日伊相互文化普及協会 HPはこちら
イタリアは火山国で各地に温泉があり、その数は政府の承認、未承認を合わせて約500~600といわれています。
日本の温泉は約2000。
日本の方がはるかに数が上回ってる、日本は世界一の温泉大国なんだと思ってる人は多いでしょう。
でも、日本の温泉の8割は人工的に掘削した温泉で、今では9割ともいわれています。
掘っているんだから簡単に世界一の温泉大国になれますね。
イタリアの温泉は全部といっていいほど自噴で、歴史も古く、1000年前、2000年前からある温泉もたくさんあります。
だいたいが国営テルメ運営委員会の管理下にありますが、私営の温泉も少ないですがあるんです。
私営でも個人が全ての所有権や経営権を持っているわけではなく、複数の人達で運営されてます。
国営テルメ運営委員会が、掘削をして新しい温泉を作るということはまずありません。
個人の土地所有者が温泉を掘りたいと考えた場合、よほどの理由がなければ国の許可はおりません。
地震などで自噴していた温泉が塞がれた場合、極浅いところに温泉脈があれば誘導掘をすることはありますが。
イタリアは温泉医療をローマ時代から医学として捉えてきました。
今も100%の保険が適用されています。
イタリアの人達は温泉を国民の公共財産とみています。
イタリア人にとって、温泉は個人が儲けるためのものではないのです。
かりに、イタリアに儲けたいと思う個人のイタリア人土地所有者がいて、掘削を申し出たとします。
すると、その泉脈は医学的にどのような効果があるのか、詳細に挙げなければならなくて、複数の温泉医学者と、地質学者と、化学者を必要とします。
また、そこを中心に周囲の土地にどのような影響を与える可能性があるのか50年先、100年先を見越して調査をしなければなりません。
他にも複雑な調査がいっぱいあって、気の遠くなるような時間がかかります。
莫大なお金もかかります。
イタリア人ならそんなお金があるのなら、めんどくさいことなんかしないで、名医のいる温泉地に行って、豪華なホテルに泊まって、時間を考えないで過ごしたいと思うでしょう。
掘削は地球を掘ること。
人為的に地球の体液を地上に流すわけですから、その影響は遅かれ早かれ必ず出ます。
イタリアのトスカーナに、とある私営の温泉があって、もと貴族の館だったステキなホテルを併設してます。
私営なので保険が利きませんが、お金持ちは利用しています。
ある日本人がこの温泉に眼をつけて、この温泉の経営権を何割か買いました。
有名なトスカーナ州の中の、ロマンチックな貴族の館、ここならお金持ちの日本人をいっぱい呼べる、経営権の何割かの自分の持ち前分の儲けは跳ね上がる、と思ったのでしょうか。
経営に首を突っ込んでしばらく経ちました。でもいまいちパッとしない、日本人がドドッとは来ない。
「そうか、日本人の好きな、い~湯だな~、の露天風呂がないんだ」と彼は思いました。
もともとの温泉は屋内で医療用に使っています。
露天風呂に回すほど湧出してません。
彼は日本人ですから当然掘削を考えました。
反対を押し切り、大金をつぎ込み、苦労したのでしょう、3年前にやっと屋外に温泉プールができました。
けれども、もとからあった泉質が変わってしまいました。
その温泉で得たこれまでの臨床記録は、それ以降役に立たなくなりました。
変化した泉質はイタリア人だけではなく、ドイツやフランス、スイス、イギリスなんかからの利用者も感じたようです。
「温泉は医学」としているイタリアからしたら本末転倒ですね。
こうなると国営テルメ運営委員会がこの私営の温泉に口を挟まないわけにはいきません。
イタリアの温泉機構の信用問題に関わって、責任重大です。
何とかしなければなりません。
ものものしい会議が毎日続きました。
現在も問題は解決していません。何もできない私は見守るだけです。
日本には「温泉をあてて一儲け」という言葉があります。
今も日本のいたるところで、地球に穴を開けています。
地球のしっぺ返しが恐いです。
穴をあけてる人達に、不安はないのでしょうかねえ。
日伊相互文化普及協会 Emi
・モンテカティーニ・テルメ
ローマ時代から2000年にわたって湧き続ける温泉です。
世界一美しいテルメといわれ、ヘプバーン、モナコ王妃、エリザベス女王、チャプリン、ベルディ、プッチーニなどに愛されてきました。
プッチーニはこのテルメで「マダム・バタフライ」を創作しました。
・テルメ・ディ・パーピ
ローマが近いため歴代の法王が利用してきました。
露天の温泉プールのほか、洞窟蒸気温泉もあり、この洞窟内でダンテは「神曲」のイメージが湧いたといわれています。
