感想:さよならの朝に約束の花をかざろう

2018-02-25 11:47:54 | 劇場アニメ



公式サイト


観てきました!!


外見が変わらないまま永い時を生きる種族イオルフ。
その性質からどこへ行っても迫害されるため
人里はなれた地で静かに暮らしていたが、
長命の秘密を求めた国家に侵略されてしまう。
偶然逃げ延びたマキアは、野盗に親を殺された子供を見つけ
エリアルと名付けて育て始める。




岡田磨里の初監督作品!!

「乳酸菌摂ってるぅ?」から「止まるんじゃねえぞ」まで
ぶっ飛んだ発想を続けてきた岡田磨里が
ここにきて監督としてアニメをプロデュース。
めっちゃ注目してた!!



見た目の美しいイオルフも、アップになると髪がほつれていたり
髪をほどいたばかりのときのバサバサした感じがリアルだったり
この髪へのこだわりが女性ならでは。宮崎駿でもやらない表現!!


そして歳をとらないイオルフと、人間の子供とのあいだに生じていく
どうにもならない隔壁。

ポンとした場面転換で実は数年が経過している、といった演出が
時間の流れの無常さを表していて
観る側は混乱させられながらもエリアルの成長を喜べる、という作り。

さらに中盤以降、いつまでも見た目が少女のマキアが
いくつもの壮絶な経験を経て見せる表情がすごい。
作画で泣かせる技術に感服。



他の岡田磨里作品もそうであるように
女性特有の自己中心的な思考を
赤裸々にキャラクターに反映させていて
そこをトリガーにさまざまな話が進んでいく。

女の醜い部分、愚かな部分をこれだけ前面に押し出して
こんな美しい物語に仕立て上げる脚本の腕は流石の一言。


声優も実力派を揃えていて、世界観を非常にうまく整えてた。
それにしても、よくこんな難しい役を演じきったな!!
マキア役の石見舞菜香って何者だよ!!
と思って調べたら『クジラの子は砂上に歌う』のリコス役の子か。
なるほど…。



一人の女性の人生を描いたという意味ではNHKの朝ドラっぽい。
『花咲くいろは』とは別ベクトルの朝ドラだな。

独身貴族を満喫している自分が言っても説得力がないが
これは是非、子供を持っている人に観て欲しい!!!


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2018冬アニメ感想 中盤

2018-02-23 07:33:57 | アニメ特撮
消化が遅れ気味なのであきらめて週遅れで感想書きます。

過去の感想はこちら



3月のライオン 第2シリーズ(2クール目)
B 79

自分を振り返るに、担任が女教師の場合は高確率でクソだったが
この作者も同じような経験があるのだろうか…。
なんにせよ、ようやくつらい部分が終わってくれてよかった。
そして名人と歩く「周りに誰もいない街」の描写がさすが!
原作のオリジナルお料理レシピを嫌味なくアニメに盛り込むのもさすが!


おそ松さん(2クール目)
C 67

人気が右肩下がりなのにシリアスドラマ回を入れてくるとか
「志村けんのだいじょうぶだぁ」かよ…。
素直に小ネタ集だけやっててくれ。
まあその小ネタもわざとオチをつけないやり方に飽きてきたけどな…。


弱虫ペダル GLORY LINE
B 80

なんかもう普通に「熱い」「面白い」という感想しか出てこない。
「シャカリキ」からのチャンピオン愛読者としては
こういうお化け作品が出てきてくれたのがマジで嬉しい。


オーバーロードII
C+ 75

戦う相手側からの視点をしっかり描写する構成!!
もともと主人公側のキャラ達があまり好きではないので
相手側から応援できるのは嬉しい。
やっぱ俺tueeってクソだわ(褒め言葉)


citrus
C+ 73

文法は少女漫画なのに、なんか色々とおかしくねえかw
百合耐性がないと混乱してしまうな…。
でも少しずつ段階を踏んで話が進展していくのが非常に好み。
キャラが発情してるときの表情や所作を見てると肝臓にズシリとくる。
アニメでこれを表現できてるのは素直にすごいと思う。


宇宙よりも遠い場所
B 77

1話ごとに評価が上がっていく!!!
最後まで観たらボロ泣きさせられるかもしれん。
狙ったり媚びたりすることなくナチュラルに良作を目指す気概がすごい。
スピード感のある演出もクセになる。
早見の「軽く死ねますね」ってセリフすごく好き。


伊藤潤二「コレクション」
C 64

4話観て終了。
絵面的なインパクトは非常に面白いけど、やっぱオカルトって苦手だわ。
話のオチにストーリー的な根拠がないあたりがね…。
伝説の『なめくじ少女』のアニメ化を観れたのはとても良かった。


ゆるキャン△
B+ 84

キャラ絵もすごいのに背景美術に金かけすぎ!!
ゆるいギャグも最高。シームレスなボケツッコミが超気持ちいい。
放映時期を冬に合わせたのも見事な采配。
放浪癖持ちとしては孤独のグルメっぽいリンパートがたまらん。
一人で野外焼肉とか悪魔の誘いすぎるw


スロウスタート
C 66

なーんかダブりネタでいちいちネガティブが入るのが嫌だなぁ…。
まあそれがなければなんの特徴もない日常系になってしまうしな。
いつカミングアウトするかのハラハラ感がこのアニメの肝かね。
万年さんはとても好き。20歳の一人暮らし巨乳浪人女子なんて
普通ならデリヘルで働くだろ?


