お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

NEW!ホワイトハウスの”行政サービス”

2009-06-29 | from Silicon Valley
Source: 1observationcircle.com

アメリカの次年度の行政予算削減額は半端な数字ではありません。連邦レベルも州レベルも大変です。カリフォルニア州も25%の削減は必至。直撃を受けるのは言うまでもなく子ども、お年寄り、障害者、そして母子家庭など、当然ながらそもそも支援を必要としている人ばかりです。

オバマ政権は、行政の予算不足を市民の善意と熱意、そしてボランティア活動で補ってほしいとつよく国民に協力を呼びかけてきましたが、先週から、さらに積極的なキャンペーン"United We Serve"をスタートさせました。キャンペーンをリードしているのはファーストレディのミシェルさん。そのミシェルさんを支援するホワイトハウスの秘密兵器がウェブサイト http://www.serve.gov です。

serve.govには新しい事業を始めるための様々なツールが揃っていて、誰でも、ひとりでも、簡単に活動を起こすことができます。また支援が必要な人は、このサイトに来て必要な支援を探すこともでき、見つからなければ、必要な支援を求める呼びかけを行うこともできます。ボランティアしたい人はここでボランティアを必要としている事業や団体を探し出し、自分にできる仕事を見つけて参加することも可能です。

つまりserve.govは、全米ネットであらゆる「人と事業」を、「二ーズとソリューション」を結びつけることを可能にする、最先端のウェブ技術を駆使した包括的で大規模な"行政サービス"です。そして同時に、見方を変えれば、社会起業家を育成・支援するパワフルなツールともなります。ここからたくさんの新しい事業≒ビジネスが立ち上がったとしてもなんら不思議ではありません。

このようなサービスを政策キャンぺーンのスタートに合わせてタイムリーに提供するあたり、オバマ政権のビジネスモデル(政策モデルというべきでしょうね?)もきわめてスマートです。またこれだけの規模のウェブサービスの構築と運営を、シリコンバレーのパワフルな企業の協力を結集することで、(おそらく)ほとんどコストをかけずに実現しているであろうことも、まさに21世紀的で洗練された新しい行政スタイルとして評価すべきでしょう。

United We Serveのキャンペーンとその実現を支えるウェブserve.govは、オバマ政権が、先端技術を活用することで、いかにしてお金をかけずに変革"Change!"を実現しようとしているかを明確に示す政策モデルです。ホワイトハウスは既に"行政2.0”を軽くクリアして、"行政3.0"に向かっていると言えるのでは?

一方、大統領とミシェルさんから熱い期待を寄せられている若い人たちも、しっかりと期待に応えて働く意欲を示しています。行政支援のNPO事業には参加希望が殺到しており、AmeriCorpsには定員の4倍の志願者が、Peace Corpsには定員の3倍の志願者が、また先日このブログでも紹介したTeaching Americaプログラムには4千人の募集に対して10倍近い3万5千通の願書が届いたと報じられています。

もちろんこうした動きを、不況の影響による就職難のせいで職にあぶれた若い人が、行政補助のあるNPO目がけて殺到しているだけだけだろう、と冷ややかに見ることもできるでしょう。しかし、これらの若い人々を受けとめる行政の側は、そんな後ろ向きの話は決してしません。ましてや若者の弱みにつけこむような高飛車な対応など、絶対にしません。それどころか、ミシェルさんが先頭に立って、集まってきた若い人の熱意を高く評価し、その意欲に対する感謝と期待を繰り返し述べています。曰く「あなた方の力が国を支え、社会問題を解決する!」と鼓舞し、「社会貢献を若い一時期だけのボランティアに終わらせず、一生続けることのできる仕事として考えてほしい」と。

いまや誰もが語るようになったフレーズは「この経済不況を、単なる危機に終わらせず、市民活動を高める格好の契機に転じ、アメリカ史に記録しよう!」。若者ならずとも、ちょっと胸に響きませんか?




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