お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

いまどきの若者

2009-07-08 | from Silicon Valley

Source: www.kansasprairie.net

いまどきの若者・・・という上の句には、ソクラテスの時代から、たいてい否定的な下の句が続くものとされてきました。さて、今日ご紹介する"いまどきの若者"はクリス・ヒューズ(Chris Hughes)です。ご存知でしょうか?

大統領選挙キャンペーン中に、オバマ候補(当時)が全米の草の根の支持者を広く組織化し、またごく小口の寄付を寄せ集めることに成功して多額の選挙資金をまかなったことはよく知られています。この成功は、もっぱらMy. BarackObama.Com、略してMyBOと呼ばれたウェブサイトの効用と言われています。

選挙運動終了までに、MyBO上には200万人以上のボランティア支持者のプロフィールが掲載されました。また、3万5千を超える支持者グループが結成され、20万回をはるかに超えるオフ会が開かれました。圧巻は支持者がそれぞれに開設した約7万の資金調達ページ。ここから総額30億円以上の選挙資金が集められたのです。

このMyBOのウェブサイトを制作したのがクリス・ヒューズです。ハーバード大学在学中にFace Bookを創った3人のうちのひとりといえばご存知の方も多いでしょう。大学を辞めてシリコンバレーに移った仲間と袂を分かち、クリスは復学してフランスに留学し、大学に戻ってフランス史で学位をとって卒業。それからオバマ大統領のキャンペーン支援部隊に加わりました。

「クリスは選挙運動に必要なあらゆる機能を実現する方法を知りつくしていた」と語るのはオバマのキャンペーン・マネージャーであったプルーフ氏です。「オバマ候補も我々も、ほしいと思いながら、しかし、実現できないだろうとあきらめていたシステムを、まるごと実現してくれた」と。

有権者一人一人とコミュニケートするのにウェブに勝るメディアはありません。オバマ大統領の勝利の鍵の一つがクリスの構築したMy. BarackObama.Comであったことは間違いないでしょう。

そして、この経験は現政権のIT政策にしっかり活かされています。一人一人の有権者とコミュニケートしたように、一人一人の草の根のボランティアとコミュニケートし、彼らの力を引き出す・・・そう!先日このブログでご紹介したウェブサイトserve.govのアイディアは、まさにMyBOの発展形にちがいなく、その意味でまさにクリスの貢献。クリスが、弱冠25歳にしてオバマ大統領の秘密兵器と呼ばれる所以です。

若者が時と場をともに得た時に示す能力にはすさまじいまでの勢いがあります。クリスに限らず、そんな若者たちの活躍を目の当たりにしたら、いまどきの若者はダメだなんて、とうてい言えません。いまどきの若者もなかなかやる!のです。

一方、未曾有の経済不況という国家的な危機を、若者を積極的に登用して育てるチャンスに転じてしまおうというオバマ政権の試みは、逆風を追い風に変えて進む老練なヨットマンのごとくで、経験豊かな大人ならではの発想と舵取り。いまどきの大人もなかなかやる!のです。




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