めています。

今年は、私も少し勉強をしてみようかと・・・
春の七草の効能を調べてみました。

「芹(せり)薺(なずな)御形(ごぎょう)繁縷(はこべら)
仏の座(ほとけのざ)菘(すずな)蘿蔔(すずしろ)」

芹(せり):水辺の山菜で香りがよく
中国では精のつく食材とされています。
ビタミンA、B2が特に多く、カルシウム、貧血に有効な鉄分、
ビタミンC、便秘解消に役立つ
食物繊維が豊富に含まれ消化を助けます。
香り成分には、発汗、保温作用があり、
冷え性や風邪に効果があります。

薺(なずな):別称はペンペン草。
たんぱく質、ビタミンA、B1、B2、カルシウム、鉄、
マンガンが豊富で、貧血に効果的です。
またアセチルコリンやカリウムイオンの作用によって、
血圧を下げる作用もあり、高血圧の予防にもなります。
江戸時代には、よく食卓に上ったなじみの食材でした。

御形(ごぎょう):
別称は母子草。
たんぱく質、ミネラルに富んでいます。
ヒトステロール、ルテオリングリコシド、カリ塩などが含まれ、
風邪予防や解熱に効果があります。

繫縷(はこべら):たんぱく質に富み、
カルシウムや鉄などのミネラルも多く含み、整腸作用があります。
また生葉の葉緑素は、口臭予防にすぐれ、
古くは歯磨き粉として利用されていました。
目によいビタミンAが豊富で、腹痛の薬にもなっていました。

仏の座(ほとけのざ):別称はタビラコ。
タンポポに似ていて、食物繊維が豊富。
健胃・整腸の効果があり、高血圧を予防すると言われています。

菘(すずな):蕪(かぶ)のこと。
大根同様、根には消化酵素のジアスターゼが多く含まれ、
食物繊維も豊富。
葉はビタミンA、C、カルシウム、鉄分等のミネラルを多く含み、
カラダの抵抗力をつけて病気にかかりにくくします。

蘿蔔(すずしろ):大根のこと。
葉にはビタミンC、カロテン、ビタミンB1、B2、リン、鉄分、
根にはでんぷん分解酵素のジアスターゼ、
たんぱく質分解酵素アミラーゼ、エステラーゼなどを含みます。
食物繊維も多いので、便秘に効果があり、
消化を助けるので、風邪の予防にもなります。

七草の節供は、
若草の芽を食することで、
新たな生命力を身につけようと願ったそうです。


六十七候 芹乃栄

2012-01-06 00:57:41 | 七十二候

「せりすなわちさかう」
芹が盛んに繁る頃ということです。

「春の七草」の一つでもある芹は
湿地や水辺に生え、古くから日本人の食卓にのぼる
庶民の食材だったようです。

 


六十六候 雪下出麦

2012-01-01 22:25:00 | 七十二候

「ゆきわたりてむぎのびる」

明けましておめでとうございます。
皆様に幸多き年となりますようお祈り申し上げます。

年末、体調を崩し寝込んでしまったしわ寄せで大晦日は
目の回るような忙しさでした。
掃除・料理と優先順位など考えられない状態で
気がつけば年が明けていました。

昨年は、肉体的・精神的にも落ち込んだ年でしたが
今年は、昇り竜の勢いにあやかり
運気を高め飛躍の年となるよう願っております。

暦の上では、立春が新年なので七十二候はもう少し続けます。

麦の芽は、踏みつけられるほどに強くなると言われています。
踏まれても折り曲げられても麦は以前より
力強く成長します。
そんな姿に勇気を与えられるような気がします。
今は未だ、雪の下で、春を待ちながら伸び続けています。

昨年の私は、雪の下だったのかもしれませんが
多くの人との出逢いがあり、沢山のご縁を頂きました。
今年は、そのご縁を大切に育み
麦の如く踏まれてもなお力強く前を向いて進みます。

 


六十五候 麋角解

2011-12-28 01:23:16 | 七十二候

「さわしかのつのおつる」

「麋(さわしか)」は、大鹿のことだそうです。
どうもトナカイの一種のようです。
麋の角のことを「麋角(びかく)」といい
その角の落ちる頃ということです。

一般の日本の鹿は春に角が落ちるそうですが、
麋は冬なのですね。
きっとサンタクロースと共に子供たちに
プレゼントを運ぶ大役を果たしたので
気分一新というところでしょうか?

