東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
~ごみ問題のスクラップブックとして~

廃棄物処理施設集中立地の中防で、ついに大気中のダイオキシン類濃度が基準値超える!

2008年03月05日 23時59分26秒 |  PCB/DXN類など

 今日、東京PCB廃棄物処理事業の環境安全委員会を傍聴してきた。その中で、JESCO東京事業所敷地内での大気中ダイオキシン類測定結果が0.62pg-TEQ/m3(平成19年9月11日測定)と、大気の環境基準:0.6pg-TEQ/m3(年平均値)を超えていたと報告された。

 JESCO東京事業所では、「PCB処理に起因するコプラナーPCB(Co-PCB)由来のものは少なく、また当日の風向きから当事業所由来のものとは考えにくい。」という報告であった。

 私たちとしては、ついに出るべき結果が出たという気がした。~PCB処理施設がどうこうということではないが、中央防波堤内側埋立地(中防)に廃棄物処理施設を集中立地させたための、当然の成り行きというか、心配していたことが現実になったというか~

江東区地先、中防の廃棄物処理施設としては~
ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業のJESCO東京事業所の他に、東京臨海リサイクルパワー(廃プラスチック焼却と医療廃棄物焼却のガス化溶融炉)、23区のごみ処理施設→不燃ごみ処理センター、粗大ごみ破砕処理施設、破砕ごみ処理施設、中防灰溶融施設、その先には23区の最終処分場埋立地がある。

 たとえ各施設のそれぞれの排出基準はクリアしていたとしても、総量規制ではないので、あの地域は飽和状態になってしまうのかもしれない~
 基準値以下に薄めてばらまいて大気に拡散させる。それでも大気中の濃度規制を超えるということは大変なことである~

 ちなみに、PCB処理施設のお隣で23区の粗大ごみからの可燃物を燃やしている「破砕ごみ処理施設」敷地内のダイオキシン類調査結果は以下の通り。↓

破砕ごみ処理施設敷地内大気中のダイオキシン類測定結果
   H15年11月→0.14pg/TEQ/m3、 H16年12月→0.18pg/TEQ/m3、 
    H17年11月→0.12pg/TEQ/m3、 平成18年12月→0.13pg/TEQ/m3
 高値安定の数値ではあるが、過去(スーパーエコタウン施設や灰溶融施設が稼働する前は)0.6pg/TEQ/m3を超えるようなことはなかった。19年度はまだ公表されていないが、基準を超えるような数字ではないということであった。来週末にはHPに更新できるそうだ(3/6)

 今回の結果は、一過性のものなのか、ますます悪化していくのかはわからないが~東京都も江東区も共に適切に対応してほしく思う。なにしろ年1回の測定ではどうしようもない!年1回の測定で得たデータを、たまたまその時だけ運が悪かったととらえるか、日常的にそういう状況の中での数値ととらえるか~ どちらにしても、通常は0.0いくつのレベルの世界、23区の各清掃工場敷地内でもどんなに多くても0.3pg/TEQ/m3を超えることはなかったように思う。環境省の全国調査でも、大気中のダイオキシン類測定結果はすべて基準値以下と報告されている。

東京PCB廃棄物処理事業環境安全委員会の傍聴感想は
東京PCBのホームページへ~

今日はとりあえず~

追記
●全国的に見ても、大気のダイオキシン類は全ての地点で環境基準を達成していたはずなので、朝からワースト市を探してみたが、やはり0.6なんて数字は見つからなかった。最高の数値で下記↓↓(2008/3/7)

奈良県大和高田市(平成18年度)
最小0.033pg/TEQ/m3~0.42pg/TEQ/m3(平均0.23pg/TEQ/m3)

広島市安芸区(平成18年度)
最小0.12pg/TEQ/m3~0.38pg/TEQ/m3(平均0.28pg/TEQ/m3)


環境省平成19年12月18日
■平成18年度 ダイオキシン類に係る環境調査結果
http://www.env.go.jp/air/report/h19-07/index.html

■ダイオキシン類の排出量の目録(排出インベントリー)について
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9180

東京都環境局
■平成19年度都内環境大気中のダイオキシン類調査結果(速報)(平成20年2月6日現在)
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/kansi/dioxin/dxn19/19hp(sokuhou).htm

■環境省のダイオキシン類の排出量の目録(排出インベントリー)から~

我が国のダイオキシン類の排出量の目録(排出インベントリー)を、今般、平成18年まで整備した。排出総量の推移は以下のとおり。

<平成9年から平成18年までのダイオキシン類排出総量>
(単位:g-TEQ/年)

平成9年 7,680~8,135
平成10年 3,695~4,151
平成11年 2,874~3,208
平成12年 2,394~2,527
平成13年 1,899~2,013
平成14年 941~967
平成15年 372~400
平成16年 344~369
平成17年 327~354
平成18年 289~317

 ダイオキシン類対策特別措置法第33条第1項に基づき定められた「我が国における事業活動に伴い排出されるダイオキシン類の量を削減するための計画」では、平成22年の削減目標量を315~343g-TEQ/年(平成15年比で約15%削減)としている。
 平成18年総量の289~317g-TEQ/年(平成15年比で約20%削減)は、4年前倒しでこの目標量を下回っており、順調に削減が進んでいるものと評価される。

●削減は進んでいるとはいえ、元々の排出量が殺人的な数値なので~
今だかって発生源の大部分が廃棄物焼却施設であることは間違いない事実である。下記↓↓グラフ参照


■ダイオキシン類の排出量の目録(排出インベントリー)概要及び排出総量の推移 [PDF 93KB]
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=10670&hou_id=9180


環境省「ダイオキシン類の排出量の目録(排出インベントリー)概要及び排出総量の推移」より作成
【WHO-TEF(1998)使用、排出量は(g-TEQ/年)
発生源の内訳
1 廃棄物処理分野
:一般廃棄物焼却施設、産業廃棄物焼却施設、小型廃棄物焼却炉等
2 産業分野:製鋼用電気炉、鉄鋼業焼結施設、亜鉛回収施設、アルミニウム合金製造施、銅回収施設、パルプ製造施設(漂白工程)、その他の施設
3 その他:火葬場、たばこの煙、自動車排出ガス、下水道終末処理施設、最終処分場

鮮明なグラフが必要な方はこちらをクリック~


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