山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

我が畏友糖尿君

2018-02-02 00:04:01 | 宵宵妄話

 久しくブログの投稿を休んでいた。この間、あることに集中していたため、書く余裕がなかったのだが、それが終わって、いつものペースに復帰することにした。この歳になって、一時でも集中できることがあるのはありがたいことだと思っている。それが何かは時期がくるまでは秘密である。

 さて、年が明けて早くも1カ月が過ぎ去って行った。最初の報告事項は、健康に関することにしたいと思う。真老ともなると、誰でも何かしら病の一つや二つは取りついていると思われるが、自分も一つの病に取りつかれている。糖尿君である。この病が取り付いたのは、50歳の時である。それまでの暴飲暴食がたたって、体重が80kg超となり、社会人としてのスタートを切った頃より20kgもオーバーしていた。何かしらの動作の度に「どっこいしょ!」が多くなっていた。そのような暮らしぶりでのある日、突然身体が動かなくなり、出勤もままならぬことが出来した。原因不明で1カ月近く休暇を余儀なくされたのである。この間に判ったのは、検査の結果血糖値が異常値であり、これがこの正体不明の体調不全の原因だということだった。それから糖尿君との付き合いが始まった。今はもう四半世紀を超えるお付き合いとなっている。

 糖尿病というのは、不治の病である。不治というのは一度取りつかれたら決して元には戻らないというものだ。ただ、糖尿病がガンや昔の肺結核などと違うのは、不治ではあるが正しく自身の暮らしの振る舞い(特に食生活と運動)をコントロールしていれば、その限りにおいて健康状態を保持できるということである。しかし、それを少しでもいい加減にすると、たちまち病のレベルに戻ってしまうという奴なのである。

 普通の病は、不治であれば行く先は、多少の長短はあっても、あの世に直行ということになるのだけど、糖尿の場合は不治であっても、適切に身を処していれば、寿命が来るまで普通の生活が保障されるのである。これは、薬を飲めば治るというような安易な病ではない。糖尿病で薬や注射をしている人は、その処置だけで健康に戻れることはないのである。薬や注射はあくまでも一時の症状の改善に過ぎず、血糖値が下がったからもう治ったと勘違いして、以前と同じ暮らしぶりに戻れば、たちまち病の症状に戻り、一層悪化する羽目となる。適切に身を処すというのは、そう考えるだけではだめで、必ず実行しなければならないという、真に厄介な病なのだ。

 このようなことを何回も書いているのは、病院の待合室で受診を待つ間に耳に入る話の大半が、薬や注射をすれば治るという安易な話しぶりであり、医者の側でもセルフコントロールについてのキメの細かい指導はできていないと感ずるからである。

 ところで我が身のことなのだが、辛うじてセルフコントロールが通用しているようで、薬を飲まないようになってから10年ほどが経過している。現在はおよそ2ヶ月に1度のペースで専門医の診察を受けているのだが、そのセルフコントロールの目安となるのが、ヘモグロビンA1C(HA1C)というものの数値である。これは糖尿病の患者の方なら誰でも知っていることだと思うが、凡そ1~2か月間前の血糖の平均状態を示す数値であると言われており、薬等を使用しない場合は6%台以下ならばまずはOKのレベル、7%台に入ると要注意で、8%台に近づくと薬の飲用等が必要となる。薬を飲んでいる人ならこの数値はそれぞれ1%くらい下げての目安となるのではないか。

 私の場合はこの1年間7%台の下方の数値を辛うじて辿って来ており、薬を飲むかどうかのギリギリの状況にあった。昨年は6月の受診時に6.8というのが一度あったきりで、それ以外は皆7.0~7.5といった状態であり、7.5となった時は大いに反省して秘策を講じて食事のコントロールに取り組み、次回の受診時では7.0まで戻すことができた。このような危ない状態で推移していたので、正月を挟んでの1月末の検査がどうなるのかが不安だった。

正月はどうしても飲食が増える時期なので、HA1Cのデータも上まる傾向がある。恐らく7%台の上の方に行ってしまって、薬を飲まざるを得なくなるのではないかと思いながらの受診だった。ところが、予想に反して、何と今回は6.7という結果だったのである。嬉しいというよりも些かあっけにとられた感じがした。

 これは何故なのかを反省してみた。正月は、酒類はいつもと変わらなかったのだが、食べ物の方は確かにおせち料理などなかったし、もう面倒なものは食べる気もしないので、野菜類中心の粗食の類だったと思う。運動の方は2か月間で100万歩を少し超える程度で、これはいつもと同じペースだった。他に何があるかといえば、そう、集中して書きものをしていたので、エネルギーの大半はそちらに向かっていたように思う。これらが功を奏してちょっぴり改善が進んだのかもしれない。いつも年初めの検査では悪化する傾向ばかりだったので、今年は幸先がいいぞと少しいい気分となっている。

 私にとって、糖尿君は長生き(=本来の寿命の確保)するための畏友である。畏友というのはいつも本当のことを指摘してくれる怖い存在の親友とでもいったらよいのか。糖尿君を欺くことはできない。言い訳も弁明も全く通用しない、真実だけをずばりと指摘してくれる存在なのだ。いい加減な食生活や運動をサボったりしていると、たちまちHA1Cの数値を突き付けて、私の非を指摘するのである。

 ことしは糖尿君との付き合いが順調の滑り出しである。5月の終わり頃から北海道行を予定しているし、旅に出ると益々セルフコントロールが難しくなるので、この滑り出しの調子を持続して旅から戻った時には6%台の下方の数値を目指して、糖尿君との付き合いを充実させて行きたいと考えているところである。

コメント
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