イタリアは火山国で各地に温泉があり、その数は政府の承認、未承認を合わせて約500~600といわれています。
日本の温泉は約2000。
日本の方がはるかに数が上回ってる、日本は世界一の温泉大国なんだと思ってる人は多いでしょう。
でも、日本の温泉の8割は人工的に掘削した温泉で、今では9割ともいわれています。
掘っているんだから簡単に世界一の温泉大国になれますね。
イタリアの温泉は全部といっていいほど自噴で、歴史も古く、1000年前、2000年前からある温泉もたくさんあります。
だいたいが国営テルメ運営委員会の管理下にありますが、私営の温泉も少ないですがあるんです。
私営でも個人が全ての所有権や経営権を持っているわけではなく、複数の人達で運営されてます。
国営テルメ運営委員会が、掘削をして新しい温泉を作るということはまずありません。
個人の土地所有者が温泉を掘りたいと考えた場合、よほどの理由がなければ国の許可はおりません。
地震などで自噴していた温泉が塞がれた場合、極浅いところに温泉脈があれば誘導掘をすることはありますが。
イタリアは温泉医療をローマ時代から医学として捉えてきました。
今も100%の保険が適用されています。
イタリアの人達は温泉を国民の公共財産とみています。
イタリア人にとって、温泉は個人が儲けるためのものではないのです。
かりに、イタリアに儲けたいと思う個人のイタリア人土地所有者がいて、掘削を申し出たとします。
すると、その泉脈は医学的にどのような効果があるのか、詳細に挙げなければならなくて、複数の温泉医学者と、地質学者と、化学者を必要とします。
また、そこを中心に周囲の土地にどのような影響を与える可能性があるのか50年先、100年先を見越して調査をしなければなりません。
他にも複雑な調査がいっぱいあって、気の遠くなるような時間がかかります。
莫大なお金もかかります。
イタリア人ならそんなお金があるのなら、めんどくさいことなんかしないで、名医のいる温泉地に行って、豪華なホテルに泊まって、時間を考えないで過ごしたいと思うでしょう。
掘削は地球を掘ること。
人為的に地球の体液を地上に流すわけですから、その影響は遅かれ早かれ必ず出ます。
イタリアのトスカーナに、とある私営の温泉があって、もと貴族の館だったステキなホテルを併設してます。
私営なので保険が利きませんが、お金持ちは利用しています。
ある日本人がこの温泉に眼をつけて、この温泉の経営権を何割か買いました。
有名なトスカーナ州の中の、ロマンチックな貴族の館、ここならお金持ちの日本人をいっぱい呼べる、経営権の何割かの自分の持ち前分の儲けは跳ね上がる、と思ったのでしょうか。
経営に首を突っ込んでしばらく経ちました。でもいまいちパッとしない、日本人がドドッとは来ない。
「そうか、日本人の好きな、い~湯だな~、の露天風呂がないんだ」と彼は思いました。
もともとの温泉は屋内で医療用に使っています。
露天風呂に回すほど湧出してません。
彼は日本人ですから当然掘削を考えました。
反対を押し切り、大金をつぎ込み、苦労したのでしょう、3年前にやっと屋外に温泉プールができました。
けれども、もとからあった泉質が変わってしまいました。
その温泉で得たこれまでの臨床記録は、それ以降役に立たなくなりました。
変化した泉質はイタリア人だけではなく、ドイツやフランス、スイス、イギリスなんかからの利用者も感じたようです。
「温泉は医学」としているイタリアからしたら本末転倒ですね。
こうなると国営テルメ運営委員会がこの私営の温泉に口を挟まないわけにはいきません。
イタリアの温泉機構の信用問題に関わって、責任重大です。
何とかしなければなりません。
ものものしい会議が毎日続きました。
現在も問題は解決していません。何もできない私は見守るだけです。
日本には「温泉をあてて一儲け」という言葉があります。
今も日本のいたるところで、地球に穴を開けています。
地球のしっぺ返しが恐いです。
穴をあけてる人達に、不安はないのでしょうかねえ。
日伊相互文化普及協会 Emi
・モンテカティーニ・テルメ
ローマ時代から2000年にわたって湧き続ける温泉です。
世界一美しいテルメといわれ、ヘプバーン、モナコ王妃、エリザベス女王、チャプリン、ベルディ、プッチーニなどに愛されてきました。
プッチーニはこのテルメで「マダム・バタフライ」を創作しました。
・テルメ・ディ・パーピ
ローマが近いため歴代の法王が利用してきました。
露天の温泉プールのほか、洞窟蒸気温泉もあり、この洞窟内でダンテは「神曲」のイメージが湧いたといわれています。