W1D (Whisper 1inch Deeper)

演劇・ダンス・アートのための備忘録

身欠きニシン(12.2.26.)

2012-02-27 01:10:17 | Weblog
身欠きニシン


「みがきニシン」が安く売られていたので買ってみた。

というのも、双子の演歌歌手・こまどり姉妹さんが、子供の頃によくお母さんに料理してもらって食べていたという身欠きニシンのお話が、ずいぶんと美味しそうだったからである。その印象がずっと残っていたものだから、いつか食べてみたいと思っていた。こまどりさんが特別出演されているさいたまネクスト・シアター『2012年・蒼白の少年少女たちによる「ハムレット」』を観劇したその日、帰宅途中に立ち寄った地元のスーパーでたまたま発見したものだから、これは何かの巡り合わせかもしれないと思ったのもある。

身欠きニシンとは、ニシン(鰊)の干物のことである(以下、ウィキペディアを参照)。かつてニシンは春になると、北日本、特に北海道の日本海沿岸に押し寄せ、海が白子(精子)で白く染まるほど、漁村は豊漁に沸き返ったという。しかし、水揚げしたニシンは日持ちがしないため、内臓や頭を取り除いて乾燥させて干物に加工した。北国だけでなく、保存に便利なタンパク源として日本各地にも流通した、それが「身欠きニシン」である。「身欠き」とは、戻した干物が筋ごとに取れやすくなることからついた俗称だという。稀に「磨きニシン」と呼ばれることもあるが、これは表記的な誤りだそうである。

北海道は江戸時代からニシン漁で栄え、海岸線は漁場経営のため、いちはやく開拓されたという。すでに享保2年( 1717年)の『松前蝦夷記』に、ニシンの加工品として「丸干鯡」(ニシンを内臓も取らずそのまま干し上げたもの)、「数の子」「白子」などとともに「鯡身欠」が記載されている。春に水揚げされたニシンは番屋などで干物や鰊粕に加工され、北前船に乗せて内地に流通させることで、蝦夷地開拓の大きな資金源となった。

第二次世界大戦前、とりわけ大戦景気までの時期にニシン漁は隆盛を極め、財を成した網元達が競って「鰊御殿」を造った。干物にするため内臓を抜き取ったニシンは、22、3匹ずつを藁で結び、その束を「連」と呼んだ。これを50~51連で「1本」と呼び、2人がかりで処理するニシンの量は1日8本(約9千匹)が目安とされたという。ちなみにニシン漁場では私娼のことを「七連」(ななつら)と呼んだが、これは身欠きニシン7連分の金額で買えたからだそうだ。

しかし、それほど大量に獲れたニシンも、戦中・戦後から現在にいたるまでにほとんど獲れなくなった。こまどり姉妹さんが小学校時代を過ごし、心の故郷と慕っている銭函(ぜにばこ)という土地がある。小樽と札幌の中間に位置する地域で、アイヌが住んでいた時代から鮭漁の魚場として栄え、その後はニシン漁で栄えて、各家庭には銭箱があったという伝説が残り、それが地名の由来になったという。しかし、それほど栄えた銭函も、戦後は魚場が移ってしまってすっかり町全体がさびれてしまい、結局こまどりさんの一家も夜逃げをする羽目になる。ちなみに、そのときに人知れず旅立った銭函の駅舎はいまも残っており、高倉健主演の映画『駅~station』の舞台ともなった。北海道在住の写真家さんが銭函地区を写真で紹介したサイトを見ると、その最盛期が偲ばれるようだ。

http://www.geocities.jp/sinku_spot/zenibako.html

ニシンの卵である数の子も、昔は日常的に食べられていたものが、今ではお正月に食べるぐらいで、しかもかなりいいお値段のする高級食材となっている。鯨の肉と同じ様に、ある種レアな食材と化していて、普通の食卓にはのぼらなくなっている。

私がスーパーで見つけた身欠きニシンは、商品名を「ソフトみがき鰊」といい、裏書きを見ると原料原産国はアメリカ、それを北海道岩内郡で加工したものである(株式会社山武製造)。三枚に下ろされた小振りな身が10枚ぐらい入った250gのパックで、定価が398円のところ、消費期限当日で半額の199円になっていた。以前にも店頭で見かけてはいたものの、「定価ではちょっと高いかな」と思って買わずにいたのである。それが半額になっていたのと、こまどり姉妹さんの舞台を観たその日偶然出会ったものだから、「これは買いかも」と思ったのだった。

