大学ニュース

某大学で職員をやってる中年おっちゃんです。少しでも若い受験生たちの役に立てばと思い綴っていきます。

明治大学国際日本学部の中野移転は是か非か?

2012年09月30日 | 日記



明治大学の国際日本学部が来年中野の警察大学校跡地に移転します。
明治の中野キャンパス周辺には早稲田の国際寮や帝京平成大学のキャンパスも作られるので中々賑やかになりそうです。

ではこの国際日本学部の中野移転というのは買い要因でしょうか?私は正直申し上げてマイナス要因にしか思えません。
なぜかといいますと、明治がこの中野キャンパスを開く経緯にそのキーがあります。じつはこの中野キャンパスは本当に必要で作られたものではないからです。この警察大学校の跡地はもともと中央大学が目をつけていて、当初全体としては13万平米とかなり広い面積の土地でした。しかし中野区民の要望等でこのうち大学誘致に当てられたのは4万7千平米とぐっと縮小、それでも中央大学は卒業生の中野区長を使い中央大学がこの敷地を手に入れられるよう画策しましたが後一歩というところで突然中野区議会で中央大学と中野区長の不正行為が追求されまた中野区民からも「中野区に中央大学などいらない!」と反対運動が起こりました。
そのため中央大学への一括売却の話は消えてしまい、代わりにこの敷地は3つの大学に分割されてそのひとつを明治大学が買ったわけです。じつは中大がこの敷地を購入しようとするのを阻止した中野区議が明治大学出身で多分明治大学からの要請で動いていたのでしょう。そのため明治はなんと157億円という高値(現在はその半額くらいにしかならないそうです)で敷地を買ってしまい、転売は禁止5年以内に使用をするという特約があるため学長や法人の責任を追及されないため新しく中野キャンパスというものを作らざるを得なかったわけです。そこに飛ばされるのが一番新しい国際日本学部です。

この中野キャンパスに配置されるのはこの国際日本学部と来年度新しく作る総合数理学部という理系の学部の2つだけです。
なぜわざわざ理系の学部を生田キャンパスではなくここに配置するのかも意味がありませんが、このキャンパスの欠点はなんといってもその設備の貧弱さでしょう。もともとたった1万6千平米(道路設置分差し引き後)の敷地にビルが1棟だけしか建てられませんから、2学部の学生だけといえど学食もかなり小規模、図書館は実際は高校の図書室並み、ろくな体育設備もなく一言で言えば専門学校とそう変わらない程度のものなのです。またいくら距離的に近くても一応電車に乗らないと主要学部のいる和泉キャンパス(教養)や駿河台キャンパス(専門)には行けませんので他の学部との交流はほとんどないと考えたほうがいいでしょう。だったらこのまま杉並区の和泉キャンパスにいればいいのに?と思うでしょうが、そのほうが確かにいいでしょう。しかし国際日本学部は期待を持って中野に配置されるのではなく犠牲になり飛ばされる要素が強いものとしか考えられないのです。

総合大学で他学部との交流が薄くなることは大きなマイナス要素です。勉強するうえでもマイナスが学生生活の上では総合大学の強みがまるでありません。今年受験する方は「それでも明治に入れるなら」という方限定で受けたほうがいいと思います。

中大山手中学不正入試事件

2012年09月27日 | 日記
ここ数日中大横浜山手中学の不正入試事件のニュースが報じられていますね。

中大の久野さんという理事長がこの附属中学の校長に「多方面で寄付をしている方の孫なのでよろしく頼む」と言い、この中学の校長は新規に付属校にしてもらった立場から久野理事長の頼みを断れず合格ラインに達していない受験生を点数度外視で無理やり合格させてしまった。しかし内部に通報者がいてそれを中大の学長が知るところとなり不正を許さないとしたこの学長が合格発表後の3月になって取り消しするようこの中学に進言したということらしいです。
中央大学としてはこの事件の決着を理事長の報酬の30%、学長の報酬の10%を削減することで終わらせようとしているようですが、この事件はとてもそんな甘い処分で済ませるべきものではないと思います。(中学の校長については処分を検討中)

