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「札幌の二度泣き」と「岡山の二度泣き」の真実

2009年04月02日 22時22分49秒 | Weblog

「札幌の二度泣き」という言葉に対して「岡山の二度泣き」という言葉があると“言われています”。 いったいどこで“言われている”かといえば、岡山市のWebサイトにそう書かれています。

何でも、札幌に転勤を命じられた人は、訪れる時に寂寥感や悲壮感で泣き、離れる時に札幌の温かい人情と快適な生活から離れることにもう一度泣くのに対して、岡山に転勤を命じられた人は、岡山に住んでみて、よそ者に対する冷淡さなどの保守的、利己的、排他的な風土に泣き、他都市へ転勤を命じられた時は岡山から離れられる嬉しさでふたたび泣くのだそうです。

「夢があり、持続的発展が可能な21世紀の岡山市を実現するための中期的な指針の策定について-」 中間答申 2001年5月29日 岡山市総合政策審議会 http://www.city.okayama.okayama.jp/kikaku/soukei/soushin/tyukantoushin/tyukantoushin/tyukantousin.htm

(以下引用)
「札幌の二度泣き」ということばがある。札幌に転勤を命じられた時は、都から遠い北辺の地に流されるかのような寂寥感や悲壮感で泣き、数年を札幌で過ごし、他都市への転勤を命じられた時には、よそ者をも受け入れる温かい人情に包まれ、快適な生活を送ることのできた札幌のまちへの離れ難い思いで泣く。その懐の広さ、鷹揚さ、温かさが都市のイメージを高め、北の都「札幌」の地位を不動のものとし、ほんの百数十年前には深い原生林であった地を、今や本邦有数の大都市へと発展させた。
一方、札幌ほど人口に膾炙するものではないが、密かに「岡山の二度泣き」なることばが、巷間囁かれているとの説もある。岡山に転勤を命じられた時は、イメージが希薄で全国的な認知度が低く、どのようなまちか見当がつかない不安感と未知の地への期待感を織り交ぜながらやって来るが、いざ住んでみるとビジネス上のクレームの多さ、公共交通機関利用時のマナーの悪さ、よそ者に対する冷淡さなどの保守的、利己的、排他的な風土に泣き、他都市へ転勤を命じられた時には、よそ者には住みにくい岡山のまちから離れられる嬉しさで泣く、というのである。これが事実かどうかは検証が必要であるが、万が一事実だとすれば、岡山市のイメージが希薄どころか、悪い方向に定着させられてしまうおそれすらある。

ところがこの「岡山の二度泣き」を調べてみると、どうも変なのです。

まず、この答申が出た当時、多くの岡山県出身者および岡山在住の他県出身者、岡山県史や民俗学に詳しい地元の研究者などに、「岡山の二度泣き」という言葉を知っているかどうか尋ねたのですが、いずれも「知らない」「そのような言葉は聞いたことがない」という反応でした。“保守的、利己的、排他的な風土”で、他県から陰口を叩かれることに対しても敏感なはずの岡山県民が、「岡山の二度泣き」を聞いたことがないというのです。

しかしながら、もしかすると悪口を言われている当人(岡山県民)たちが知らないだけという可能性もあります。そこで「岡山の二度泣き」をGoogle検索してみたのが下記の結果です。

・審議会答申が出るわずか4ヶ月前にあたる2001年1月のGoogleのキャッシュで「岡山の二度泣き」を検索すると「一致する情報は見つかりません」。(Googleが10周年記念時に期間限定で公開した2001年検索で確認)
・審議会答申から3年後の2004年5月時点で「岡山の二度泣き」の検索結果は51件。そのすべてが、なんと上記の岡山市総合政策審議会の答申を引用したもの。
・2009年4月時点で「岡山の二度泣き」の検索結果は96,000件。引用が繰り返されて拡散するうちに、岡山といえば「岡山の二度泣き」というように、あたかも古いことわざのように語られ始めているのが最近の特徴です。

 これらの事実から浮かび上がってくる「岡山の二度泣き」の真実はこうです。

岡山市総合政策審議会が2001年に答申を作成するにあたり、当時ほとんど知られていなかった(あるいは存在しなかった)「岡山の二度泣き」という言葉を面白おかしく取り上げ(あるいは脚色・創出し)、不用意にWebで公開した。その結果、答申案の文面が一次ソースとしてネット上で繰り返し引用され瞬く間に拡散した。ついにはずっと以前からそんな言葉があったかのごとく、岡山県民の保守的で利己的で排他的で陰湿な性格を象徴する定番の逸話として語られ、岡山市のイメージを悪い方向に定着させるのにおおいに貢献した。

以上から、二つのことが言えましょう。

一つ。「密かに囁かれているという説もある」だとか「事実かどうかは検証が必要であるが、万が一事実だとすれば」という程度の曖昧で不確実な伝聞を前振りにして、総合政策審議会の答申などを書くべきではない。
一つ。岡山県民すら聞いたことがなく、またGoogle検索でも1件もヒットしなかった「岡山の二度泣き」なる言葉を創出し、Googleで10万件ヒットするまで市のWebサイトに載せ続け、「岡山県民の保守的で利己的で排他的で陰湿な性格を象徴する定番の逸話」を生み出した岡山市の振る舞いは滑稽で愚か。