あまり馴染みのない食べたこともないような食材でも、時間に余裕のある時に私は結構“お試し”で買ってきては、よく調理法を思案しながら食して楽しんでいる。買ってきてからネットでレシピを検索し、参照しながら料理してみるのである。クズ同然の半端な商品でも、工夫次第で美味しく食べられれば得をした気分になれる。これまでに、シュモクザメの白身でフライも作ったし、チカの唐揚げもおいしく食べた。ぶりやカンパチのあらを買ってきて、ぶり大根(かんぱち大根?)も作った。アトランティック・サーモンの骨身や頭・エラを焼いて、ほぐした身をおにぎりの具にしたこともある。いつか鯛のあらを炊き込んで鯛飯を作ってみたいのだが、まだ果たせないでいる。一人暮らしだから、見た目にこだわることはなく、一人分の食事を納得して味わえればいいのである。

私にとっての最高の贅沢とは何かと問われれば、そのように自分自身のためだけに腕によりをかけて料理をつくり、自ら食すことであると答えるだろう。成功しようが失敗しようが、それは二の次。失敗しても、どこが悪かったのかを検証し、次回はそうならないためにまた気をつければいいのである。料理をするといっても、他人の好き嫌いとか趣味嗜好、刹那的な気分や機嫌に配慮して気を使ったりする必要がないのでとても気楽だし、そうした納得のいく過程や時間を過ごせることが、ある意味幸せなのである。

料理のクリエイティビティ(創意)とは、良い食材に出会って買ってきてから、それをどう活かそうかいろいろ思案するところにあるように思う。レシピ通りに買い物をしてきて調理するのは、どうも科学の実験や数学の方程式を解いているみたいでつまらないように思う。だから、自分は創作料理が好きなタイプなのだろうと思う。そういえば、昔はグラハム・カーの『世界の料理ショー』を楽しみに見ていたし、『料理の鉄人』にも面白く見入っていた。

さて、肝心なのは身欠きニシンである。商品のラベルに「お召し上がり方」が書いてある。「そのまま焼き、大根おろしを添え、お醤油をかけてお召し上がりください。甘露煮、蒲焼き、山菜煮物などでもおいしくいただけます。」とある。買ったその晩は、焼いてしょうゆをかけて食べた(写真なし)。身欠きニシンは、脂の少ないものが上物とされるそうで、基本的に脂身の多い魚なのだろう。かなり煙も臭いも上がり、美味しそうではあるが、部屋中に臭いがつかないように気をつけた方がいい。翌日には違う食べ方をしたいと思い、ラベルに書いてあった甘露煮かなと思い、ネットを検索。クックバッドと個人ブログを参照して作ることにした。

「クックパッド」身欠きにしんの旨煮(レシピID :297232)
http://cookpad.com/recipe/297232

「オラの日常」身欠きにしんの甘露煮
http://haimoo.at.webry.info/200908/article_11.html

通常の「身欠きニシン」はカチカチの干物で、米の研ぎ汁に1週間ほど漬けて戻した後、調理するそうである。また、山形では番茶で灰汁抜きをするとも書いてある。私が買ってきたのは「ソフト」なので、一度だけ米の研ぎ汁で噴きこぼしててから、料理することにした。煮ると独特の良い匂いがする。そして、ごはんも炊いて、2切ればかりをそのままおかずにして食べた。エリンギをスライスして煮汁を吸わせ、添え菜として豆苗を載せた。美味しかった。これはご飯のおかずにも酒の肴にもいいです。残り6切れぐらいを冷蔵にし、その都度解凍して何日かに分けて食べることにした。そばの具にして「にしんそば」も食べたいと思っていたが、結局そのまま同様におかずとして食べる日が続いた。

(2012.2.26.)

