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環境省【通知】焼却施設に附帯されている灰溶融固化設備の財産処分について(平成22年3月)

2010年04月24日 17時42分16秒 | 溶融炉、スラグ

■「焼却施設に附帯されている灰溶融固化設備の財産処分」についての取扱
1 通知の背景
(1)ダイオキシン対策の推進に伴う排出削減効果の発現(飛灰及び焼却灰のダイオキシン濃度の著しい低下)により溶融固化処理の必然性が低下していること。
(2)3Rの推進により最終処分場に残余年数が増加していること。
(3)温室効果ガスの削減は、我が国の環境政策の最重点課題の一つであり、灰溶融固化設備の廃止による燃料等の削減により温室効果ガスの削減に寄与すること


環境省は、これまでのごみ処理広域化政策や灰溶融設備抱き合わせの補助金・交付金施策を、いったいどのように総括しているのだろうか?ここまではっきり「廃止」を打ち出しているとは思わなかった。 すでに時遅しではあれ、あまりにもまともなことを今頃やっと~  しかし、いきなり手のひら返すような通知だけではなく、聞き取り調査・実態調査をするなりして、きちんと過去の環境政策を総括すべきなのではないか? そしてどのような方向に進むべきなのかをしっかりと議論すべきではないか? 今度は場当たり的に「バイオマス」関連の交付金のばらまきで、あちこちでゴタゴタしている。 

# 全都清ニュース第1号ーより
http://www.jwma-tokyo.or.jp/data_news/news49.pdf

環境省は、、2010年3月に「焼却施設に附帯されている灰溶融固化設備の財産処分」の承認基準の運用見直しの通知を出した~

環廃対発第100319001号
平成 22 年3 月1 9 日

各都道府県知事  殿

環境省大臣官房
廃棄物・リサイクル対策部長

環境省所管の補助金等に係る財産処分承認基準の運用(焼却施設に附帯されている灰溶融固化設備の財産処分)について

 環境省所管の補助金等を受けて整備された一般廃棄物処理施設に係る財産処分については 「環境省所管の補助金等で取得した財産処分承認基準の整備について(平成20、年5月15日付け環企発第080515006号 (以下「承認基準通知」という  」に基づき承認事務を行っているところであるが、今般、別添のとおり廃棄物処理施設整備費国庫補助金で整備された「焼却施設に附帯されている灰溶融固化設備の財産処分」についての取扱いを定めたので、御了知いただくとともに、貴管内市町村等関係者に対し、周知されるよう御配慮願いたい。

(別添)

「焼却施設に附帯されている灰溶融固化設備の財産処分」についての取扱い

1  通知の背景
(1)ダイオキシン対策の推進に伴う排出削減効果の発現(飛灰及び焼却灰のダイオキシン濃度の著しい低下)により溶融固化処理の必然性が低下していること。
(2)3Rの推進により最終処分場の残余年数が増加していること。
(3)温室効果ガスの削減は、我が国の環境政策の最重点課題の一つであり、灰溶融固化設備の廃止による燃料等の削減により温室効果ガスの削減へ寄与すること。

2  財産処分承認基準における適用                            、
 以下に示す「対象設備」及び「承認に必要な条件」に全て該当するものについては、承認基準通知の別添「環境省所管の補助金等に係る財産処分承認基準」の「第3  国庫納付に関する承認の基準」の1.の(1)のイ.の「 ア)市町村合併、地域再生(等の施策に伴い、当該地方公共団体が当該事業に係る社会資源が当該地域において充足しているとの判断の下に行う財産処分であって、環境大臣等が適当であると個別に認めるもの」として取扱うこととする。

3  対象設備
 廃棄物処理施設整備費国庫補助金を受けて焼却施設を整備するに当たり、灰溶融固化設備の設置を補助要件としていた、平成9年度から16年度に交付決定(採択)された焼却施設の灰溶融固化設備とする。

4  承認に必要な条件
 ダイオキシン対策、最終処分場対策、地球温暖化対策等を勘案し、以下の(1)から(5)のすべてを満たす場合に承認することとする。

(1)焼却飛灰(ばいじん)は、特別管理一般廃棄物となるため、灰溶融固化設備の廃止に伴い 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」の基準に基づき適切に収、集、運搬、処分及び再生されること。
 特に、処分及び再生に当たっては「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物の処分又は再生の方法として環境大臣が定める方法」により、焼成処理、セメント固化、薬剤処理又は他の施設での溶融処理など、適切な方法で処分又は再生されること。

