お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

しいっ! 静かに‥‥

2011-03-08 | about 英語の絵本

The Quiet Book

「しいっ!静かに!」と言われて、じっと静かにしていることは、もしかすると、元気な子どもとって一番むずかしいことかもしれません。でも「静かな絵本(The Quiet Book)」は、それこそ『静かな場面』ばかりを集めた絵本です。

短い短いテキストは、かならず最後に「quiet」のひとことで結ばれています。


いろんな「しいっ!静かに!」があるよ。
朝、目が覚めても、自分が一番で他の人がまだ寝ていたら、そう、静かにしてる。
小鳥ががさえずっている‥‥驚かさないように、静かに!

誰かがないしょ話をしてる。しいっ!
ぬりえするときは、はみださないように、静かに!
かくれんぼ!しいっ!

ロリポップ食べてる、だから、みんな静か。
コンサートが始まるよ、静かに!
初雪だ!静かだね。

そうして、クマちゃんもネンネ。静かにね。

ベッドに入って、静かに、おやすみなさいのキスしてもらう。
そうして、ぐっすり眠る。静かに。

大きな声ではしゃいでいると、眠くても、疲れていても、興奮して案外いつまでも元気で走り回れてしまうものです。だから、そろそろベッドタイムとなったら、声を張り上げて「もう寝なさい!」「いい加減にしなさい!」と叫んで興奮を助長するよりも、意図的に低い落ち着いた小さな声で、静かにゆっくり話しかける方が効果的。きっとお母さんなら誰でも経験があることでしょう。

「The Quiet Book」は期せずして、読み聞かせるだけで、そんな効果を発揮できる絵本です。

アメリカでは、子どもの「睡眠障害(Sleeping Disorder)」が深刻な問題になりつつあります。National Sleep Foundationの調査では、小学生の13%が「なかなか寝つけない」と訴えているとされ、2009年に19歳以下の若齢児童のために発行された睡眠薬の処方箋は全米合計で約31万枚、精神安定剤の処方箋は約954万枚にも上っています。

睡眠障害のある子どもは、健康でよく眠る子どもに比較して心身に問題を抱えやすい、というのが最近の心理学および小児精神医学の定説です。2011年1月18日のウォ-ルストリート・ジャーナル紙によれば、あまり眠らない子どもは一般に記憶力が劣り、ADHDなどの発症率が高く、鬱病にかかる危険が高く、思春期の自殺率が高く、また成人初期にアルコール依存や薬物依存に陥りやすいそうです。

では「よく眠る子」とは、どのくらい眠る子をさすのでしょう? アメリカ睡眠医学会(The American Academy of Sleep Medicine)は、新生児で1日14-15時間、2-3歳児では1日12-14時間、幼稚園児で11-13時間、小学生は1日10-11時間、中高校生では1日9-10時間の睡眠が必要としていますが、「ほとんどの親は、必要よりも短い睡眠時間で十分と誤認識している」と言うのが同学会の警告でもあります。確かに、現代っ子でこれだけの必要睡眠時間を満たしている子は果たしてどれだけいるかしら?と思うのは、私だけではないでしょう。

幼い時から、日常生活のあらゆる局面で、刺激に晒されている現代っ子。幼いうちから、ベッドタイムは静かに‥‥の習慣をつけたいものです。あるいは、せめて幼いうちだけでも‥‥かもしれませんが。

しいっ!静かに!




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