早坂昌彦・石塚秀俊・前岨博共著『そのブログ! 「法律違反」です』(12.2.25.読了)

2012-02-26 01:06:46 | 書籍・雑誌
早坂昌彦・石塚秀俊・前岨博共著『そのブログ! 「法律違反」です──知らなかったではすまない知的財産権のルール』

2008年ソフトバンク新書刊

●目次
はじめに

第一章 あなたのブログ、大丈夫?
Q1 有名人の写真を勝手にプログに載せてもいい?
Q2 ブログにモーツァルトの音楽データを載せてもいい?
Q3 アニメキャラを勝手に使って同人誌を販売しても大丈夫?
Q4 無料配布されているマンガ雑誌をコピーして配ってもいい?
Q5 他人の作品とそっくりなオリジナル作品は盗作?
Q6 ゲームのキャラクター画像に肖像権はあるか?
Q7 違法サイトからのダウンロードは著作権侵害ではない?
Q8 仮想空間の土地や建物は現実世界と同じ?
Q9 本のタイトルを商標登録できるか?
Q10 文章の改変はどこまで許されるか?
Q11 原文を引用する場合、誤植を訂正してもよいか?

第二章 あなたの知らない知財
Q1 図書館で他人の本をコピーするのは著作権侵害ではない?
Q2 自分が担当した雑誌記事の著作権は誰のもの?
Q3 料理の盛りつけは著作物か?
Q4 本物そっくりの硬貨を製造する機械の発明で特許はとれる?
Q5 花火などを使ったイリュージョンを意匠登録できるか?
Q6 軌道にのった新サービスが商標権侵害をしていた場合の対処は?
Q7 商標ビジネスは成り立つか?
Q8 後に無効となった特許について文句をいえるか?
Q9 使い捨てカメラをリサイクルしても大丈夫?
Q10 挨拶は知的財産になる?
Q11 ゲームの画面は意匠法で保護される?
Q12 出版契約締結後、他の出版社へ乗り換えることはできる?

第三章 Web2.0時代のアイデア活用術
Q1 他人のブログに掲載されていた発明を特許出願してもよいか?
Q2 特許を取得すれば、第二のYouTubeも夢じゃない?
Q3 仮想空間の土地、建物、お金の価値は、現実世界とリンクするのか?
Q4 SNS上の共同発明を個人名義で特許出願してもよいか?
Q5 自作iPODを量産、販売してもよいか?
Q6 地域経済においては、知的財産の集積は意味のないものか?
Q7 総務部門の海外へのアウトソーシングは不適切か?
Q8 一個人でも、知的財産権を取得することはできるか?

第四章 ビジネスで、知って得する知的財産権
Q1 日本で特許を取得していれば、その製品を海外でも販売できる?
Q2 特許取得を常に積極的に推進すべきか?
Q3 海外企業に先んじていくためには、特許出願が鍵になるか?
Q4 一度取得した特許権は、維持する戦略が得策か?
Q5 特許の価値はどのように評価したらよいか?
Q6 特許の出願数は多ければ多いほどよいか? 
Q7 独自技術は、独占し続けることが重要なのか?
Q8 知的財産の管理は、土地、建物などと同じ要領でよいか?
Q9 協力関係にある企業を、権利侵害で訴えることができるか?
Q10 海外で偽物を製造・販売している業者を訴えることはできるか? 
Q11 退職者によるノウハウ漏洩を訴えることはできるか?

終章 「交通ルール」としての知的財産権の知識

(2012.2.25.読了)

ドイツ同時代演劇リーディング・シリーズ特別編『もう船は来ない』(12.2.25.)

2012-02-26 01:04:04 | 演劇・ミュージカル
VISIONEN ドイツ同時代演劇リーディング・シリーズ特別編
/ニス =モメ・シュトックマン作『もう船は来ない』


●データ
VISIONEN ドイツ同時代演劇リーディング・シリーズ特別編
/ニス =モメ・シュトックマン作『もう船は来ない』

作:ニス =モメ・シュトックマン
翻訳:寺尾恵仁
翻訳監修:寺尾格
朗読:
山田宏平(山の手事情社)
久保庭尚子(フリー)
寺尾恵仁(6.5 /w)
ニス =モメ・シュトックマン
*ドイツ語部分は日本語字幕あり

