VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

TOTOのUD(ユニバーサル)研究所で考えさせられたこと

2006年02月01日 | 住宅業界
(左:全社的なUDへの取り組みを発表する、木瀬社長・手話付   
右:各種の生活シーン検証ができる施設を記者達が見学)


今日2/1茅ヶ崎に、TOTOUD研究所を開所した。

既に70年代からのバリアフリー研究含め、UD分野では業界の先駆けであったTOTO
日本の代表的、UD研究施設となり得る立派な研究所(ハード)と
米国からV・フレッチャ-女史というスペシヤルアドバイザーも迎えるなど研究者への投資をされた事は素晴らしい。

講演でもフレッチャー女史がしきりに
「日本ほどUD社会への研究や関心が高まっている国は無い。皆さんは幸せだ。」とおっしゃる。
他に類を見ない高齢(化ではなく)社会に突入する日本なので、当然の流れかも知れないが

以前、2003年に国際ユニヴァーサルデザイン協議会が設立された時の記者発表の印象では
所謂、デザイン分野においてイタリアやフランスなどに後塵を拝する日本が
唯一、世界を先導できるデザインになり得るのがUDだ。という発起者でもあるデザイナー達の意気込みだった。


今回、私が考えさせられたのは記者発表会でも質問したのだが
(あまりラディカルな質問の言い方ができなかったので、適当なお答えも得られなかった・・・)

障害や高齢者配慮は当然、賛同するところであるが
UD=‘誰でもが’楽に作業できるという趣旨で出ていた事例に
小さな子供が、最初はキッチンシンクの水栓ハンドルを背伸びして腕を伸ばして使っていたが
UD設計の水洗は、手前のボタンに触れるだけで、腕を伸ばさずとも使えるというもの。

このように車から始まり、生活すべてが楽に動作できる環境に囲まれて育つ子供は
近年、体力低下が著しく文部科学省の調査でも危惧されているものだ。

UDを高齢者支援の為に追求してゆく必要性は明らかだが
子供を巻き添えにしているようで、日本の将来が不安になるのは私だけなのだろうか?
オリンピック用には、別途体力強化を英才教育するなんておかしくないか?

実は今日、その生き証人とも言える71歳の先輩記者にお会いした。
藤井和子さんだ。リクルートでも昔、大久保住宅情報編集長とお仕事をされていたらしい。
今も現役バリバリで、このような記者発表会にいらしていた。
そこで、上記の私が感じた疑問を投げかけたところ、同感であるとおっしゃって頂き安心した。
(私も70まで仕事ができるよう、足腰鍛えて頑張ろうっと)


それを含めて、フレッチャー女史のお話にあった
「Educate customers about UD concept through designers and lifestyle magazines and television.」
我々の使命も大切であるということを忘れないようにしたい。



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