東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
~ごみ問題のスクラップブックとして~

まだまだ減らす「ヨコハマ 3R夢 プラン」、 東京23区とのごみ量比較

2011年01月25日 15時46分35秒 | ごみ全般/環境政策

※グラフは「ヨコハマ 3R夢プラン」「東京二十三区清掃一部事務組合清掃事業年報」から作成
注:横浜市のごみ量は万トン単位・人口は万人から計算したため1人1日当たりのごみ量はかなり大まかな数字になっている。23区のごみ量はトン単位、人口は人から計算した。

横浜市2001(H13)年度の1人1日当たりのごみ量は1,275gだった。(23区は1,165g) それがG30で2009(H21)年度には694gに削減したのだからすばらしいものだ。23区は、あっという間に、はるか先まで追い越されてしまった。そしてさらに「ヨコハマ 3R夢(スリム) プラン」 で「総排出量(ごみと資源の総量)を平成37(2025)年度までに平成21(2009)年度比で10%以上(約13万トン)削減。<平成25年度の達成目標>平成21年度比で3%以上(約4万トン)削減 」というのだから、すばらしい!!

■「ヨコハマ 3R夢(スリム) プラン」
横浜市一般廃棄物処理基本計画 (平成22~37年度)

横浜市資源循環局:2011/01/20


横浜市と東京23区では、ごみ量も人口もかなり違うし、なんといってもごみ処理体制が全く異なるので、単純に比較するのもいろいろ問題はあるのだが~1人1日当たりのごみ量比較はしたくなる。
それにしても、横浜市、G30以前の悪評高きごみ分別、全国平均を大幅に上回る1人当たりのごみ量、それらからの大変革、ごみ減量政策大成功というわけなので、やはり横浜市に見習うべきことは大いにある!!



横浜市の2009年度のごみ量
2001年度比で家庭系ごみの削減率は35%、事業系ごみの削減率は52% ←メスどころか大ナタふった



東京23区の2009年度のごみ量
2001年度比で区収集ごみの削減率は17%、持込みごみの削減率は14%
(区収集ごみには、かなりの(?)区収集の事業系ごみ含む)





東京23区、区収集ごみ減量上位の区でも500g台なので~
《平成21年度:練馬(551g/人日)、杉並(554g/人日)、葛飾(570g/人日)、中野(571g/人日)、江戸川(571g/人日)、23区平均(610g/人日)》 とても横浜市にはかなわない!! ただし、23区の場合は、区収集にかなりの事業系ごみも含むので単純に家庭系ごみとしての比較はできない。オフィス街や繁華街をかかえる千代田区、中央区、渋谷区、台東区、新宿区などの区収集ごみ量はかなりの量になっている。以前、家庭系と事業系の割合を知る必要があって「ごみ排出原単位等実態調査報告書」で調べたことがあるのだが~



●東京23区の場合は、資源回収は各区によって分別品目が異なるし、容器包装プラスチックも資源化せずに可燃ごみとしている区もある。横浜市の場合は、全市をあげてのプラスチック容器包装の分別収集、徹底した紙類の分別収集がかなり効果を上げているということなのか。横浜市の、市が収集する事業系ごみは「住居併置事業所(一日平均3キログラム未満)」に限定している。横浜市の事業系ごみ 23区よりもかなり厳しいようだ。(江東区の場合は平均50キログラム未満は区で収集可)

23区、ごみの発生抑制、減量、資源化、適正な分別~いろいろやるべきことは山積~
いろいろ思うところたくさんあるが~ きりがないのでもうやめる

また、事業系ごみの焼却工場受入基準もしっかりと~
横浜市のごみ焼却工場で焼却できないもの
①紙類(資源化できないものを除く)→古紙問屋等へ搬入しリサイクル
②産業廃棄物
aプラスチック類事業活動から発生するプラスチック類は産業廃棄物です。
弁当の容器、発泡スチロール、ビニール袋など汚れていても産業廃棄物です。→産業廃棄物処理施設へ(できる限りリサイクルを)
b産業廃棄物に該当する紙くず・木くず・繊維くず(繊維工業からの繊維くず以外)→産業廃棄物処理施設へ(できる限りリサイクルを)
c上記以外の産業廃棄物→産業廃棄物処理施設へ(できる限りリサイクルを)