*アフタートーク
ニス =モメ・シュトックマン×寺尾恵仁×伊達なつめ(司会/演劇ジャーナリスト)

作品『 もう船は来ない 』について
ある劇作家が、ベルリンの壁崩壊についての戯曲を書くために、故郷の父のもとを訪れる。作家としての生活に追われる彼にとっては、どうでもいい過去の物語の一つ。老いた父は相変わらず罪深いほど純朴で、ひたすら息子を苛立たせるが、それでも彼らは話し続けなければならない。作者本人の自伝的な要素を取り入れながら、作家のモノローグ、父との対話、劇中劇としての作家のテクストが交錯していく。

ニス =モメ・シュトックマン
1981年、ドイツ北部フェール島生まれ。ハンブルクの大学でチベット語とチベット文化、オーデンセ(デンマーク)でメディア学、ベルリン芸術大学で劇作コースを専攻。2009年に『世界を食った男』でハイデルベルク戯曲マーケットで優秀賞ならびに観客賞を受賞。『もう船は来ない』は2009年、シュトゥットガルト州立劇場の委嘱作品として書かれたもので、2010年にはベルリン演劇祭の戯曲マーケットに招待された。演劇専門誌「Theater Heute」では、多数の批評家の推薦を受けて、「2010年の新進劇作家」に選ばれた。

(2012.2.25.東京ドイツ文化センター・1Fホワイエ)

歌川令三・森健ほか共著『サイバージャーナリズム論 「それから」のマスメディア』(12.2.21.読了)

2012-02-21 23:58:01 | 書籍・雑誌
歌川令三・湯川鶴章・佐々木俊尚・森健・スポンタ中村共著
『サイバージャーナリズム論 「それから」のマスメディア』

2007年ソフトバンク新書刊行

●目次
まえがき
第1章 新聞ビジネス崩壊の予兆
──「電子」がもたらす「紙」新聞の衰退── 歌川令三
部数減の仕掛人「ネットのあなた」/尻尾が犬を振り回す/「問題はコンテナーではなく。コンテンツだ」/日本の新聞を揺るがす“深層海流”/薄れる深部へのニーズ/「わかっちゃいるけど、やめられない」事情/避けられない「カニバリ」/「新聞が消える」/新聞に未来はあるか?

第2章 「プロの記事」はブログより価値があるか?
──九・一一の草の根ジャーナリズム── 湯川鶴章
簡易型日記風個人ホームページ/ブログジャーナリズムの萌芽/ブログ対ニューヨーク・タイムズの賭け/降板に追い込まれた著名ジャーナリスト/日本にジャーナリスティックなブログが少ないわけ/プロ対アマの戦いはこれまでもあった/「誰」より「何のため」がジャーナリズムの定義に

第3章 テレビ局をめぐる大いなる幻想──「ネットと放送の融合」の語られざる核心──佐々木俊尚
ライブドア・楽天は何を狙ったのか?/あり得るべき通信放送融合の将来像/「サーバー型放送」の陥穽/「集合知」をテレビ局は許さない/頭の痛いテレビのCM離れ/テレビCMに未来はあるか?

第4章 グーグルにあらずんば情報にあらず──WWWを駆け巡る検索エンジン──森健
「1.0」から「2.0」へ/ユーザーが作るコンテンツ/私とグーグルとの出会い/「ページランク」とは何か?/イメージ検索から衛星写真まで/99%は広告収入/検索されないウェブページはないのと同じ

第5章 ウェブがもたらす「偏向」と「格差」──「ハブ」と「べき法則」のリテラシー──森健
「群集の叡智」と称されるウェブ/「ハブ&スポーク」のネットワーク構造/「スケールフリー・ネットワーク」と「スモールワールド」/ネットワーク上の「集団分極化」/「意思決定の外部性」し「沈黙の螺旋」/検索エンジンの限界

第6章 メディアとはコミュニティーである──マイスペース、ユーチューブ、そしてセカンドライフ──湯川鶴章
人々の情報の媒体/世界最大のSNS「マイスペース」/日本でも大人気「ユーチューブ」/仮想社会の百万長者を生んだ「セカンドライフ」/三次元のコミュニティーメディア/「ソーシャルメディア」とは?/「情報の番人」は自分で選ぶ