バジリスク 桜花忍法帖
C 60

3話観て終了。
演出が全体的に好みじゃない…。
話が面白くなるのはこのあとなんだろうけれど
2クール拘束されるとつらいので撤退。


三ツ星カラーズ
C 67

誰だよ「ジェネリック苺ましまろ」って言ってるやつw
各話で問題を解決するというテーマがあるものの
それよりも普通にダラダラ騒いでたほうが楽しいのがなんか惜しい。
なんにせよ「可愛いは正義」とはよく言ったもんだな!!


ポプテピピック
B 82

このアニメを評価したら負けだと思うけど
評価しなくても負けだと思うので
どうせなら素直に楽しんだほうがいいよな!!
ウゴウゴルーガとか好きだったし!!
ブレイクコアな感じのOPが作品のシュールさにマッチしてて素敵。


刻刻
C 67

ストーリー的には全然進んでないはずなのに
毎回続きが気になる構成がズルい!
時間が停止したひとつの街の箱庭感と
アニメとしてのクオリティの高さが相まって実に不思議な視聴感覚。
メインであるはずの化物がどうでもよくなるくらいだw


からかい上手の高木さん
B+ 85

高木さん超可愛い!! 陵辱したくなるほど可愛い!!
完璧なアニメ化だわこれ。
歳をとるほどこういう青春が眩しくなっていって苦しい。
EDのりえりーカバー曲も後味の良さに拍車をかける良いアイデア。


グランクレスト戦記
D+ 57

5話観て終了。
1クールは観ようかと思ったけどやっぱつまらんわこれ。
こういう戦記モノってアニメのテンポには向かないのかな…。
苦戦の描写があっても1話で2回戦闘に勝ったら無双にしか見えん。
不利を覆すための戦略が後出しジャンケンに見えるのも仕方ないか…。
絵は綺麗なのでなおさらもったいない感じがする。


ハクメイとミコチ
C 65

3話観て終了。
非常にゆるくていい感じ。最近ハルタ頑張ってるよね。
でもこれは原作で読みたい。演出も漫画のコマとテンポを意識してるし。
彩色がたまらなく綺麗なので、時間さえあればゆっくり眺めていたいアニメ。


Fate/EXTRA Last Encore
C+ 69

この前遊んだゲームのやつがこれか。
広くない世界で二人きりでイチャイチャする内容が
シャフト演出に合ってるといえば合ってるな。
fateらしくないと言えばそれまでだけどな。
今後ストーリーがどう動いていくか気になる。



「高木さん」全巻まとめ買いしちゃったよ!!
このシンプルなネームの破壊力!!

でも「(元)高木さん」はやっちゃダメなやつだろ…。
甘酸っぱいラブコメが台無しじゃねえか。
内容的につまらないとは思わんが、俺の中ではなかったことにしておく。


あと前期でいちばん好きだった「少女終末旅行」の原作が
完結したと聞いたので最終話を読んでみた。

俺の好きな筒井康隆の『霊長類、南へ』を彷彿とさせるラストながら、
絶望と仲良くなるまでもなく、絶望を知らないまま旅が終わる、という
サブカル漫画としては実に綺麗な終わり方。

ただアニメの続きと考えるとすげえつらいw
OP・ED・挿入歌の歌詞をすべて叩き潰すような感じがね…。
最初から終わり方は決めてたのだろうけれど、
アニメ化におもねらない作家は好きだぜ。
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感想:カタハネ ―An' call Belle― その1

2018-02-17 13:46:39 | ゲーム(VITA)



公式サイト


過去のゲームの感想はこちら→  




《シスター》と呼ばれる人形たちが人と共に暮らす世界。
演劇祭で史実に基づいた劇「天使の導き」を披露することに決めたセロとワカバ。
しかし、悲劇をハッピーエンドに変更することが
世間から受け入れられないことと知る。




なんだか急に泣けるゲームが遊びたくなったので
新作棚を眺めてそれっぽい作品を買ってみた。
調べたら10年も前のゲームのリメイク移植なんだな。






背景すごすぎ。
テキストも読みやすい感じでいいね。
イベントの一枚グラもかなり多くて楽しい!!





ストーリーの軸になるキャラはもちろんいるのだけれど
こまめに色んなキャラの視点に切り替わるので
それぞれの心理描写が面白い。





記憶が安定しないため、この世に長く存在しているものの
言葉も行動も無邪気な子供のような人形・ココ。
こういったキャラが話の中核を担うのはお約束だよねw





ラッキースケベきた!!


元がエロゲーなのでいくつかエロシーンがあるのだけれど
完全に朝チュン状態なのがひどい。前戯くらい見せろよ!!
まあこのキャラデザにエロは求めてないけどな…。





百合あり。
こういった綺麗な世界観だと百合エロがしっくりきていい。





そして中盤に挿入される「クロハネの章」。
大国である赤の国・青の国と、その境界に位置する白の国。
三国が陰謀によって大きな渦流に飲み込まれていく。

その内容こそが演劇の題目そのものなのだけれど
善人が報われない話は結構くるな…。



ルートは全部で3つ。

それまでの伏線回収が中途半端でモヤモヤしているところへ
一気にまとめあげる最終ルート。
過去と現在が絡み合って歴史を是正するスケールの大きさ。
しかし歴史よりもキャラ同志の関係性がトーリーのメインに置かれているので
プレイヤー側で想像する余地を残してくれている。
こういう物語はほんと好き。



いやー、泣けた泣けた。
緻密な世界観が非常に上手い。
リメイクするだけの価値がある作品だった。




PCエンジンユーザーとしては
PCエンジンをギャルゲーハードに仕立て上げた戦犯
多部田俊雄の名前を見かけてギョッとした。
こいつまだ現役だったのか…。


■■■現在の進行状況■■■

オールクリア


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