「貧困ビジネス」という言葉が流行っている。明確な定義があるのかどうか知らないが、困窮者の生活保護やなけなしの金を食い物にする犯罪的なものから、社会的・経済的弱者を守ったり助ける振りをして、実のところそうした弱者にターゲットを絞り込んだ緻密なマーケティングに基づいて利益を上げるような、犯罪とは言えないが狡猾な商法まで、結構範囲は広い。
そう、考えてみると、範囲がどんどん広がる。例えば、期間35年の住宅ローンは、家やマンションを購入するためのまとまった資金のない哀れなサラリーマンをターゲットにした貧困ビジネスと言えなくもない。保険なども、不測の事態に備えるための潤沢な預金のない貧乏人の不安感を巧みに突いた貧困ビジネスのように思える。パチンコや宝くじも、儲かる確率などほとんどないのに、貧乏人に束の間の「夢」を売って利潤をあげる貧困ビジネスである。
ちなみに、池田信夫氏によると、自己啓発や宗教なども貧困ビジネスだそうで、城繁幸氏は「日本共産党は日本一の貧困ビジネス」と主張している。
そう考えて行くと、今日本で繁盛しているほとんどの商売は、貧乏人をターゲットにしているのだと気づかされる。日本の目下の成長産業は、環境でも医療でも福祉でもなく、貧困ビジネスである。この言葉を生みだした湯浅誠氏を内閣府参与にしている民主党は、成長分野になぜ「貧困ビジネス」を堂々と掲げないのか、不思議なくらいである。
それでは、貧困ビジネスでないビジネスとは、どのようなものだろうか。貧困ビジネスの逆を目指すビジネスだとすると、それは、社会的・経済的強者をターゲットとするビジネスである。
ということは、富裕層に高価なサービスや贅沢品を売りつけるようなビジネスモデルだろうか? 否。筆者の考えでは、そうしたビジネスは、本当は「富裕層」でもなんでもない階層の人々に、「自分たちはセレブなのだ」という偽りの優越感に浸ることを可能にするための仕掛けで商売しているのに過ぎず、「貧困ビジネス」の亜種とでもいうべきものである。
例えば、ファーストクラスの座席というのは、プライベート・ジェットを買えない貧乏人が、ビジネスやエコノミークラスの更なる貧乏人に対して優越感を得るためのものである。そもそも、本物の「富裕層」は数えるほどなので、そうしたビジネスでは成功しにくい。
「逆貧困ビジネス」とは、日本の真の特権階級、すなわち、1400兆円の金融資産をほぼ独占している高齢者世代をターゲットにし、彼らのメンタリティを巧みに突いたマーケティング商法にほかならない。
賢明な読者はもうおわかりだろう。そう、「オレオレ詐欺」「振り込め詐欺」といった犯罪行為から、効果が疑わしい健康食品や運動器具の販売、俳句の新聞掲載や書画の展覧、自費出版などの勧誘といった、暇と金を持て余しているが体力や判断能力が低下しつつある高齢者をターゲットにしたビジネスが、逆貧困ビジネスである。
目下の日本で「新手のベンチャー企業」が次々と生まれているのは、この「貧困ビジネス」と「逆貧困ビジネス」の2つの業界(?)だけである。起業を目指す大志に溢れる皆さんは、是非ともこのことを念頭に置きながら果敢にチャレンジしてみると、成功の可能性が高まるかもしれない。
そう、考えてみると、範囲がどんどん広がる。例えば、期間35年の住宅ローンは、家やマンションを購入するためのまとまった資金のない哀れなサラリーマンをターゲットにした貧困ビジネスと言えなくもない。保険なども、不測の事態に備えるための潤沢な預金のない貧乏人の不安感を巧みに突いた貧困ビジネスのように思える。パチンコや宝くじも、儲かる確率などほとんどないのに、貧乏人に束の間の「夢」を売って利潤をあげる貧困ビジネスである。
ちなみに、池田信夫氏によると、自己啓発や宗教なども貧困ビジネスだそうで、城繁幸氏は「日本共産党は日本一の貧困ビジネス」と主張している。
そう考えて行くと、今日本で繁盛しているほとんどの商売は、貧乏人をターゲットにしているのだと気づかされる。日本の目下の成長産業は、環境でも医療でも福祉でもなく、貧困ビジネスである。この言葉を生みだした湯浅誠氏を内閣府参与にしている民主党は、成長分野になぜ「貧困ビジネス」を堂々と掲げないのか、不思議なくらいである。
それでは、貧困ビジネスでないビジネスとは、どのようなものだろうか。貧困ビジネスの逆を目指すビジネスだとすると、それは、社会的・経済的強者をターゲットとするビジネスである。
ということは、富裕層に高価なサービスや贅沢品を売りつけるようなビジネスモデルだろうか? 否。筆者の考えでは、そうしたビジネスは、本当は「富裕層」でもなんでもない階層の人々に、「自分たちはセレブなのだ」という偽りの優越感に浸ることを可能にするための仕掛けで商売しているのに過ぎず、「貧困ビジネス」の亜種とでもいうべきものである。
例えば、ファーストクラスの座席というのは、プライベート・ジェットを買えない貧乏人が、ビジネスやエコノミークラスの更なる貧乏人に対して優越感を得るためのものである。そもそも、本物の「富裕層」は数えるほどなので、そうしたビジネスでは成功しにくい。
「逆貧困ビジネス」とは、日本の真の特権階級、すなわち、1400兆円の金融資産をほぼ独占している高齢者世代をターゲットにし、彼らのメンタリティを巧みに突いたマーケティング商法にほかならない。
賢明な読者はもうおわかりだろう。そう、「オレオレ詐欺」「振り込め詐欺」といった犯罪行為から、効果が疑わしい健康食品や運動器具の販売、俳句の新聞掲載や書画の展覧、自費出版などの勧誘といった、暇と金を持て余しているが体力や判断能力が低下しつつある高齢者をターゲットにしたビジネスが、逆貧困ビジネスである。
目下の日本で「新手のベンチャー企業」が次々と生まれているのは、この「貧困ビジネス」と「逆貧困ビジネス」の2つの業界(?)だけである。起業を目指す大志に溢れる皆さんは、是非ともこのことを念頭に置きながら果敢にチャレンジしてみると、成功の可能性が高まるかもしれない。