第7章 誰もがジャーナリストになれる?──ジャーナリズムの進化論的変革を語る──
論点その一 「ジャーナリスト」とは“お偉方”の独占的称号ではない スポンタ中村
論点その二 ブロガー即ジャーナリストにあらず 森健
ジャーナリストの「それから」を論ず スポンタ中村VS森健(進行 歌川令三)

第8章 「ネット」はいいこと尽くめではない──サイバージャーナリズムの虚実──歌川令三
「ネットワーカーの目は澄んでいる」のか?/究極の監獄「パノプチコン」とネット社会/クリエイティブ・コモンズ対著作権の相克/逆説「みんなの言うこと」は正しくない!/評判の連鎖が「よき仲介者」を作る

第9章 「知」の共同体とジャーナリズムの「それから」──公文俊平氏との対話──歌川令三

あとがき
参考文献

(2012.2.21.読了)

TPAM in Yokohama 2012/クドゥス・オニケク『STILL/life』(12.2.19.)

2012-02-19 23:38:34 | バレエ・ダンス・舞踏
TPAM in Yokohama 2012(国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2012)
「インターナショナル・ショーケース」
/クドゥス・オニケク[フランス]『STILL/life』

●プログラム
クドゥス・オニケク [フランス]『STILL/life』
2011年アヴィニョン国際演劇祭で上演された本作『STILL/life』では、振付家ダミアン・ジャレと音楽家シャルル・アンブラールがコラボレーションに参加。人間を残忍な怪物に変容させるものが何であるかを理解しようとする試みが、ダンス、演劇、音楽そしてアクロバットの要素を持つ横断的フォルムと、オニケクの高い身体能力によって表現されています。

クドゥス・オニケク:1984年ナイジェリアのラゴス生まれ。フランス国立サーカス学校にて学ぶ。Heddy Maalem、ジョルジュ・ラヴォーダン、ジャン=クロード・ガロッタ、Mouise Tour?、シディ・ラルビ・シェルカウイのダンサーとして活躍。振付作品『MY EXILE IS IN MY HEAD』が2010年のDanse l’Afrique Danseで賞を得る。2011年、アヴィニョン国際演劇祭で『STILL/life』を上演。

主催:東京・横浜日仏学院/国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2012 実行委員会
助成:アンスティチュ・フランセ
協力:フランス芸術振興会(Onda Office national de diffusion artistique)
http://www.ykprojects.com/

(2012.2.19.KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ)

TPAM in Yokohama 2012/蓮沼執太×山田亮太(TOLTA)『タイム』(12.2.19.)

2012-02-19 23:36:53 | 音楽会・ライブ・コンサート
TPAM in Yokohama 2012(国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2012)
「TPAMディレクション(野村政之ディレクション)」
/蓮沼執太×山田亮太(TOLTA)『タイム』

●データ
野村政之ディレクション(こまばアゴラ劇場制作)
言葉の力、とは。音楽の力、とは。同じ時間・空間を共にすることの意味、とは。なにがなければ舞台芸術は成り立たないのか…? 詩と音楽、そして演劇が共有するものを探りながら、舞台芸術に関わるシンプルな問いをいま一度確かめてみたいと思います。「アーティスト名」、「作品名」の単位で語られる舞台芸術のあり方に対して、“「上演」とは何か”という視点から生まれる「時間」ないしは「集会」のような出来事になればと思います。

●プログラム
蓮沼執太×山田亮太(TOLTA)『タイム』
音楽ライブの中で、演奏空間や演奏者の身振りと視聴体験の新たな関係を探求している蓮沼執太。活字や朗読だけでなく、様々な形態で詩の言葉のありようを探求している山田亮太。複製メディアでの発表と、ライブ空間での上演が共に行われる「音楽」と「詩」、それぞれの領域で、既成概念にとらわれない活動を行う二人の視点から、舞台芸術を捉え直します。
http://www.shutahasunuma.com/
http://tolta.web.fc2.com/

(2012.2.19.KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ)

TPAM in Yokohama 2012/鈴木優人×神村恵『バッハの平均律』第一部(12.2.19.)

