東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
~ごみ問題のスクラップブックとして~

「色付きレジ袋に鉛」学習会~レジ袋由来の鉛量の推算

2007年10月10日 21時04分27秒 |  PCB/DXN類など

酒井伸一・京都大学環境保全センター教授(環境工学)の学習会(10/9池袋エコ豊島にて)の続き
レジ袋の鉛濃度の測定結果は10/9ブログ参照
プラスチック焼却になった場合のレジ袋に由来する鉛はどれくらい推計されるか?というもの~

【第16回環境化学討論会、佐藤直己、ポスター発表(北九州:2007年)資料より】
◎プラスチック製容器包装材に含まれる鉛とその物質フロー
京都市で1年間に排出されるレジ袋中に含まれる鉛量は2.0~2.7tと推計(計算省略)
これを人口比から全国値に直すと180~240tとなる。
(家庭製品に由来する鉛の循環・廃棄フローの推定結果は年間660~740tと推計)
これらから
◎家庭由来の鉛を含む廃製品が焼却される量のうち、およそ3分の1~4分の1がレジ袋に由来する可能性があるという。

まとめとして
◎焼却後の飛灰に鉛が含まれる場合、その溶出防止のためにキレート処理等が必要となるが、その薬剤処理にかかるコスト削減の観点から、提言することが望ましいと考えられる。同じ店舗の同じ色デザインの袋でも、鉛の濃度に差が見られる場合があったため、鉛使用顔料の使用をやめることは比較的容易に可能である。今後、小売り事業者や製造事業者への鉛系顔料の使用の実態を周知し、代替顔料使用を促すことで鉛のフロー低減をすることが可能である。

●なんといっても「環境省の事業の一環」であるので、まとめもとても環境省向けになっている。しかし、このようにレジ袋の鉛に着目されここまでまとめ上げられたことは素晴らしいな~

◎ざっくばらんな質疑応答が1時間くらい~
いろんな話が出たが…
・先ずは販売店に公表したそうだ。マスコミ公開前にすぐに自主回収した百貨店(大丸)もあったとか。また、今後の対策を環境保全センターに相談されたお店も3~4社あった。あとは京都市の相談した社も多くあったとか~
・問題のレジ袋の多くは中国やタイやインドネシアでつくられているということ。
・今回は鉛の検出に着目したわけだが、もちろん鉛だけではなくクロムやカドミ等、他の重金属も含まれているとのこと。鉛の数値が高いので今回は鉛を取り上げた~
・今回は色つきレジ袋の下地の色部分のみ。そこに更にいろんな色で模様や文字が書いている部分は計測していない。
・実は、京都市はごみ有料化ということで黄色いごみ袋にしているが、そこからも検出されたものもあったとか。
・秋にも京都市と共同で再調査の可能性もある。フォローアップをして再調査をしても改善がなければ名前の公表なども有りえるとか。
・中防の灰溶融から鉛基準オーバーの話しにもおよび~ ごみの中にたとえば「小型シール鉛蓄電池」一つでも入っていれば、その焼却灰や飛灰の鉛数値は急激に上昇するであろうとのこと。
・同じく灰溶融の水銀値に関しても、蛍光灯に1本に10mgの水銀が入っているし、水銀体温計などもまだ使われているのでそれらが炉に入ったら急上昇の可能性もある。排ガス機能がうまくいってないのか、活性炭で取り切れていないのでは?など~
・ダイオキシン類等の削減は技術でかなり抑えることはできるが、重金属に関してはそのものがなくなるわけでは決してないので、スラグに封じ込めるか溶融飛灰にいくのか、それとも大気に放出するのか~どこかに残るのである。
・プラスチックおもちゃや類の計測も是非していただきたいと要請。
・東京都の指定ごみ袋もお持ち帰りいただいて調査をお願いした。

●ポータブル蛍光X線分析計(XRF分析)で簡単に測定できるのだそうだ。価格は500万円とか。そういう装置があればレジ袋に限らずいろんな色つきプラスチックを計測してみたいものだ。

●東京二十三区清掃一部事務組合の廃プラサーマル実証確認試験でプラスチック等の重金属試験をおこなっているが、どこでどのように計測しているのか。プラスチックも意図的に色つきのものは避けているのだろうか。

●プラスチック混合焼却になれば、あらゆるものが焼却炉に入ってくるだろう。小型の家電製品、電話の子機や電気カミソリいろんな電池や蛍光灯だって入ってくるかもしれない。不燃ごみなどなくなってくるだろう。恐ろしいことだ。

とりあえず~
また思い出した時点で付け加えていく~

大事なことを書き忘れていた。
それでは私たちにできることは~
●中国製のレジ袋だから~で済ますのではなく
販売店が中国にレジ袋をつくらせる時の仕様が鉛フリーにしているかの確認
鉛フリー仕様であったも、果たして中国で鉛フリーにしているかの確認
●おもちゃなどいろんな製品の安全性を求めるため、先ずは消費者センタ-等への働きかけ?
●ポータブル蛍光X線分析計(XRF分析)をどこかで購入して、調査活動をさせる?
●レジ袋の鉛フリーの働きかけに終始するのではなく、基本はレジ袋の削減へ。
●マイバック運動へ~。しかしこれまた、マイバックの多くも色つきのプラスチック仕様が多く調査すると続々と鉛が出てくる可能性もあり~
●とにかく、そのようなものを焼却炉で混合焼却することの問題点の再確認。

いつもメモをあまりとらないので、後から後から大事なことがポツポツと~

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