日伊相互文化普及協会

日伊相互文化普及協会のブログです。

夏季懇親会「真夏を・・・」の日は初冬の肌寒さでした

2008-08-27 18:35:14 | Weblog
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外は小雨、上着をしっかりと着込んで背中を丸めて歩いてる人たち・・・・。
真夏とはけっしていえない気温。
夏は「あ~、めんどくさ」といってさっさと引っ込んだのでしょうか。

でも今日のテーマは「真夏を楽しむイタリア料理」。
困ります、夏さん。早くあがるならあがると連絡をくれないと。
「冷夏を耐えるイタリア料理」にテーマを変えましたよ。

イタリア中部も今年は9月に入らないのに寒くなったそうです。
気まぐれですね、今年の夏は。



ま、いきましょう。
真夏のトスカーナには、昔から好んで食べられている料理の一皿にパンツァネッラがあります。トマトとパンが主役です。
フェレンツェから車で40分ほどのモンテカティーニ市の郊外の丘の上でオリーブ農園を営んでオイルを精製しているリタのところに夏に行くと、必ずこのパンツァネッラを出してくれます。「暑いときの農作業のあとには最高なのよ」と。
(私は農作業をしてないんですが・・・、すみません・・)
今日は佐野シェフがパンツァネッラを作りました。
使ったトマトは有機農法生産物を扱っている「オフィスオッティモ」の高橋さんが北海道から持ってきてくれました。
佐野シェフの腕もいいのでしょうが、このトマトはお手柄ものでした。



兵庫県の淡路島から来た平野さんは島伝統の手延製法を守って素麺やうどんを作っていて、平野さんが作った素麺と芽かぶそうめんを持ってきてくれました。
佐野シェフにお願いして芽かぶそうめんを茹でてもらって食べました。手延べ素麺はみんなのお土産用。
日伊相互文化普及協会の10月イタリア研修「スローフード祭参加と文化研修」の時に催す「ジャパンフェスタ」では日本料理を紹介します。その時にこの芽かぶ素麺をイタリアの人たちに食べていただこうと思っています。



香川県から来てくれた川村さん夫妻は「ぽっちり堂」というお菓子屋さんを経営しています。
川村さん夫妻は子供たちに自然なものを食べさせたいと、自分たちの住む野山の素材を使っています。
夫妻の考え方はとても素朴です。

「島国の田舎の爺さんだよ、僕は」というのは愛媛県から来てくれた仙波先生。
島国といえば東京都がある本州だって島国じゃありませんか。そうなると私は「島国の千葉の婆さん」になりますね。
仙波先生は予防医学と環境改善医学のプロフェッショナルです。
仙波先生はおもしろいもの二つをみんなにくれました。
そのうちのひとつが「エコパラダイスパック」というビニール袋。
見たところ何のへんてつもありません。

実は私は前にこの袋を仙波先にもらっていました。
野菜の日持ちが長いというのでスーパーから紫蘇の葉を買ってきて、「はて、どのくらい持つのかしら?」と袋に入れて冷蔵庫に入れ続けました。
1ヶ月は鮮度に変化なし。そして1ヶ月半後に2枚の葉に変化が見られました。
スーパーの紫蘇は特に傷みやすいもの。驚きました。
仙波先生はみんなに科学的根拠を説明していました。
この袋は仙波先生のところで作って販売しているわけではありませんが、聞けば手に入れることができます。(株)養命へ。



(株)クインビーガーデンの小倉さんは自社自慢の蜂蜜をとっさりとみんなにお土産でくれました。小倉さんは6月のルッカ商工会議所招待の視察にも参加していて、養蜂場ではとても熱心に見学をしていて、みんなが帰国した後も延泊してイタリアの蜂蜜を勉強していました。

今回、北海道、山形県、愛媛県、静岡県、兵庫県、大阪府、茨城県、神奈川県、東京都、千葉県から来ていただいた皆さん、ありがとうございました。感謝です。
遠方の人たちはホテルをとったり、都内に住むイタリア研修時仲間の家に泊まったりしましたが、愛媛県から来たヨガインストラクターの加藤さんは翌朝どうしても用があるのでといって、なんと前日の夜行バスで来て、深夜の夜行バスで帰りました。
タフですねえ、ヨガのおかげかしら。