2012-02-19 23:35:10 | バレエ・ダンス・舞踏
TPAM in Yokohama 2012(国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2012)
「TPAMディレクション(大平勝弘ディレクション)」
/鈴木優人×神村恵『バッハの平均律』第一部

●プログラム
鈴木優人×神村恵『バッハの平均律』第一部
バロックから現代音楽まで卓越した演奏技術を持ち、新たな音楽の「見せ方」を提案している鍵盤奏者の鈴木優人と、ダンスの境界線を常に探り続けている神村恵により、バッハの『平均律クラヴィーア曲集』をチェンバロの響きとコンテンポラリーダンスで魅せるあらたな体感型音楽のありかたを探ります。
http://eugenes.cocolog-nifty.com/
http://www.kamimuramegumi.info/

(2012.2.19.横浜赤レンガ倉庫1号館・3Fホール)

TPAM in Yokohama 2012/フィリップ・ケーヌ『セルジュの特殊効果』(12.2.18.)

2012-02-19 23:32:16 | 演劇・ミュージカル
TPAM in Yokohama 2012(国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2012)
「インターナショナル・ショーケース」
/フィリップ・ケーヌ&ヴィヴァリウム・ステュディオ[フランス]『セルジュの特殊効果』

●データ
コンセプト・演出・舞台美術:フィリップ・ケーヌ
出演:ガエタン・ヴルシュ/イザベル・アンゴッティセシール・トニッツォ/北澤雅章/天野留理子/梨本威温/吉松章/鷲尾美季/池田ジュリエット
主人公セルジュは、毎週日曜に彼のアパルトマンの一室で、特殊効果を使った数分間のパフォーマンスを友人たちの前で披露するのですが…。無邪気さを装いつつ、演劇的創意をアイロニカルに扱った本作は、クリエイティブな行為は、どんなものであれ、もったいぶっていることを示しています。夢のようなポエジーの漂う、素朴さを装った本作品において、フィリップ・ケーヌは造形美術、音楽を駆使し、あらゆる試みを重ねながら、舞台装置のエクリチュールを追求しています。(英語・日本語上演、日本語通訳つき)

フィリップ・ケーヌ:造形美術を学ぶ。脚本、コンセプト考案、演出をした作品に、『La D?mangeaison des ailes』(2003年)、『Des Exp?riences』(2006年)、『D’apr?s Nature』(2006年)、『La M?lancolie des dragons』(2008年)、『Big Bang』(2010年)、『Pi?ce pour la technique du Schauspiel de Hanovre』(2011年)がある。2013年、青年団とのコラボレーションを行い、日本人俳優とともに作品制作予定。

主催:東京・横浜日仏学院、国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2012 実行委員会
助成:アンスティチュ・フランセ
協力:フランス芸術振興会(Onda Office national de diffusion artistique)
http://www.vivariumstudio.net/

(2012.2.18.KAAT神奈川芸術劇場・ホール)

TPAM in Yokohama 2012/山下残『横浜滞在』・マームとジプシー『塩ふる世界。』(12.2.18.)

2012-02-19 23:30:25 | 演劇・ミュージカル
TPAM in Yokohama 2012(国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2012)
「TPAMディレクション(大平勝弘ディレクション)」
/山下残『横浜滞在』・マームとジプシー『塩ふる世界。』


●データ
大平勝弘ディレクション(STスポット館長)
STスポットでは、舞台における身体表現の可能性を常に模索し、それを具現化しようと試みています。舞台上で行われる出来事で彼らは何と何を接続しようとしているのか、全ては律動の上に構築されていきます。また、社会との距離の取り方がまるで違う三組は「演劇」「ダンス」「音楽」というカテゴライズが意味をなさない活動を行い、常に観客を挑発します。

●プログラム
山下残『横浜滞在』
振付・構成:山下残
出演:ヴィンセント・ヤン/山下残
感情や技術のみに偏るのではなく、日々の行動と思考の裏づけから独自の方法論と構造にまで発展させた作品を発表する振付家・演出家、山下残。本作では、言葉とダンスがせめぎ合い寄添いながら、そこにリアルな横浜の街が浮び上がってきます。今回の上演は、ヴィンセント・ヤン(ダンサー)とのコラボレーションで昨年シンガポールで初演された英語版。(日本語字幕つき)
http://www.zanyamashita.com/