18 コメント

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Unknown (Unknown)
2009-04-09 04:09:11
自分も数年前に2ちゃんで知ってググったらこの答申案のサイトのコピペばっかだった記憶がある。
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Unknown (Unknown)
2009-04-09 16:51:00
これ市名か地区名かの違いがあるだけで、もろに偏見を煽って地域差別を助長してる文章。わかりやすくするために言うが、岡山にも同和対策事業の対象地区があると思うが、仮にそこを●●地区とするわな。

「岡山」を「●●地区」に置き換えるとすごい文章になる。

「密かに『●●地区の二度泣き』なることばが、巷間囁かれているとの説もある。●●地区にいざ住んでみるとクレームの多さ、マナーの悪さ、よそ者に対する冷淡さなどの保守的、利己的、排他的な風土に泣き、他地区へ引っ越すときは●●地区から離れられる嬉しさで泣く、というのである。これが事実かどうかは検証が必要であるが、万が一事実だとすれば、●●地区のイメージが悪い方向に定着させられてしまうおそれすらある。」

こんな文章を実際の地区名名指しで行政のホームページに載せたら大変なことになる。岡山市がやったのは同じこと。
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Unknown (Unknown)
2009-05-23 07:51:53
usbmouseさん、また捏造っすかw
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Unknown (まともな政令市人)
2010-02-28 12:49:01
さすが、大都会・岡山
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Unknown (Unknown)
2010-05-03 08:50:38
岡山の二度泣き、最高っす。
ソース消されてるね。
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Unknown (Unknown)
2010-06-13 14:19:03
最初の火付け役は岡山市役所だったのかw
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Unknown (岡山財界も)
2011-01-23 01:51:46
 今日、旬刊誌「おかやま財界」に何気なく眼を通しておりましたら、こんな記事が眼に止まりました。

******************
「岡山の二度泣き」
****************** --- '01/06/05 岡山財界 ---

 「札幌の二度泣き」に対して「岡山の二度泣き」という言葉があるそぅな。どちらも転勤族の話し。札幌転勤を命じられたサラリーマンは、遠く北の地に流されるような寂しさから一度泣く。しかし札幌を離れる際には、温かい人情にふれ、楽しかった生活から離れがたい想いでもぅ一度泣く。

 一方、岡山の場合は意味合いが違う。転勤してビジネス上のクレームの多さ、よそ者に対する保守的、利己的、排他的な風土に泣き、他都市へ転勤する際には、離れられる嬉しさで泣く。

 岡山市総合政策審議会が、答申した町づくりの中間報告の中で市民性の一端を、この言葉で紹介している。確かに転勤族には語り継がれた市民性、県民性の一つ。が、転勤族にも原因がある。岡山の支店長さんクラスは40代半ばから50歳前後。子供の教育、親の世話で単身赴任者ばかり。地に足のついた生活を岡山でおくっているのだろうか。腰掛け気分では見抜かれてしまいますよ。

 …と、こんな記事でしたが、納得します面もあれば“ふ~ん”と言う気がしないことも(^-^)
 じゃぁ、GONsanに取りましてはどんな岡山なんでしょうネ(^-^)

 昨年8月に岡山にヤッて来ましたから既に11ヶ月目に入っていますけど、現況では「岡山の二度泣き」に少し近い感じかも分かりません。こぅして岡山での生活がいつまで続くのか分かりませんけど、今後次第かも…
 「岡山の二度泣き」→「札幌の二度泣き」に変わりますかも分かりませんし、このまま変わらずに岡山を去って行きます事になりますかも…さて、どちらなのでしょうねぇ~

 ところで、昨夜は哀しい事に我が愛するカープはジャイアンツに敗れてしまいましたが、今日は是非とも勝って欲しい!こんな気持ちで我が家に帰りましてテレビに眼を向けますと、残念ながら降雨のため“0×0”での引き分けとなって中継は終わっておりました(^-^;
 岡山ではめったに見れませんカープの試合と言うのに、実に残念な気持ちですよ(^-^;

 相変わらず、今から貯金が出来そぅと言う段階になりますと敗戦が続きまして、なかなか波に乗れません今年のカープ。
 でも、勝率5割を上回っておりますから昨年よりはマシなんですけどネ(^-^)

 と言う訳で、夕食後の今は、入浴でも済ませまして就寝といきたいものです(^-^)//"
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地域差別 (うほ)
2011-04-18 01:02:32
こうやって地域差別が助長されていくんだな。
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Unknown (Unknown)
2011-06-13 09:20:26
行政が「密かに囁かれているという説もある」とか「事実かどうかは検証が必要であるが、万が一事実だとすれば」とかいうレベルで面白おかしく作り話を書き、地元財界誌が「岡山の二度泣きという言葉があるそうな」と面白おかしく引用拡散する。バカのコラボレーションだな。
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Unknown (Unknown)
2011-06-13 09:22:55
「岡山の二度泣き」の部分は地域差別のヒソヒソ話そのもの
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