まずなぜ正義を正したはずの学長が処分されなければならないのかという疑問があります。私立であっても今の時代このようなあからさまな不正入試というのはほとんどありません。小学校お受験くらいまでは判定がかなり主観的な部分もありますから色々な噂も聞きますが、そうした学校でもペーパーテストできちんと点数が出てしまう中学受験以上ではまずそういうことはできません。それを既に合格者が確定したあとに校長の鶴の一声でねじ込んでしまうなんてことはまともな学校だったらまず不可能なわけです。それと私立は学校法人という形をとっていますが、この組織においては理事長をトップとする法人と校長をトップとする教員サイドがあり、通常法人がこうした不正に目を光らせる立場ですから、今回のようにその法人のトップである理事長が自ら不正を要求するなどとても考えられないことなのです。

第2にこの事件で中大側から発表された内容はそのいずれもが極めて不自然なものであるということです。
久野理事長はこの有力者からお孫さんが中大山手中を受けることを聞いたが合格を頼まれたわけではない、そして自分も中学の校長に合格させろとは言っていない、ただそういう受験生がいると言っただけだと弁解していますが、これはどう考えても不自然です。この中学には3回の入試日程がありますが、理事長は校長に受験生の氏名と受験番号そしてそのどの日に受験するかまで伝えたそうです。しかしもし久野理事長が弁解するように「入学したらよろしく」という意図だとしたら名前くらいまでならまだしも受験番号とか受験日とかそういうことまで伝えるでしょうか?
新聞の記事によると、どうも受験生本人とその親はこうした事実をまったく知らず入学取り消しの撤回を要求しているらしいですが、いくら孫のこととはいえおじいちゃんが事前に受験番号とか受験日まで知っていたとは考えられません。どう考えてもこの親が意図がわかってておじいちゃんに教えたとしか考えられないでしょう。その上で入学取り消しの撤回を主張するこの親はそうとうな図太さだと思います。

監視する立場の理事長が自ら首謀者になって不正入試を強要したとしたら、これはもう教育に関わる者として不適正極まりないですね。その意味でこれは中大ではなく文部科学省がチームを送り徹底的に調査すべき問題だと思います。場合によっては刑事事件にもなるかもしれません。ただ言えることは調査をこのまま中央大学に任せたらまず間違いなくウヤムヤにされて終わってしまうでしょうね。

考えてみれば、中大の都心回帰のニュースがこのタイミングできたのはどうも怪しいですね。
本当に中大に都心回帰ができるとはとても思えませんが、事前にそうした情報を流しておけば卒業生たちも都心回帰推進派の久野理事長の不正を追求する言動をするわけにもいかず大人しくして時が過ぎるのを待てばいいとでも考えたのかもしれません。

それにしてもこの中学じつは廃校寸前の低レベルだったのを中大が合併救済したのですが、いくら物言えぬ立場とは言え不正入試まで受け入れてしまうとはかなり危ない学校のようですね。そして中大はその中学から60%以上の生徒を中大に受け入れるそうですから大学自体危なくなってしまいそうです。

予備校情報に騙されるな

2012年09月27日 | 日記
予備校が出している偏差値や情報をあまり信用しすぎないことです。
なぜかというと、そのうちかなりのものは予備校によって勝手に作られた根拠のないデータが多いから。
でもなんで予備校がそんなことを?というと一言で言えば予備校が学校ではない、企業だからです。
つまり学校というのは収益と経費がトントンになるように運営を行い成長よりも安定を重視しますが、予備校というのは安定なんかとんでもない話で常に教室数を増加させて生徒数を増やし収益を上げることが目標。

そのためにはあまり大学間の入試ランキングが変動することは好ましくないのです。
これがキーで早慶上智とかMARCH、日東駒専なんてものがなんであるかというと、こういったものは偶発的にできたのではなく予備校がいくつかのグループにしてヒエラルキーを意図的に作り、そしてそのグループごとに受験生を効率的に集めるために作られたものなのです。
だから予備校といううのはその中で突出した大学が現れてこうしたグループを壊すことを警戒します。

いくつかの例を挙げてみましょう。
大学だけでなく当然予備校も最近は少子化の影響で生徒が集まりにくくなっています。
するとかつては生徒の授業料中心でしたが生徒が集まらないので最近では大学からのコンサルティング収入や広告料収入などがかなりの割合を占めるようになっています。先述したように予備校は企業ですから金を出さない大学を評価するより金を出す大学を評価したほうが収入になるわけです。そこで偏差値を±で盛ったり下げたりなんてことが行われます。