──休憩10分──

マームとジプシー『塩ふる世界。』
作・演出:藤田貴大
出演:青柳いづみ(ひなぎく)/伊野香織(ゆり)/荻原綾(すいれん)/尾野島慎太朗(かえで)/川崎ゆり子(ふき)/高山玲子(たんぽぽ)/吉田聡子(はなこ)
果たしてそれが本当に「日常」なのか。あるいは誰もが持っている「記憶」の一部なのか。彼らが組立てていく物語のパーツは常に断片で、連続した「日常」とは接点を持たないもののはずですが、映画や音楽的構造を使い、観客の中にイメージの往還による新たな空間を生み出し続けています。(英語字幕つき)
http://mum-gypsy.com/

(2012.2.18.横浜赤レンガ倉庫1号館・3Fホール)

TPAM in Yokohama 2012/康本雅子×オオルタイチ(12.2.18.)

2012-02-19 23:28:59 | バレエ・ダンス・舞踏
TPAM in Yokohama 2012(国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2012)
「TPAMディレクション(中村茜ディレクション)」
/康本雅子×オオルタイチ


●データ
中村茜(株式会社プリコグ代表取締役/NPO法人ドリフターズ・インターナショナル理事):作家/生産者と観客/消費者の関係性がまさに「劇的」に変化したこの時代に、劇場が「日常的」に果たすべき役割とは? これからの劇場は、世界という「生態系・環境」から隔離・保護された養殖/温室空間のままでよいのか? 本プログラムで取り上げるハンター/採集者/育成者たちは、自らの活動を高度情報化社会の生態系の一部として想像/創造し、独自の環境をつくり、日々更新し続けている。劇場はきっと彼らのデジタルでワイルドな思考と実践から多くを学ぶことができるはずである。

康本雅子:アジア、アフリカを中心に放浪しながら世界で踊り歩き、コンテンポラリー・ダンスの世界へ足を踏み入れてからもなお「野性的な感覚」を磨き続ける。コンサートやミュージック・ビデオ、映画やテレビなどへの出演・振付により、メジャー・シーンでも注目を集め、特異な存在として横断的な活動を展開。今回は、西畠清順の植物とのコラボレーション作品を製作する。
http://yasumotomasako.net/

オオルタイチ:音楽家。1999年、ドアーズ、レジデンツ、エイフェックス・ツインなどから受けた影響の元、即興的エッセンスを取り入れたスタイルで活動を開始。その後脈々と無意識下で錬られていた破天荒なメロディーセンス、非言語によるヴォーカルスタイルで注目を集める。全30公演を超えるアメリカ/ヨーロッパツアーやシドニービエンナーレでの出演など、海外での活動も活発に行っている。今回は康本雅子とのコラボレーション作品を製作する。
http://www.okimirecords.com/

西畠清順(プラントハンター/株式会社花宇):世界を駆け回り、希少な植物を採集し、顧客に届ける。植物を介した人と人の「出会い」を演出し、園芸分野のみならずさまざまな領域で革新の種を蒔いている。「植物」と「人間」の関係を模索する「惑星的思考」の実験場「プラネッタ」も運営。この展示では、劇場のエントランスを「公園」に見立て、ジャングルジムを置き、世界中の植物を「庭園」のように配する。これは「公共」という空間を問う実験であり、次のような思索の具現化でもある。1:公共劇場の「規制」とはいかなるものか。またはそこからいかに創造性を獲得出来るか 2:周辺を歩く多くの人々が、「通り過ぎる」場所ではなく「過ごしたくなる」場所とはどんなものか? 3:劇場の「公共性」とは?
http://from-sora.com/

佐々木文美:多摩美術大学映像演劇学科の卒業と同時に劇団「小指値」立ち上げより参加し、「快快」に改名後もメンバーとして主に舞台装置、たまに企画を担当。その他、六本木の老舗のショーパブ勤務歴もあり、たまに外部の舞台美術を担当し、建築事務所にも出入りする。
http://faifai.tv/

(2012.2.18.KAAT神奈川芸術劇場・アトリウム)

TPAM in Yokohama 2012/86B210+福島かほり『人の声が起こすまで、僕らは溺れる』(12.2.18.)

