晴釣雨読

釣ったり読んだり

柳沢伯夫厚生労働大臣の許せない発言

2007-01-30 21:13:18 | 世の中
厚生労働相(71)が1月27日、松江市で開かれた自民県議の決起集会で「15から50歳の女性の数は決まっている。生む機械、装置の数は決まっているから、機械と言うのは何だけど、あとは一人頭で頑張ってもらうしかないと思う」と驚くべき発言をしたとか。
元大蔵省、自民党国会議員、かっての厚生省と労働省を合わせた重要ポストの現厚生労働大臣。私より、5歳年上ということだ。なかなかの秀才だというのに、いったい何を考え、どんな思いで勉強をした人なのだろう。女性が不当に扱われてきた歴史、多くの女性が立ち上がった歴史を知らないわけではなかろう。あまりにもお粗末過ぎる。世界にも恥ずかしい大臣だ。

私のことで、なさけない話なのだが、まだ高校生のとき「結婚」ということを無意識に「嫁にもらう」と発言し、みんなからひどくひんしゅくを買ったことがあった。
小学校でも中学校でも、男女はいつも別々で行動していたし、女の人と話す勇気は私にはなかった。そんなこともあって「結婚」ということも、大人が言うとおりに「嫁に行く、嫁をもらう」と、なんら深く考えることなく話したのだった。「もらう」とは「君は女性を所有物と見るのか・・・」とそのときみんなから言われたように思う。
そんなこともあり高校時代にイプセンの「人形の家」を読んだ。キューリ夫人伝や女性史も読んだ。「女性は男性と比べ中学まで勉強できるが、高校では学力が落ちるものだ」と生徒の前で平気で言う教師もいた。「女子は大学に行かせてもらえない人が多いし、結婚しても働くことが出来る職場は少ない。勉強する目的が持ちにくいのだ」と抗議したかった。

大学を出て、40年近く高校生を教えたが、私のように「嫁をもらう」と語った男生徒はいなかった。しっかり発言もし、はつらつと活躍する女生徒が増えた。着実に世の中は進んでいる。

憲法に示された男女の平等を学んだはずなのに、古い考え方、女性蔑視持つ大臣たち。その大臣を含む内閣が、まだまだ新しく輝く憲法、男女平等と平和の憲法、それを変えようとしている。まず閣僚が憲法を学んでほしいものである。



高水工事の矛盾 スーパー堤防建設

2007-01-22 20:16:27 | 水と緑
 日本の川は急峻で、大河を見慣れている外国の人には滝に写るらしい。
 昔からの日本の河川改修は低水工事といわれ、農業用水を確保し、下流の舟運のため河道を固定し、流量の安定を目指した。山には植林し、大洪水の氾濫には水害防除林、霞堤、乗越堤などを工夫し、広い遊水地を残すなどして、水害を減らし川をなだめる方法を取ってきた。この川と人間の関係に見られる文化は、自然と人間の調和に根ざした文化といわれていた。
 しかし明治中期に始まった河川改修の高水工事は、川の両側にあくまで高い堤防を築き、蛇行をなくし、河川内の邪魔者を廃していかに一気に雨水を海に流すかが求められた。このようにして築かれた直線の長い堤防は、人間の住む土地から川を完全に隔離し、川は洪水や廃物の処理という役割に変わった。高い堤防が出来ると、もう安全とばかりに、これまで人間の営みがなかった土地が農地となり、町が出来工場が建った。
しかし、当初安全だとして設計された高水工事の堤防も、予想をはるかに上回る大洪水が発生し、堤防の決壊がおこり、度重なる計画変更や補強工事がなされてきた。
 工場が建ち、町が大きく拡大すると当然、電気、工業用水、水道の水不足がおこる。当初のダムは主として発電が目的だったが、上流部に巨額の費用を投じて、多目的ダム(洪水の調整、農業用水の確保、発電、工業用水・水道水の確保)という矛盾を抱えたダム建設ラッシュに変わった。水道水や発電のためには、出来るだけダムに水を蓄える必要があるが、洪水の調整のためにはダムの水を出来るだけ減らす必要がある。その上ダム開発されたところは水源涵養保水林がいらなくなったとして、伐採された例もあり、土砂崩れの危険にさらされている。日本のような山奥でのダム建設は、土砂の堆積が早く、使用不能となるのは早いのである。
 今日、ほぼ日本中の川に高いコンクリートの堤防が長々と築かれた。上流にダムを持たない川は数すくない。はたしてこれで万全だろうか。
 わが国は地震が多く、必ず大型の台風の通過する。集中豪雨という現象も多発している。
今ひそかに、行われ始めたのは、スーパー堤防建設という事業である。堤防をさらに幅広くし、強化をはかるという事業である。
    例  淀川・大和川スーパー堤防広報誌
 私があえて「ひそかに」というのは、過去の堤防工事についての反省をして「今の堤防建設だけでは危険である」とはいわないからである。
 そして何十兆円という莫大な税金を使い「スーパー堤防」という高水工事をまたまたはじめようとしているのである。これからの日本は、医療や福祉のお金をけづっても、町を守るという名目で「スーパー堤防」はなされて行くのだろうか。

 山に登ると、間伐されないままの杉林が多い。大きくなって間伐された杉の木がそのまま放置されている。今の国策は保水力のある森林を育てることに税を使わない。米を育てる水田はダムだとまでいわれてるのに、減反によって農村破壊した。過疎がふえる一方で、山林の乱開発も目に余る。
 降った雨水を地下水として出来るだけ多く涵養することが大切なのである。日本は、そのことにお金を使わないで、あくまでも早く海に雨水を流してしまう方法を、貫徹し、相変わらず高水工事を続けている。すこしは考え方を切り替えないといけないと思うのだが。 



アメリカの新イラク政策

2007-01-12 09:19:55 | 世の中
ブッシュ米大統領はテレビで演説し、イラクの治安強化のため、さらに2万1500人の軍隊の増派を発表した。朝日新聞

 日本政府の麻生太郎外相はさっそく、「米政府のさらなる努力として評価する。わが国は引き続き米国と協議、協力していく」と語った。今なおイラクにいる日本の空自はC130輸送機3機と200人の隊員を派遣して、アメリカの軍事物資の輸送にあたっている。このアメリカの増派に伴って、空自の増派を検討中なのだろうか。
 国連を無視して行った、アメリカのイラク戦争の根拠「大量破壊兵器の存在」は否定された。このアメリカと同様の根拠でイラク戦争に加担した日本政府は、いまだにその反省をしていない。それどころか、民主党が米議会の多数を占め、増派に反対の姿勢を強めているのにかかわらず、日本政府が米追従を続けるのは異常としかいいようがない。
 閣僚の不祥事が次々と報道される。教育をつかさどる文部科学省の担当大臣までが偽会計報告をしながら「うそはない」と平気で語る今日である。悲しい事件や、凄惨な事件が毎日のように起こるのも、今の日本の政治と無縁とはいえない。