もちろん家計は火の車

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キミは『THE EYE OF JUDGMENT』を知っているか……?

2010年01月17日 | ゲーム

みなさんは、かつてPS3向けに発売されていたゲーム、
『THE EYE OF JUDGMENT(アイ・オブ・ジャッジメント)』をご存知だろうか?
ファンの間では、略して『EOJ』と呼ばれていたこのゲーム、
あまり知名度は高くないものの、きわめて「よくできた」ゲームだった。
にもかかわらず、その「あまりに斬新すぎるシステム」と、
さまざまな不運が重なり、セールス的には
ほとんど“大爆死”といっていいような結果に終わった。
「知られざる名作ゲーム」の典型……それこそが本作『EOJ』だ。

このゲームの独創的だったところは、PS3向けのTVゲームながら、
プレイヤーは「実際に紙でできたカードを使ってプレイする」という点にある。
『EOJ』自体は一種のカードゲームで、「縦3*横3」の計9マスで構成される
フィールドにカード(=クリーチャー)を並べていき、
「先に5マスを占有したほうが勝ち」という、早い話が対戦式の“陣取り”だった。
(フィールド上には、カードから生まれたクリーチャー……
ゴブリンだとかドラゴンが出現し、たがいにバトルを繰り広げるわけである)

TVゲームなのに「実際にカードを使用する」とは、具体的にはどういうことか?、
実はこのゲーム、PS3本体に接続して使用する“USBカメラ”を用いることで、
「実際にマットの上にカードを並べ、カードゲームをプレイしている
プレイヤーの様子」そのものを撮影。
その様子を、TVゲーム(つまり“画面の中”)にフィードバックする……という、
普通ではちょっと考えられないような“超チカラ技”(笑)で作られているのである。
こう書いても、どういうことなのかイマイチ理解できない人もいると思うので、
詳細については、こちらの『EOJ』公式サイトを確認してほしい。
このゲームが、どのくらいムチャな……いや“斬新な”作品だったのか理解できるはずだ。

メーカーであるSCEは、なんだってこんなシステムにしたのか?
答えは簡単で、要するに「紙製の(リアル)カードの販売」を通して、
ゲームソフトの販売“以外の”部分で「収益を得ようとした」と、そういうことである。
ご存知の方も多いと思うが、いわゆるTCG(トレーディング・カードゲーム)の場合、
すっかりハマったマニアは、尋常でない額の金をつかう(いわゆる“オトナ買い”だ)。
TCGの代名詞『マジック:ザ・ギャザリング』の場合、重度のマニアで
カード購入に「合計数十万円かけた」……なんて話は、別に珍しくもない。
『EOJ』という作品は、TVゲームながら、ビジネスモデルとして
そうしたアナログ・ゲーム、TCG的な展開を指向して構築されていたのである。

ところが、この戦略はさまざまな事情により、大失敗することとなってしまう。
いちばんマズかったのは、肝心の「カードの供給」がうまくいかなかったこと。
このヘンのウラ事情に関しては、ちょっと書けることと書けないことが
あったりするのだが、端的に言って『EOJ』の追加カードは
各種ホビーSHOPで気軽に購入できるものとして、そもそも「出回らなかった」のである。
これがイタかった……。
なんたって、『EOJ』の魅力にハマり、追加カードを自腹で購入して
デッキを強化しよう……ってマニアが実際に「カードを買おう」としても、
肝心の“ブツ”がなかなか手に入らないのである。
ハッキリ言ってしまえば、この時点で「ビジネスモデルが破綻していた」と言っていい。

さらに加えて。
対戦ゲームである『EOJ』には、本当に「他人と対戦するモード」しかなかった(笑)。
正確に言うと、対人戦でなく「CPUと戦う」モードはあったのだが、
そちらに関しても、いわゆる“STORYモード”的な演出が一切ゼロ(!)という
あまりに「潔い」仕様になっていたという(ある意味「漢(おとこ)のゲーム」であるw)
これって、どういうことかというと、
例えばTVゲームで「将棋」のソフトを買ったとして、いざゲームを立ち上げたら
そこには、本当に「将棋盤とコマしかなかった」と……そういうイメージである。
なんつーか、「思う存分、対戦で盛り上がってほしい」という
開発側のメッセージは痛いほど伝わってくるものの、
その“対戦プレイ”へユーザーを導く演出といった部分で、
「何かが決定的に欠落している」……なんか、そんな感じである。

そんなようなワケで、この『EOJ』というゲーム、
まさに「踏める地雷は、ことごとく全部踏んで歩く」奇跡のようなコースを歩んだ挙句、
案の定、爆死してしまった(ま、オンライン対戦のサーバは、いまだ稼働中だが)。
しかし何度でも言うが、肝心の“ゲームそのもの”の完成度は
破格なまでに高く、一部のコアなゲーマーからは、いまだ高い評価を受け続けているのだ。

そして……今。
この“隠れた名作”『EOJ』が、なんとPSP版で復活することが決定~!!
告知によれば「3月発売」ということなのだが、
現在“PlayStation Store”では、PSP向けの体験版を配信中である。
実はこの私、根っからの『EOJ』マニアだったりするので
さっそくダウンロードして、遊んでみた。で、その感想なのだが……。
これ、スゴクよくなってますマジで!
念願の“STORYモード”が追加された上、各種カードは全部データ化
(要するに、もう「紙製のカードは不要」ってことですな。
追加カードに関しては“ダウンロード購入”という形を取るらしいので、
PS3版のリアルカードでネックになった「流通上の問題」とも、もうオサラバです!)。
なんというか、PS3版の「ダメだったところ」がことごとく改善され、
『EOJ』というゲームの「いいところ」だけが、純粋ろ過して残った……って感じ?
ほんとに、開発スタッフはグッジョブですよ!
逆に言うと、なんで最初からこれができないのかと、小一時間……(ry

とにかく、PS3とPSPを持っていて
「なんか、面白いゲームない?」って思ってるような人は、
悪いことは言わないんで『EOJ』体験版、試してみてください。オススメです。
さ~て……、あとはただ3月の『EOJ』発売を待つだけなのであるが、
その前に、手元に残っている総額10万円分はあろうかという
このカード、どうしたらいいんでしょう?(涙)

<リンク>
PSP版『THE EYE OF JUDGMENT』にハマってます……の巻 へ
その後の『THE EYE OF JUDGMENT(アイ・オブ・ジャッジメント)』について へ


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