白い彗星の艦長室のひとり言

ガンプラをはじめとして、各種トイ、話題のアニメについて盛り上がりましょう。

いまさらですが……R3 L-GAIM Mark-II その6

2007-09-19 00:41:29 | ガンダム・模型情報
“ファティマ”
エルガイム本編においては一切語られることのなかったヘビーメタルをコントロールする為のアンドロイドのような存在です。

このファティマがマークIIの設定画の中に描かれると、瞬く間に本編よりも永野さんが設定画の隅に書き込む内容や、インタビューで語るサイドストーリーこそがエルガイムの本質だと、ファンは永野さんの発言に一喜一憂していたと記憶しています。

番組の初期段階では準備されてはいたものの、表向きには総監督である富野監督が自分には扱いきれないとの判断で削除された設定でしたが、永野さんの中では捨て切れない設定だったと思われ、アニメ誌やムック本で描くイラストには何度もその存在をほのめかす描写がありました。

放送当時中学生だった自分は、そんな永野さんの発信する情報を貪るように読み集めていて、後の趣味志向に多大な影響を受けたのでした。


現在は残念ながら休載中であるファイブスター物語の中で描かれるファティマは、騎士(ヘッドライナー)のパートナーとして、専用のコクピットに乗り込み騎体の制御を行いますが、エルガイムでのファティマの位置づけは、永きに渡るポセイダルの独裁政権によって、人々の知識や技術はコントロールされて、誰もヘビーメタルの頭部にファティマのような存在が眠っていることを知らない時代といった感じでしょうか。



ター○ネイター?
ウチのカメラではこれ以上接写することができませんが、キットでは設定に合わせて内部構造が再現されていて、おでこにファティマがいるのが分かりますでしょうか?
実際には物凄く小さいですが、バンダイさんの成型技術によりファティマのシルエットが美しく再現されています。

ここに半透明のカバーが被さるのですが、カバー越しにファティマの造形が確認できるように光輝タイプのシルバーで塗装し、よりシルエットが際立つように黒でスミイレを行いました。

このネイキッドヘッドは、ファティマだけではなく、設定画に描かれているキバやほんの小さなディテールをもモールドしているスグレ物です。
以前紹介した頭部から伸びるパイプは、差し込み式で元に戻せるようにしてあります。




頭部の装甲を付けた状態です。
おでこのオレンジ色の部分(上から2番目)に薄っすらとファティマのシルエットが浮かんでいるのが確認できるでしょうか??

キットには、より明確にシルエットを浮かび上がらせる手段として、メッキシールにファティマのシルエットをプリントしたデカールが付属していますが、個人的には立体感のあるこの表現の方が気に入っています
デカールには、最終回でポセイダルの操るオージと対戦した時に浮かび上がった蝶々のようなシルエットも用意されているのでお好みでどうぞ。




昭和60年!に発売された角川書店のエルガイム本『重戦機エルガイムII』の裏表紙に描かれたイラストにもファティマのシルエットが描かれています。

ちなみにイラストには、B.TEMPLE №3 ♯3007 L-GAIM-MKIIとFATIMA[TEITA]FATISとキャプションが付いている通り、このマークIIの頭部は劇中には登場しなかったブラッド・テンプルの3番機の頭部であり、搭載されているファイティマは[ティータ]という個体という裏設定です。
このティータというファティマは、この本の裏表紙にも描かれていて、今でも尚、永野さんにとって大事な娘の一人としてファイブスター物語でも重要な位置を占めています。


余談ですが、富野監督がファティマを扱わなかった真の理由として、監督自身が人間(っぽい物)と機械の融合というテーマを生理的に嫌悪しているからだと後に語っておられます。同じ理由で、エヴァンゲリオンについても全否定でしたね(笑)

ファイブスターが始まった当初も、ファティマが与えるイメージにある種危険なフェティシズムがあるとのことで編集部に怒鳴り込んだというエピソードもありました。

ある意味正解なのかも知れませんが、富野監督が中途半端に扱わなかったことにより、ファイブスター物語が生まれたことにもなるので監督の英断ということになるのでしょうか。監督から永野さんに「エルガイム(の世界観)はお前にやる」とバトンタッチされて今に至るわけですからねぇ……


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