私たちも今年の1年の厄を祓い落し
新たな気持ちで新年を迎えたいものです。


六十四候 乃東生

2011-12-22 23:21:33 | 七十二候

「なつかれくさしょうず」

「乃東(だいとう)」とは、「夏枯草(かごそう)」のことで
一般には「うつぼぐさ」とも呼ばれてるこの花は
夏至のころに花が咲いて枯れたようになり、
冬至のころに芽を出します。

枯れた花穂は、利尿・消炎作用があり生薬として
用いられています。
昔の人にとっては、大切な草だったのでしょう
七十二候には、
夏至の初候 「乃東枯」
対で登場しています。


餅つき&折形講習

2011-12-20 02:07:31 | イベント

日曜日にいつもお世話になっている
神奈川建築職人会様のイベントで
主人は、餅つき
私は折形講習をさせて頂きました。


折形講習には30人以上の方が
水引で鰒結びを体験されました。


皆さん、水引を揃えるのに
言葉もなく真剣でした。

アメリカから来日されている
スタッフのご友人は、
3時間ほど何度も鰒結びに挑戦され
最後には、家でも練習したいと
水引をお持ち帰りになりました。

  
予定では、鶴の箸置きと箸袋でしたが、
展示していたお年玉袋にも興味を持たれ、
鶴のお年玉袋もお教え致しました。


六十三候 さけのうおむらがる

2011-12-17 01:33:29 | 七十二候

「鱖魚群」

タイトルに「鱖」の字が表示できず
今回は、読みをタイトルに入れました。

鮭が産卵のために産まれた川に
戻ってくる頃ということかな・・・
「鱖魚(けつぎょ)」とは鮭のことではなく
「追河(おいかわ)」やまべやはえごのようです。
中国では、「鮭」という漢字は、
河豚(ふぐ)または一般の魚を
意味するようで、「鮭」という呼び方をするのは
日本だけのようです。

年の瀬、「鮭」と言えば「新巻鮭」が
お歳暮によく使われていますが
「新巻」とは
鮭を保存するために塩漬けにし
荒縄やわらで
包んだり吊るしたりしていたことから
「稲巻」「わら巻き」と呼ばれていましたが
いつのまにか
「あらまき」となったそうです。

地方によっては、娘の嫁ぎ先へは「新巻鮭」を
贈る風習があるところもあるようですが、
我が家の場合、娘の嫁ぎ先が北海道なので
横浜から「新巻鮭」というのも・・・


味噌田楽御膳盛会

2011-12-15 01:30:45 | イベント


12月13日のみんなのキッチンでのイベント
味噌田楽御膳は、多くの方々にご来場頂き、
盛会でした。
ありがとうございました。

70食の仕込みをされた高山晴代さん
ボランティアスタッフ、協賛頂いた皆様
お疲れ様でした。




六十二候 熊蟄穴

2011-12-13 01:27:27 | 七十二候

「くまあなにもぐる」

熊が冬眠すると思っている方も多いかと思います。
実は、私もそう思っておりましたが、
冬眠する動物は、秋に餌をたくさん食べて
脂肪を貯え、エネルギーの消費を少なくするために
体温を下げ、心拍数も減らし生理機能を
低下させて眠りに入ります。
先日、テレビで冬眠しているリスを起こそうとしましたが、
叩いても起きませんでしたが
ゆっくりと心臓は動いていました。

熊は、穴にもぐるのですが、
体温を下げたり、機能を低下させるわけでもないそうで
生理学的には冬眠ではなく冬ごもりということになるそうです。
その冬ごもりの間に熊は出産もするそうです。

冬山の寒さの中、地中では静かに小さな命が
育まれているのですね。


六十一候 閉寒成冬

2011-12-07 22:37:35 | 七十二候

「そらさむくふゆとなる」

大雪に入り本当に寒くなりましたね。

「閉塞」は閉じてふさぐことですが、
この候では「そらさむく」と読ませています。
「へいそくしてふゆとなる」と
読む暦もあります。

厚い雲に覆われた冬の空を
イメージしたのでしょうか
昔の人の言葉は奥が深いですね。