東京23区の場合は、かなりの事業系の資源化可能な紙類が入っている。
木くずや繊維くずの産業廃棄物も受け入れている。


■「ヨコハマ 3R夢(スリム) プラン」から
平成22~25 年度に取り組む施策・事業
(抜粋)
(3)家庭系ごみ対策
■新たなリサイクル ←注目すべきことたくさん
新たな生ごみリサイクル:バイオガス化実証実験の検証と今後の在り方の検討
希少金属(レアメタル)含有製品の回収の検討:効率的な回収・リサイクル手法の検討・実施
せん定枝のリサイクルの検討:民間施設を活用したリサイクルの検討
廃食用油の拠点回収の検討:拠点回収の実施
プラスチック製品のリサイクルの検討・他都市調査:リサイクル手法調査の実施
陶磁器くずのリサイクルの検討:他都市調査・リサイクル手法調査の実施
(4)事業系ごみ対策
事業系ごみの減量・リサイクルの推進
 ・食品廃棄物のリデュース・リサイクルの促進
 ・食品廃棄物の多量排出事業所の実態調査
 ・せん定枝のリサイクルルートへの誘導
 ・グリーンコンポスト施設の在り方の検討
市役所ごみゼロの推進
 ・共通ルールの周知と3R・適正処理の徹底
処理手数料の見直しの検討
 ・一般廃棄物処理手数料の見直し検討
■事業系ごみの適正処理
事業系ごみの適正処理の推進
 ・焼却工場での搬入物検査による分別指導の徹底
 ・事業者を対象とした講習会の実施
 ・中小事業所も含めた立入調査等による個別指導の徹底
(5)ごみの処理・処分
安全で安定した焼却処理
 ・既存工場の長寿命化の検討
 ・既存工場の大規模改修の必要性の検討
最終処分場延命化のための焼却灰の有効利用
 ・金沢工場灰溶融施設での焼却灰溶融スラグ化等の実施
 ・民間施設での処理委託による焼却灰リサイクルの実施
 ・焼却灰の新たなリサイクル手法の検討

中日新聞(1/17)「自治体の灰溶融炉 相次ぐ休止・廃止」では「横浜市 2010年休止」となっていたのだが、「ヨコハマ 3R夢(スリム) プラン」のなかでは「金沢工場灰溶融施設での焼却灰溶融スラグ化等の実施」は書かれている。横浜市のHPでは「金沢工場:平成22年度灰溶融施設を休止しています。」となっている。22年度だけ休止ということなのか?(未確認)

■横浜市「市民の声の公表」《溶融スラグの出荷を停止してください。》
受付年月 2010年07月
<投稿要旨>
不注意が発生し溶融スラグでけがをしたので、資源循環局に損害賠償を請求したいのですが、どのような手続きをすればよいか教えてください。
事案がはっきりするまで、金沢工場の溶融スラグの出荷を停止するようお願いします。また、現状の金沢工場の溶融スラグを送付頂きますようお願いします。
<回答>
溶融スラグの出荷停止ですが、今回のお申出理由による出荷停止は考えていません。
また、本市が溶融スラグの提供等をしているのは、本市と売買契約を締結している再資源化施設、および資源化技術・処理技術等の研究開発を目的としている依頼者のみとなっています。
損害賠償の手続きについては、お住まいの地域管轄の裁判所などにお尋ねください。
詳細は:http://cgi.city.yokohama.lg.jp/shimin/kouchou/search/data/22001815.html

●こんな↑↑記事が入ってきたが~(2011/02/06追記)

横浜市のごみ減量施策の一例(横浜市HP)
■分別ルールを守らない市民、事業者に対する、罰則(過料)制度
■ごみ減量イベントマニュアル
■G30コーディネーター養成講座

●分別の徹底は、資源をごみにしないことの他に、清掃工場の安全性にもかかわることなので、「収集できません」のイエローカードはおおいにけっこう!!
■まだ減らせる 住民参加で家庭ゴミを42%減らした横浜市
nikkei BPnet - ‎2011/01/25
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20110119/105695/
 2003年からの「G30」で掲げた目標を上回るゴミ減量を達成。地域住民の協力で、資源ゴミの分別を増やし、徹底した。
 横浜市は、2010年度までに市内家庭と事業者から出る一般廃棄物を2001年度比で30%減らす「G30」という運動に取り組んでいる。 2003年に開始したが、2005年に30%減を前倒しで達成し、2006年には「35%減」と目標を上方修正した。2009年度時点で42%減(2001年度比)と目標 ...

※nikkei BPnet「まだ減らせる 住民参加で家庭ゴミを42%減らした横浜市」より

少し古いのだが~(本ブログから~)
■横浜市 ごみ減量効果で保土ケ谷工場も2010年度には休止へ!横浜と23区を比較すると~

■23区 「清掃事業年報(平成21年度)」 の公表 ごみはまだまだ減少~


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