そうした情報操作の代表的なのがかの有名な代々木ゼミナール。
代ゼミは特定の大学と強く結びつきこれを行ってきました。
毎年多くの受験生が代ゼミの模試とかなり異なった結果となり次第に代ゼミは高レベルの受験生の支持を失っていきました。
そして今では東大京大早慶マーチなど河合塾や駿台の合格実績の数分の一になってしまい、現在では後発の東進にも完全に抜かれています。模試も受験生が集まりませんから正確なデータが出せません。すべては身から出た錆といったところでしょう。

ただしこの傾向は大小は違えど河合塾や駿台にもあります。だからこそ予備校をあまり信用しすぎないことです。
自分が本当に入りたい大学を受けたほうがいいのです。もちろん実力がぜんぜんないのに早慶やマーチレベルを受けたってまず見込みはありません。ならば以前の記事に書いたように1.5年計画でやればいいのです。就職活動時でも1浪くらいは全く影響ありません。影響があるように見せかけているのも予備校の策略なのです。人生は一度きり、後悔するよりチャレンジすることです。

行きたい大学を受けたほうがいい

2012年09月16日 | 日記
最近受験雑誌や大学関係の記事を読むと「受けたい大学より受かる大学に人気が集中」なんてのがよく見受けられます。
きっとこれを信じて素直に真に受けてしまう受験生も少なくないでしょう。しかし私はこうした受験方法にはあまり賛成しませんね。大学というのは最終学歴です。ほとんどの人がこの過程で学生生活を終了するわけです。だからこそ受験する大学にはこだわって本当に行きたいと思う大学を受けるべきだと思いますね。

こうした記事でよく引き合いに出されるのが早稲田と明治の関係です。本当は早稲田に入りたいけど落ちたら金もかかる、親に負担はかけられない、だから明治にしておこうなんてね。そうするとこれはもう明治の思う壺となるわけです。先の中大の記事でも触れましたがこうした記事は情報誌が自発的に書いているものではなく大抵大学から依頼を受けて対価をもらって書いているものです。しかしいざ大学に入ってみると早稲田と明治の差というのは受験生が考えているよりもずっと大きいものだということがわかるでしょう。就職での両大学の扱われ方の差を抜きにしても学生生活には大きな差があります。

一言で言うと早稲田というのはキャンパスのあらゆるところに刺激が転がっているようなそんな大学です。勉強をしたい者は徹底的に勉強する場がある、そのための仲間もたくさんいる。学生時代に何か新しいことをしたいと考えているなら早稲田ほどそのチャンスに恵まれる大学はないでしょう。多種雑多でいろいろな価値観が交錯する。しかしいざとなったら心がひとつにつながる。それが早稲田大学です。海外の大学に比べ広くはないキャンパスですが大隈銅像から大隈講堂を望む風景は在校生だけでなく卒業生の心にも一生残るものです。

それに対し明治大学というのはかなりあっさりしています。その大きな原因は明治が学年割れキャンパスであること、それと早稲田のように印象的なキャンパスがないということに大きく起因している気がします。1,2年生と3,4年生が分かれているので先輩と後輩の関係というのが希薄であり、また明治の最大の宣伝材料はリバティタワーという高層ビルですからキャンパスというイメージはほとんどありません。明治では3年生になれば実質的に学生生活は卒業という雰囲気があります。いちおう御茶ノ水という都心部にはあるけど、いわゆるビルキャンパスですから一生印象に残る光景というものが皆無です。だからキャンパスがただ授業を受けるだけの場になってしまっているのです。キャンパスというのはじつは学生生活においてとても大切なものです。自分が最後の学生生活を過ごす場だからこそキャンパスの中にはいろいろ多様な場がある、勉強だけでなく生活の場でもあるほうが通っていてきっと充実感があると思います。