今回のメニューは下記をご参照ください。

MINESTRONE FREDDO 
冷製ミネストローネ

ACCIUGHE AL LIMONE 
ヒコイワシのレモン風味

CARCIOFINI SOTT’OLIO 
カルチョッフィのオイル漬け

INSALATA CAVOLFIORE FRED 
カリフラワーのサラータ

PANZANELLA 
パンツァネッラ

INSALATA COZZI ALLA RICOTTA
リコッタチーズ風味のムール貝のサラータ


FRITTATA ERBE 
香草のフリッタータ

ARROSTO DI PATATE CON Bombarda
ボンバルダを添えたジャガイモのオーブン焼き

CAPELLINI FREDDO CON SALDERA
シラウオを使ったカラブリアの発酵食品

SPAGHETTI TONETTO SOTTO SALE
西伊豆のカツオの塩辛でつくったスパゲティ

BOLLITO DELLE VERDURE 
野菜のボリート

BRASATO DI PUNTINE IELLA MAIARE
岩手プラチナポークバラ肉の蒸し煮

POLLO SOOT’ACCETO ALLA PICANTE
鳥取大山地鶏むね肉のコンフィ

GELATINA DEL FURTTA SECCA E VINO ROSSO 
ドライフルーツと赤ワインのゼリー ショウガ風味

COMPOSTA DEL PESCA ALLA MIELE E LIMONE
桃のコンポート ハチミツとレモン風味

CREMA CATALANA 
カタロニア風プリン

レシピについては「オステリア・ベッラ・ヴィータ」の佐野シェフまで。

次回の秋季ネットワーク懇親会は10月のイタリア研修後になりますので11月に入ってからになりそうです。
なんとも次回も季節がずれて秋季とはいえなくなりそうで・・・。


日伊相互文化普及協会         Emi

ジャンルーカ先生の夏

2008-08-12 18:15:53 | Weblog
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イタリアは今どこでもバカンス、ジャンルーカ先生の学校も休みです。
ジャンルーカ先生のファンはこのバカンス中に日本にジャンルーカ先生が来てくれるのを待っています。
ジャンルーカ先生は卒業生のところで料理講習をしたり、レストランでイヴェントをやったりと日本人並に働くことになってしまいます。

 



2日、高田馬場文流でジャンルーカ先生のフェアがあり、行って来ました。
ジャンルーカ先生はスローフード協会味の箱舟認定のコロンナータのラルドをイタリアから持って来ました。
口の中でとろけるラルドでした。




8日はホームメイド協会の大宮と池袋の教室で料理講習がありました。
メニューは
・鶏胸肉のマリネ、エリンギ・ズッキーニ・薄切りグラナチーズのサラダ添え
・トマトとルッコラペーストのフェットチーネ
・猟師風チキン
・アーモンド風味のレモンケーキ



どれも伝統的なトスカーナ料理。
ジャンルーカ先生の料理の特徴は舌にも身体にもとても優しいこと。
温厚な性格がそのまま料理に現れています。

 

忙しいジャンルーカ先生に奥さんのパオラはよく耐えていると思います。
こんな環境、イタリアでは離婚ものです。
「イタリアへ帰ったらどうするの?」と聞きました。
「どこかへ連れて行ってやらないとね・・・」日本語でつぶやきました。

私も一応奥さんなので、ジャンルーカ先生の奥さんのことを思って、ジャンルーカ先生に奥さん孝行をしてほしいなあ、と思いました。



日伊相互文化普及協会        Emi

夏はトマトですねえ

2008-08-12 17:50:37 | Weblog
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暑い、暑い!
朝、バルコニーに出たらミニトマトが散乱してました。
暑さで頭の常識モードが壊れたカラスが気まぐれたのです。
堆肥まで作って育てたミニトマト、がっかりです。

ため息をついていると玄関のチャイムがなりました。
お届け物・・・。
トマトと書いてあるではありませんか。
6月にルッカ研修に参加した北海道の高橋さんから。
高橋さんは札幌で「オフィス・オッティモ」を経営していて自然栽培の野菜を扱っています。
「うん、やはり、なるほど」とうなる味の野菜は高田馬場のリストランテ文流の総料理長岩崎さんにも惚れ込まれたほど。



早速ミニトマトにかぶりついて見ました。
夏です、夏の自然の味。
ありがたいなあ、バカカラスのことを高橋さんは知っていたのかも。
高橋さんのトマト、イタリアでもどこでも自慢したい味です。



日伊相互文化普及協会      Emi

アグリトゥリズモの実情

2008-08-06 16:00:44 | Weblog
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ルッカが終わり、ウンブリア州のオルヴィエートへ来ました。
ウンブリア州は一年中緑が豊かなため、避暑などに人気があって、別荘などはかなりハイプライスです。それでも世界中の金持ちたちはウンブリア州に別荘を求めたがります。


