整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

ロータリー式の妙技

2017-08-02 14:31:39 | 効率アップ
ウエステックに整列の依頼を受ける部品の内、
その9割は、横振動タイプの整列機で並びます。

しかし、どうしても横振動では並ばない部品も
あります。

その場合に登場するのが、回転振動縦振動です。

今回は回転振動について説明します。
弊社ではロータリー式整列機と呼んでいます。

丸い部品で、ただ丸いだけなら良いのですが、
その円周上に突起もしくは切り欠きが有り、
その位置を揃えて並べなければならない場合、
通常の横振動タイプの整列機では、
なかなか並ばない事があります。

整列穴には入っているものの、
その突起や切り欠きの向きがバラバラで
揃っていない、という状態です。

この場合は、整列穴に入っている部品を回す、
という動作が必要になって来ます。

回転振動を与えれば、簡単に回す事ができます。

Westech Youtube 02


たまに、横振動でも回せる場合があります。
整列穴に入っている部品に、未整列の部品が
流れて来てぶつかる事で、少しずつ部品の
向きが変わって行き、それを繰り返すと、
いずれは向きが揃う、というものです。

ただ、これは部品の形状次第では、
ぶつかったくらいでは全く回らなかったり、
回るけれども、ぶつかられて逆方向にも回るので、
結局いつまでも向きが揃わない、
という事態になる場合もあります。

ロータリー式整列機は、上から見て
時計回りに回っていますので、
部品に対して常に一定方向の回転力が
加わりますので、そのような事は
ありません。

尚、逆時計回りに回さないと、部品が回らない場合は、
特注にはなりますが、対応する事は可能です。
しかし、逆時計回り仕様は、今までで一度しか
前例がありませんので、標準の時計回りで、
ほぼ問題ない事になります。

また、並べたい部品が大きい場合にも、
回転振動が役に立つ事があります。

例えば、コの字形をした大きな板金部品などです。
コの字の開口部を、全て右側に揃えて並べたい。
しかし、開口部が左側を向いた状態で、
整列機に投入された部品は、何往復流しても、
ずっと左側を向いたままなので、いつまで経っても
並ばない、という現象になる事があります。

部品自身が小さければ、流している内に
簡単に向きが変わります。しかし、大きいと、
部品そのものに回す力を伝えないと、
なかなか回らないものです。

そんな時にも、ロータリー式整列機は有効です。

さて、横振動式に足りない回転振動を与えるのが
ロータリー式なのであれば、全ての部品を
ロータリー式整列機で並べれば良いのではないか、
とお考えの人もいらっしゃるでしょう。

ところが、そうではありません。
逆に、回転振動では並びにくい部品もあるのです。

簡単な矩形(直方体)の部品は、横振動で流すと、
整列穴の向きと、流れて来る部品の向きが、
ほぼ合った状態にしやすいので、そのまま整列穴に
入ってくれますが、回転振動を与えてしまうと、
例えば整列穴が縦長なのに、流れて来る部品が
横長の向きだったり、斜めになった状態で
穴に差し掛かる事になりますので、
そのまま整列穴の上を通り過ぎてしまいます。

また、ピンなどの細長い部品を、立てて並べる場合も、
回転振動は不向きです。整列穴に差し掛かると、
90°立ち上がりながら、穴に入ろうとしますが、
回転振動ですと、部品に遠心力が働いてしまい、
穴に入って行かずに、そのまま穴から振り落とされて
しまいます。

回転振動が功を奏するケースは限られています。
よって、最初に述べたように、部品の9割は、
横振動タイプの整列機で並べるのが適している
わけです。

たまに、過去に導入した整列機が、横振動式、
もしくはロータリー式の片方しか無いのに、
それを並べるのに適さない部品を、
何とかその整列機で並べて欲しいという
依頼を受ける事があります。

これも部品をお借りして、整列実験から
始めるしかありません。

横振動では回りにくい部品が、少しでも回りやすく
なるように、整列治具の穴形状を工夫したり、
逆に、回転振動を与えられても、回りにくくなるように
工夫したりしますが、実験結果次第では、やはり新規に
整列機を購入して下さい、という提案をさせて
戴かざるを得なくなる事をご承知おき下さい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