お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

おおっとっと‥‥!

2010-12-16 | about 英語の絵本

Beautiful Oops!

今日ご紹介する絵本は「おぉっとっと!(Beautiful Oops!)」です。ロサンジェルス在住の作家でイラストレーターにして且つユニークなシンガーソングライターでもあるマルチタレントのアーティスト、バーニ―・ソルツバーグの最新作。カードボードのやや小型の絵本の表紙はカラフルで、表も裏も使いかけのスケッチブックか落書き帳みたいな印象。ページをめくる前からなんとなくわくわくします。

アッ!新しい画用紙に絵の具をこぼしちゃった・・・。アッ!色紙の端っこが折れちゃった・・・。アッ!紙に穴があいちゃった・・・。どれも、よくある話。アートに失敗はないというけれど・・・そんなことありません。だって、こういう出来事ってたいていは思惑外れ。つまり子どもにとっては『失敗』そのものですから、ちびっこアーティストにとっては重大事件です。

潔癖な子どもだと、もう、絵の具を一滴たらしただけで癇癪をおこしちゃったりします。癇癪をおこすかわりに、泣きべそをかく子はもっと多いかも。

でも、どんな子どもも、この本を読んだら、きっともう泣いたり癇癪を起したりしなくなると思います。

"Beautiful Oops!"の絵本には、そういう思わずアッと叫んじゃうような『失敗(failure)』をあわてず騒がず『嬉しい出来事(Happy Accident)』に変えちゃう魔法のテクニックが満載されているからです。

絵の具がこぼれちゃった? 紙に穴があいちゃった? 大丈夫、大丈夫。そんなこと、気にしない、気にしない。ちょっと工夫すれば、ほら!こんなに素敵な作品になるよ。どのページからもバーニ―の陽気な声が聞こえてくるようです。

ともだちが汚い手でさわって画用紙が汚れちゃった? 大丈夫、大丈夫。汚れだって、シミだって、くしゃくしゃにまるめた描き損じの紙クズだって、ほら!たちまちお洒落なアートになるよ。

行きつけの書店でこの絵本を見つけた日。手に取って一読、そのままレジに直行して買いました。店員さんに「この本、絵本コーナーにだけ置いておくのはもったいないわ」と言ったら、すぐに「でしょ?私もそう思ってたのよ!」。翌週、同じ書店に行ったら、レジ近くのコーナーに平積みになってましたから、手に取った人の「思いはみな、同じ」だったのでしょう。

私の”今年の一押し”絵本です。3歳以上の読者に・・・となってますが、いえいえ、もっとずっと小さな赤ちゃんでも十分楽しめますし、もっと大きな子はもちろんのこと、おとなにも大いに楽しめる一冊です。おとなは楽しめるだけでなく、時には慰められたり、励まされたりもしそう。ちょっと娘に聞いてみたら、大学生の間でも人気があるそうで、絵本のタイトルもちゃんと知ってました。

「もうじきみっつ(3歳)」と指おり数えて年明けを待っている知人の娘と、「来年は35歳になっちゃうの・・・」と最近ちょっとため息まじりの彫刻家志望の友人へのクリスマスプレゼントです。



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