2012-02-19 23:25:59 | バレエ・ダンス・舞踏
TPAM in Yokohama 2012(国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2012)
「TPAMショーケース」
/86B210(ダンス)+福島かほり(陶芸)
『人の声が起こすまで、僕らは溺れる 叫びと沈黙の舞踊と陶芸の饗宴』

●データ
「君が会う顔に会う為に顔を作る」。T・S・エリオットの一節を軸にモノと肉体、鑑賞と観劇からのアプローチ。

構成・演出・振付:鈴木富美恵
ダンサー:井口桂子/鈴木富美恵
音楽:Jorge Boehringer/Core of the CoAlMan
音響・照明:新村貴樹
陶芸:福島かほり
協力:TPAM in Yokohama 2012
Surported by:Ichiro Takeuchi(brandgraph LLC)

86B210(ダンス):国内外で活動する前衛舞踊デュオ。渡仏中の公演に関して『DANSER』(フランス)、『ballet tanz』(ドイツ)best stage 34のtopに掲載される。共同通信パリ支局よりニュース配信される。 AIRレジデンシーアーティストとして、CESTA(チェコ)、ArtBIOTOP(日本)参加。他分野の芸術家との共同作業にも積極的に行っている。また映画監督Tim Burtom コープスブライドプレミアムシークレットパーティ、アリスインワンダーランドプレミアムパーティ、シークレットパーティでもパフォーマンスを披露。舞台での公演活動以外に東京の街を回遊する大人に送る、アバンギャルドダンスの夕べ。アンダーグラウンドシーンからのアートの発信、として、ヨルノスイゾクカン-Tokyo Art Aquariumプロジェクトを不定期に開催。
http://www.geocities.jp/dance86b210/

福島かほり(陶芸):1983年5月埼玉県生まれ。2006年3月多摩美術大学美術学部工芸学科陶コース卒業。2008年3月筑波大学大学院芸術研究科デザイン専攻総合造形分野修了。2011年6月個展「骨盤のゆりかご」(神奈川・atelier Kirigiris)。2010年11月個展「Boundar y?layer」(東京・Art Lab Tokyo)。2010年3月個展「うつつ・うつろ・うつわ」「Fujisawa Service Center ?留アート塾」(東京・汐留シオサイト)。2011年7月4日‐2011年8月11日アーティスト・イン・レジデンスプログラム2011(NPO法人アートビオトープ)
http://fukushima-kaori.com/

(2012.2.18.BankART Studio NYK・3Bギャラリー)

TPAM in Yokohama 2012/Chim↑Pom(チン↑ポム)展示(12.2.18.)

2012-02-19 23:23:44 | 展覧会(アート・デザイン・ファッション)
TPAM in Yokohama 2012(国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2012)
「国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2012 事務局ディレクション」
/Chim↑Pom(チン↑ポム)展示

●データ
『気合い100連発』
『REAL TIMES』
『Kissing』
2011年夏に「3/11以降」をテーマに掲げ実施したTPAMiYサマーセッション。そのオープニングセッションは「俺は演劇だと思ってやっている」と題し、坂口恭平氏とチン↑ポムの卯城竜太氏をお招きしました。今回、福島第一原発事故と東日本大震災をテーマにしたチン↑ポムの「REAL TIMES」展(2011年5月)からの映像作品を中心に展示、また中村茜氏と共同ディレクションにて坂口恭平氏の作品を紹介します。

Chim↑Pom(チン↑ポム):2005年、エリイ、卯城竜太、林靖高、水野俊紀、岡田将孝、稲岡求で結成した日本のアート集団。「生と死」をテーマにした作品や、現代社会に全力で介入した社会的メッセージの強い作品で評価を得、サンパウロ・ビエンナーレなどの国際展への参加や、2010年に開催された「アジア・アート・アワード」で日本代表に選ばれるなど、海外からの注目も高い。2010年3月には初の作品集『Chim↑Pom』(河出書房新社)が刊行された。
http://chimpom.jp/


(2012.2.18.BankART・Mini)