私たちの泊まっているジャンピエロのアグリトゥリズモのすぐ近くの一軒の家はF1レーサーのミハエル・シューマッハに目をつけられました。
「いくらでも金を出す」というシューマッハに持ち主は「ノー」と言い続けています。

自然豊かなウンブリアはアグリトゥリズモもトップの人気を誇っていて、この州の中には1000以上の届けを出しているアグリトゥリズモがあります。

アグリトゥリズモを、民宿のようなものと理解をしている日本の方は多いと思います。
そういう日本の人達が想像する様なアグリトゥリズモもありますが、欧米の人々にとってそれらは彼らの期待するものに乏しいのが実情で、利用するのは経済的にはゆとりはないけれど、田舎を体感したいというティーンエイジャーたちがほとんどです。





アグリトゥリズモとは大自然が満喫できて、食事が充実し、宿泊施設には芸術文化が感じられ、様々な文化体験が可能なところ、建物も長い年月を経ています。







ホテルと違うのは、「そこに滞在したい」と何度もリターンしてくることです。
アグリトゥリズモは旅の途中で宿泊するところではなく、わざわざやってきて「過ごす」ところです。

アグリトゥリズモの滞在はホテルに比べてかなり贅沢です。
先述したティーンエージャーが利用するようなところを除けば、普通は安くても1泊2食付で日本円換算で約18,000円以上するのが一般的です。
30,000円台のアグリトゥリズモはたくさんあって、中には1泊2食付で150,000円のアグリもあります。
滞在者たちはそこのアグリトゥリズモの持つ特徴に満足し、お金を払っています。

 

私たちの泊まっているジャンピエロのアグリはかなり高額の部類です。
でも、充実したアグリトゥリズモで、一流品を取り上げる機関紙のガンベロ・ロッソやスローフード協会が絶賛しています。

 

広い庭園とプールがあり、家具調度品はアンティックなものから、有名工房ミケランジェリが手がけたもの、食事は完全な有機自然栽培の食材を使い、名シェフと名の知れているパオロが料理を担当します。









年中満室で、ここに泊まることができなくてよそに泊まった人たちは、食事だけでもとパオロの料理を食べに来ます。
パオロはまた、ガーデニングのマエストロでもあって、広大な庭園はパオロがコーディネートしています。



「アグリトゥリズモの経営は大変なんだよ」とジャンピエロ。
本当にそうだと思います。
イタリア国内には膨大な数のアグリトゥリズモが登録されていると書きました。
実は、その9割が機能していないのです。



イタリア政府の政策で、古い城や放置された館や修道院、ワイナリーを修復しアグリトゥリズモとして生き返らせて保護していく人々、またはイタリアの農業を重視して個人の家をアグリトゥリズモに改築する人たちには、たくさんの補助金が出されます。

人々はその補助金でアグリトゥリズモを作ったものの、それから先がストップをしてしまいます。



アグリトゥリズモは農業を営んでいることが条件なのですが、都会から来た資産家たち、また田舎の人でも農業の運営にてこずります。
また、経営ということに携わったことのない人たちもいっぱいいます。
施設や庭園の維持には大変な手間がかかるのですが、それをこなすこともできません。

様々な理由で、登録されたアグリトゥリズモのうち、90%がパッとしないまま放っていかれ、せっかく修復された建物は生気を失っていきます。

お金を儲けようと思って始めた人は、まず経営が続かないでしょう。
自然が好き、食べることが好き、人との出会いが好き、そして損得勘定の感情より、ボランティア精神と旺盛な好奇心が勝っている人、根気のある人でないとやっていけない気がします。

 

ジャンピエロのアグリトゥリズモは毎年リターンする人でいっぱいです。
自然環境や施設、食事の充実、ジャンピエロ夫妻や従業員の思いやりに満ちたサービスに訪れた人たちは100%満足しています。

でも・・・・、ジャンピエロを見ているとホントに大変だなあ、としょっちゅう思います。
ジャンピエロは大変さを顔に出さない分、パニック的になるので、私は「Stai tranquilla! 落ち着いてよ!」とよく言います。
すると「わあ~はっはっ~」と笑い、「まず、椅子に座ろう!」。



ジャンピエロの妻のルイーサは私に「ジャンピエロはほかの人生を歩んだ方がいい」とボソッと何度か言ったことがあります。それほど大変のようです。

私を通してジャンピエロのアグリトゥリズモに来る着人たちには、ジャンピエロは気前よく大幅な宿泊費のダンピングをします。
訪れてみたい人はご連絡ください。


・アグリトゥリズモ ロカンダ・ロサーティ

・ロカンダ・ロサーティ滞在 第7回スローフード祭参加と食文化研修 詳細


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