その点中央大学なんかは立地は悪いけどすべての文系学部が4学年同じキャンパスで過ごすわけですからけっして損な大学ではないと思うのです。ただ都心部にキャンパスがあればこれはもう言うことないですけどね。都会にはやはりいろいろな刺激がありますから、キャンパスと街がつながっていればそれだけ可能性やチャンスも増えるのは当然のことです。まあそうした条件をかなり満たしているのが早慶以外だと上智や立教(池袋の学部)学習院といったところでしょう。それと受験地図に相当大きな影響を与えるだろう要素として、青学も来年からいよいよ都心(渋谷)にあるメインキャンパスで文系の全学部が4年間をすべて一緒に過ごすことになります。奇しくも学習院以外すべてミッションスクールということになります。これは明治だの中央だのといった実学系の大学に比べてミッション系大学は規模が小さいことがあります。だからなんとか工夫をしてメインキャンパスでほとんどの学部が過ごせているのでしょう。それに対し実学系の大学というのはその多くが法律の専門学校から出発したものなのでキャンパスという場があまり重要視されず授業を受ける空間があればよかったのです。ただしミッション系というのは価値観がけっこう縛られているから早稻田や慶應ほどいろいろなタイプはいないかもしれません。女子の方が元気がいいっていうのもミッション系の特徴です。それでも4年間を都心部のキャンパスで過ごせることによるメリットは大きいでしょうね。特に女子ならこの4大学(上智、青学、立教、学習院)というのは買いだと思います。ここでひとつ蛇足ですが私立大学の起源というのは大きく分けて3つのタイプがあります。ひとつは早稻田や慶応のように創立者の人望が強力で政府の影響から独立して作られたもの、ふたつめは明治、中央、法政、専修、日大などのように一応個人が創立者になっているけど実は政府の影響を受けて作られたもの、これらは高級官僚の養成は帝大によって行うけど下級の官吏や法律の実務を行うものの養成を民間に任せようという意図で主に政府関係の役人などが創立者になって作られたものです。そしてみっつめは先ほど紹介した上智、青学、立教などのようなミッションスクール(他の宗教も)です。これらは当初は布教を目的としてその一貫に教育活動があって作られたものです。なぜ昔から早慶が私学の中で別格の存在だったかというと、ミッション系以外ではこの政府の影響を受けずに独立した学校だったというのが大きな理由です。私学の場合建学の精神というのがあって、そうしたものはやはり伝統的なメインキャンパスで色濃く現れていますからきちんとしたキャンパスを持った大学というのは学生が通っていてやはり少なからぬ影響を受けていくものです。そしてそれが真の愛校心になっていくのでしょう。


大学を受けるときに妥協をするとその後人生のいろいろなところで妥協を繰り返す可能性があります。大学の宣伝記事に惑わされず本当に行きたい大学を受けたほうが後悔はないですよ。最近は現役主義だなんて言われますが1浪くらいしたっていいじゃないですか。いま高3であと半年でとても早稲田に受からないと思う人は浪人を前提で1.5年計画で受験すればいいのです。ただしも今回も必ずその大学を受けるべきです。一回でも受けると自分の現在の力との格差にメタメタに打ちのめされますから、浪人をするときの覚悟が違います。浪人をするとスタートダッシュで現役との差がありますから最初はけっこう偏差値が伸びたりします。8月くらいの模試までは早稻田の合格率も悪くなかったりするものです。しかし本当に受かる人というのは9月以降成績を伸ばせる人です。現役の時の甘い自分を捨てて徹底的に頑張れる人、それは浪人して早稲田や慶応など有名大学に受かる人なのです。そういう覚悟があるなら1浪してでも早稻田などを目指したほうがきっと人生のためになると思います。

ちなみによく雑誌などでは就職で浪人はマイナス材料なだけと言われていますがこれは真っ赤なウソです。今の時代でもマーチ以上のランクの大学なら1浪くらいは男女ともまったくマイナスになりません。ただし2浪は厳しくなります。もし就職活動の時に「なぜ浪人したか?」と聞かれたら堂々と「入りたい大学があって妥協できなかったから浪人し頑張って合格しました」と言えばいいのです。いま企業で採用関係の担当をやっている年代の人たちは厳しい受験競争を勝ち抜いてきた人達が多いですから、そういう答えに逆に逞しさを感じることが多いはずです。

キャンパス

2012年09月14日 | 日記
この前投稿した中央大学の例もそうですが、近年の法改正によって大学の都心部への回帰が盛んです。
まず先鞭をつけたのは東洋大学です。法改正は2002年だったのですが、東洋は多分かなり事前にこの動きを察知していたようです。改正以前に文京区の白山にあるメインキャンパスの隣接地を購入していました。そして法改正に合わせてキャンパスの再開発を実行し川越キャンパスとの学年割れを解消し文系学部の多方を都心部の白山キャンパスに集約したわけです。
これによって受験生が大幅に増加しましたが、それよりも大きなメリットは、同ランクの複数の大学を合格した場合東洋大学を入学先として選ぶ受験生も大幅に増えたということです。

