urt's nest

ミステリとかロックとかお笑いとかサッカーのこと。

萩尾望都『トーマの心臓』小学館文庫

2005年11月12日 | comic
いまさらこんな評価の確定しまくった名作について、俺風情が一体何を語り得ると言うのか。道化てみようか。

オスカーかっこE!

さて。
隙がない。流麗な絵と構図、詩情溢れるセリフと心理描写、丹念なエピソード構築、作者の美意識に基づいてあまりにも堅固に構築されている。たまにあるいかにも少女マンガライクなコメディ描写(ヘルベルトは実際そのためのキャラだな)が緩衝になってはいても、読んでいてどこか息苦しい印象があったのも事実。それが演出効果であって、作家の勝利であるのかはよく分かりませんが。
青春の三年間を男しかいない集団で空費(笑)した俺には到底リアリティのある世界とは思われませんでしたが、同性愛とかもこんだけサラっとさも当然のごとく描かれると、まるで抵抗はありませんでしたとさ。

4091910130トーマの心臓
萩尾 望都

小学館 1995-08
売り上げランキング : 5,607

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めまして (ユイ)
2005-11-12 20:02:19
管理人さんの文章、無駄が全く無く良いですね。実はコチラのブログへは管理人さんの嫌いな杉田選手で検索して、来ました。所々拝見させて頂きました。綾辻行人の「十角館の殺人」私も読みました。面白かったです。管理人さんの書評とても参考になります。記事とは関係ないコメントで大変失礼しました。最後に大場選手、とても強いですね。
ありがとうございます。 (urt)
2005-11-13 02:56:46
杉田選手も決して嫌いではないですよ。すごく好感の持てる人格者ですしね。ただこの間の試合はあまりにも…ってばっさりカットされてしまっていたので、テレビ観戦者がどうこう言う資格はないのかもしれませんが。お好きな方には気に障られたかもしれませんね。申し訳ないです。

書評、というレベルに達しているかは甚だ心もとないところですが、参考になる、などと言っていただけると嬉しい限りです。気が向いたらまた覗いてやってください。
再来 (ユイ)
2005-11-13 13:57:32
私の堅苦しいコメントにあわせて頂いたみたいで、何だかすみません。管理人さんの砕けた(失礼)文章もとても良いと思ってます。杉田選手のフォローも有難うございます。次に読む本はコチラのブログの中から選ばせていただきます。面白みのないコメント、失礼しました。
とんでもないっす! (urt)
2005-11-13 23:46:23
こちらこそ変に構えてしまったみたいでごめんなさい。

ひー。責任重大っすね。精進します。今後もよろしくお願いしますー。