(2)焼却灰は、セメントや各種土木材料等としての再生利用又は他の施設で溶融処理することが適当であるが、やむを得ず埋立処分を行う場合は、維持管理基準等に適合すること。

(3 「廃棄物処理施設整備計画(平成20年3月25日閣議決定 」の重点目標等において、最終処分場の残余年数について15年分を維持することとされていることに鑑み、最終処分場の残存容量が、15年以上確保されていること。

(4)温室効果ガスの削減に寄与するため、灰溶融固化設備の廃止に伴う燃料等の削減量と、新たに発生する焼却飛灰及び焼却灰の収集、運搬、処分又は再生に伴う燃料等の増加量を試算した結果、CO2の排出削減が客観的に明確であること。

(5)灰溶融固化設備の不具合を意図的に放置したために休止に至る等、灰溶融固化設備の運転に不適切な事態が生じていないこと。

5  承認の手続
 灰溶融固化設備の財産処分を行う場合には、承認基準通知の別添「環境省所管の補助金等に係る財産処分承認基準」の「第2  承認の手続」に基づき、財産処分承認申請書を作成し 「4  承認に必要な条件」に掲げる項目について、関係資料を添付の、上、環境大臣あて提出することにより、申請手続きを行うこと。

 

●「通知の背景」や「承認に必要な条件」などを読んで、喜びより先に唖然としてしまった。要するに、これまでの政策は結果的に、「現状ではもう、ダイオキシン類対策にも、埋立処分場延命にもあまり効果はないので~それよりも温暖化が進むのでもう灰溶融施設はやめなさい。焼却灰は溶融以外の方法できちんと処理をすれば溶融炉を廃止しても交付金は返却しなくてもいいですよ」ということなのだろう。

環境省に問い合わせたところ、「積極的に廃止を推進しているわけではなく、灰溶融施設を廃止する自治体への通達」ということであった。 

これまで大変な処理コストをかけて、事故や故障で危機的運転をしてきた自治体もあるだろう、これから工事が始まるところもあるだろう、試運転中のところもあるだろう、どう責任をとってくれるのだ。なんだか市町村もプラントメーカーも一枚の通達に踊らされてしまう~それとも環境省が右往左往で踊らされているのか。

しっかりとした理念や方向性というもがあれば、その時々の状況で大きく変化するものではないはずなのに~ 喜ぶべきことなのに、なんだか釈然としない、これまで何だったのだ~~~ とは言え、そうなることを待ち望んでいたのだから、なにはともあれ素直に喜ぶべきであろう、喜ぼう!!



日本環境衛生施設工業会(JEFMA)HPよりhttp://www.jefma.or.jp/index.htm
■廃棄物処理施設の財産処分・耐用年数

◇環境省所管の補助金等で取得した財産処分承認基準の整備について

(「環境省所管の補助金等で取得した財産処分承認基準の整備について(平成20年5月15日付環企発第080515006号))
http://www.jefma.or.jp/download/pdf/gizytu/haiki_seibi.pdf

◇廃棄物処理施設の財産処分について(廃棄物処理施設の財産処分マニュアル)
http://www.jefma.or.jp/download/pdf/gizytu/haiki_syobun.pdf

 





※環境省「一般廃棄物処理事業実態調査の結果(平成20年度)」より作成


※環境省「一般廃棄物処理事業実態調査の結果(平成20年度)」より作成
●平成20年度のごみ総排出量は平成11年度の89.6%、施設の数は大幅に減少平成20年度は平成11年度の73.9%(焼却は68.3%、ガス化溶融は10倍増)、処理能力は95.9%である。これはごみ処理広域化によるごみ処理施設の減少・大型化によるもの。詳細は:http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=15530&hou_id=12391



※環境省「3R推進交付金ネットワーク」等より作成


■廃棄物処理施設長寿命化計画作成の手引き(ごみ焼却施設編)
平成22年3月 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課
http://www.env.go.jp/recycle/waste/3r_network/7_misc/gl-ple_prov.pdf

●長寿命化や延命化などいろいろ書いてある~

■高効率ごみ発電施設整備マニュアル
http://www.env.go.jp/recycle/misc/he-wge_facil/index.html

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