クリニック便り

尾道市にある小児科・眼科のクリニック,宇根クリニックより。
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プール熱

2009-06-21 20:13:44 | 院長のコラム・バックナンバー
院長のコラム(onoono連載バックナンバー)より、先週より増えていたプール熱についてのコラムをご紹介します。


【夏でもないのにプール熱】


 「うちの子、プールに入っていないのに、プール熱ですか?」 とお母さんはびっくりします。
3日たっても高い熱が下がらない。でも機嫌はよくて、食事も普通にとる。診察すると、白眼のところが赤くなって、目やにが出て、咽喉を見るととても痛そうな色をしています。下痢をすることもあります。大体5日目くらいで熱は下がり、熱が下がれば保育園にもいけるようになります。心配の要らない病気です。これがプール熱といわれる病気です。
プール熱は、アデノウイルスというウイルスによって引き起こされます。このウイルスの兄弟型には、肺炎を起こしたり、心筋をおかしたり、脳炎を起こしたりするものもありますが、プール熱を起こすウイルスは、このような激しい症状は起こさないようです。
一昔前までは、夏に流行していたためプール熱といわれましたが、最近は年中見られますから、アデノウイルス感染症とか、咽頭結膜炎とか呼ばれます。気道感染が主ですが、糞便からの経口感染もあります。手洗いと、うがいが大切な予防策です。もし、この病気を疑われたら、水分を十分とって、安静にしていましょう。インフルエンザと同じですね。





  夏の風景。プールもぼちぼち始っているでしょうか。とおもったら台風や梅雨で今週は雨のようです。。。

本当に最近は季節感がなくなり、プール熱は冬でも発生することがあります。
しかし、やはり多いのはこの時期、
「保育所でプール熱がはやっています」
と来られる方も大変、先週は多かったです。

よく聞かれる潜伏期間は5-7日間程度と言われています。

病気の特徴としては
1.39度前後の高熱、喉は真っ赤にはれています。
2.目が充血して真っ赤になり、痛みや涙、目やにが増えます。
3.3-5日間くらい続き、下痢や腹痛を伴うこともあります。

小児科での診断はのどの所見を見て疑いのある方は迅速診断と言って、喉をこすって調べる方法、眼科では眼やにの出ている眼をこすって検査、5分前後で診断をつけることができます。

アデノウイルス感染症というウイルスの病気で、特に特効薬はありません。対症療法と言って、症状に合わせた治療が必要になります。

目の結膜炎症状が強い場合は眼科の治療も必要です。

当院では小児科でプール熱と診断した方で、目の症状が強くでている場合は、すぐに2階の眼科で眼の診察を受けることができます。その場合は目からのアデノウイルスの検査(こする検査)は必要ありませんので、安心して2階に上がってくださいね。

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