左に曲がるとツタに覆われた二階建ての建物がある。塀の外には、何台ものママチャリが規則正しく並べられている。対面には、標識はあるが、人気はない、入口はキャタピラのついた格子調の門になっている建物が、その建物をにらみつけるように、立っている。
その建物は保育園だ。異様な感じだ。建物は北西向きだが、そちらには三階建てもビルが立っているから、夕暮れどき、ちょうどお母さん達が子供を迎えに行く時間帯には、日がほとんど差さない。
いつも、自転車で通り抜けている場所をはじめて歩いてみて、新しい発見があったが、気分が悪くなった。ま、いいや。
気づいたのは、自転車は、移動時間を短縮するという意味で時間の節約にはなるけど、その分人の視覚を鈍らせるんじゃないかな、ということ。ゆっくり風景を楽しむことができないというと軽い表現だけど、自転車や乗り物の出現が、近代化の一端というか、時間の流れを速くさせてしまったということはあるんじゃないかな(昔は、徒歩を除くと移動手段は、せいぜい馬車か、ゆっくりとしか進まない帆船だけだったわけだし。)
そんなに昔にさかのぼらなくても、40年くらい前にはじめて欧州旅行が解禁になったときだって、移動手段は主に船と電車だったから、欧州に行くには、横浜から船をナホトカを経由して、シベリア鉄道でのらりくらり地球の大きさを体験しながら(そして乗り物酔いに苦しみながら)やっとのことで、欧州にたどりついていたわけだし。
近代人はもう森に戻って暮らすことはできないというルソーの言葉じゃないけど、もう自分も自転車に乗らないで、徒歩だけで移動することはできない(なぜなら、寝る時間が少なくなるから苦笑)。
戻れないと、忘れたり自覚しないことは別の問題だ。ふい。。。
p.s. たぶん、ブログを移転します。↓
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