蒼い春 #2

早朝５時４０分前に淡路を震源とする地震と緊急速報で叩き起こされたこの日。
身体は覚えてたんでしょうね。あの突如襲われる揺れを感じた途端，18年前の阪神淡路大震災と同じ感覚で
全身金縛りにあったような恐怖を感じたものです。

幸いにして今回の地震では関西圏において大事に至らず，今日も穏やかな晴天でした。



このグリーンスタジアム神戸でブルーウェーブを応援するという意味合いまでも
思い出させてくれたような，そんな不思議な感覚に包まれながらスタンドに立つ自分。





北海道からハム屋のマスコットも来場。ポリーちゃんは初めてですよね。
ネッピーが来ているユニフォームの当時なら，ファイティーっていうピンクの恐竜になりますが。




試合前ステージでは，BW全盛期の鉄壁の守備の要，本西厚博さんのトークショーもありました。
いかにも職人であり，職人気質といえる気性の荒い人柄で，現役当時は今のように簡単に声を掛けられるような人では
なかったですが，今回は楽しいトークショーでした。

フェンスまで何歩走れば到達するかを全て頭にいれておく。だから，全力で背走できる。
頭からのダイビングキャッチは絶対するもんじゃない。走ったほうが早く追いつく。
ボールを取ってすぐに投げられるように，ボールを浅く掴めるようなグラブの構造，縫い目にする。
ゲン担ぎはしないが，打撃の調子が悪いときは，調子のいい選手からバットを借りていた。

得意なピッチャーは阿波野，苦手は工藤。
なぜ左ばかりかって？そりゃ右ピッチャーの時はスタメンにしてもらえなかったからだよ。
よく一緒に飲みに行ったのは，同じ九州出身，現オリックスヘッドコーチの福良淳一。



最も記憶に残っているプレーは，1996年の巨人との日本シリーズ第５戦。
センター前に落ちようかという打球を猛然とダッシュしてキャッチしたにも関わらず，井野審判員の判定はヒット。
これに激怒した本西。グラブを放り投げ，日本一が決まるという試合で，本西は退場になっても構わないという勢いで猛然と抗議。
「見てないのに，こんなジャッジをするから，巨人びいきって言われるんだろうが！」
もう本西は退場が確定するんじゃないかというとき，仰木監督が本西をかばって身代わりになったんですよね。
野手を全員ベンチに引き上げさせ，オリックス・ブルーウェーブ唯一の日本一が決まった試合は，危うく無効試合にもなりかねないところでした。

結果，井野審判員は抗議に折れてミスジャッジを認めたわけですが，翌日の新聞を見ると
「あれは絶対にヒットだ」という井野のコメントが大きく掲載されて憤慨したそうです。
本西はあらゆるプレーのビデオ判定導入を支持されています。





本西さんは始球式も参加されました。





試合序盤はハム先発のウルフに手が付けられず，
オリックス先発の西は高卒ルーキー大谷に先制タイムリーを打たれるなど嫌な展開に。




でも，何故か今日は神がかってたんですよね。
ハムの守備陣に異変が。







２回にはノーヒットのまま２得点。さらに，イレギュラーバウンドに合わせられなかったり
投内連携ミスでのフィルダースチョイス，内野安打が重なり，得点を重ねるブルーウェーブ。

ユニフォームの魔力なのか，この球場の魔力なのか。



「天体観測」「関西雨天中止」が並ぶ光景も久しぶり。


　


序盤は不安定だった西勇輝も，リードした中盤以降しっかりリズムに乗って要所を締めるピッチング。








終盤，西は足をひねったり９回には四球でランナーを貯めるなどありましたが，
大量点差にも助けられ，とにかく自分が最後まで投げ抜くという覚悟で挑んだと思います。
前日の金子千尋と同じ１３４球の力投で完投勝利。



＃７～９のお決まりポーズ。







ヒーローはチームバッテリーの２人。
完投で今季初勝利の西勇輝と，西をリードし数少ないタイムリーヒットも決めた伊藤。











BW 8 - 2 Fighters
ファイターズの守備の乱れでいえば，若い選手が多く（西川！）本来稲葉が守るはずの一塁手もホフパワーに任せているところもあるからでしょうけど。
また，屋外でのデーゲーム，そしてイレギュラーバウンドの多い天然芝球場の開催も最近減っているのもありますよね。
でも野球って，こういう意外性があるから面白いもんだと思います。
オリックス側に不利になることもあるわけですが，そっちはもう見慣れてるし。

だからこそ，今日は不思議な試合だったような気がしてならないわけで。



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