この学年割れというものは、一般的には4年間の大学生活を前期2年間の教養中心の過程と後期2年間の専門中心の過程に分けた就学体制なのですが、そこにはメリットよりもずっと多くのデメリットがあります。学生生活全般では、例えば4年間という大学生活をざっくりと2年間にずつ分けてしまうわけですから先輩と後輩の交流が乏しくなる。授業の履修にあたっても、1,2年生でおとした科目を再履修するために3年生以降になっても教養キャンパスに行かねばならない場合がある。大学が学年割れをする主な理由は都心部のメインキャンパスが閉狭なためですから、当然教養のためのキャンパスは郊外にあるケースが多く、そのため丸1日をそのおとした科目のためだけにそのキャンパスに行かねばならない。だからその分履修できる時間割がタイトになり留年の可能性が増える。それとカリキュラムが固定的になること。キャンパスを分ければ1,2年生と3,4年生でそれぞれやるべき範囲が決まってしまいますから2年生が3,4年生の科目を先取りするということが難しくやる気のある学生のモチベーションが高まりにくいということでしょう。このことは例えば学生と教員との関係にも影響があります。つまり例を挙げれば、主だった専任教員の研究室は一般的にはメインキャンパスを中心に配置されていますから、1,2年生がその科目の教員の研究分野に興味があってもその教員は授業以外の日は大抵メインキャンパスの方にしかいないということです。
こういうこともあって、この前の投稿記事では中央大学がもし本当に学部を都心回帰させるとしても学年割れが精一杯でしょうから、それでは単にアクセスがよくなるだけで本質的な意味はあまりないと申し上げたわけです。

大学のすべての学部がひとつのキャンパスに揃っていればこれは最高です。ただし都心部の大学でこれができているのはごくわずかです。総合大学では例を挙げれば上智と学習院の2つくらいでしょうか。それ以外は何らかの形で学部割れもしくは学年割れをしています。なぜこの2つがそうしたことができるかというとそれは上智と学習院は総合大学の中でも学生数が少ないほうだからです。上智は約1万人、学習院は1万人未満です。まあ都心部にすべての学部を置くとなるとどうしてもこれくらいの規模が限界というわけです。

マーチ以上の大学だとあとはすべて何らかの形で割れています。
早稲田はメインキャンパス(社会科学系中心)と戸山キャンパス(文学部)、大久保キャンパス(理工学部)はいずれも新宿区内で近場ですが人間科学部とスポーツ系のある所沢キャンパスは相当離れています。
慶應は都心部の三田キャンパスと神奈川県横浜市の日吉キャンパスは主要学部の学年割れ、またこの他に医学部は新宿区内、ただし総合政策学部と環境情報学部のあるキャンパスはSFC(湘南藤沢キャンパス)といい神奈川のかなり奥地にあり交通は不便です。マーチでは明治は主要学部が千代田区と杉並区との学年割れ、理工学部は神奈川県川崎市の多摩丘陵にあります。またこの他に来年から国際日本学部と新設される総合数理学部は中野区に新しく作られる中野キャンパスで4年間を過ごします。それと2014年に設置予定のスポーツ科学部は多摩動物公園からさらに奥地に行った多摩テック跡地に建設中です。
青山学院大学は来年度から人文社会科学系7学部が都心の青山キャンパス、理系2学部が神奈川県相模原市のキャンパス。青学の場合は学部割れというよりもざっくり文理で分けていますね。立教は主要学部と理学部が都心の池袋キャンパスで観光、現代心理、福祉系が埼玉県の新座市にあるキャンパス。中央は現在は文理でざっくり分かれているので青学と似たパターンですが、ただし真逆で文系は郊外の多摩キャンパスに対し理工学部を都心部の後楽園キャンパスに置いています。法政は文系の主要学部を都心の市ヶ谷キャンパス、経済など3学部を郊外の多摩キャンパス、理工学部をやはり郊外の小金井に置いている3拠点体制です。

どこの大学を選ぶかは、まず第一に各大学の得意とする分野ですが今は学部レベルの研究分野や教員配置はどこの大学でも大きな違いはないので、キャンパスの環境というよりも就学体制も大きな選択条件とすべきところでしょう。