日本共産党都議会議員(町田市選出)池川友一「市民とつくる都政への架け橋」

日本共産党東京都議会議員の池川友一のオフィシャルブログです。地方政治の現場からいろいろと発信していきます。

保育園の面積基準緩和は、子どもの成長と発達を保障しない

2011-12-15 | 日々思うこと、考えたこと

 本日の「しんぶん赤旗」1面に、保育所の面積基準の緩和について、各自治体の検討状況が掲載されました。この間、私が議会事務局を通じておこなった調査をもとに記事が書かれたものです(記事の全文はコチラ)。

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 各自治体がどんな反応なのか知らせてほしいという問い合わせがいくつかありましたので、調査内容を掲載したいと思います。「保育所の面積基準緩和に関する特別措置への対応について」の調査

◆町田市の保育サービス3カ年計画では「面積基準緩和も検討」

 今回の面積基準の緩和は、「地域主権改革」一括法の施行にともなって、厚労省が省令で、緩和対象地域について(1)待機児童が100人以上(2)住宅地の公示地価の平均額が三大都市圏を上回るという基準を示したものです。

 厚労省の省令に、町田市は入っておらず、現時点では面積基準の緩和をおこなうことはできません。しかし、町田市の「新・保育サービス3カ年計画(2012~2014年度)」には、「待機児童解消までの期間限定で、面積基準を緩和することも検討します」と明記されています。そして、市議会での私の質問「面積基準を緩和していくことが現実的な方法の1つ」と答弁をしています。

 これに対して、町田市法人立保育園協会の中からも「面積基準の緩和はやめてほしい」と声が上がっています。

◆都児福審・専門部会で引き下げ案の了承

 11月21日に開かれた東京都児童福祉審議会の専門部会第1回会議で、認可保育所の0~1歳児は年度途中に定員を超えて入所させることを認め、子ども一人あたりの面積を国基準の3・3㎡から2・5㎡に引き下げる案を了承しました(対象となる自治体は、厚労省が緩和を認めた東京都内の15区9市)。

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 町田市の石阪市長は、東京都児童福祉審議会に多摩26市市長会の代表として参加をしています。専門部会のなかで、石阪市長は、たびたび地方への権限移譲について触れながら。面積基準の緩和を推進する発言をおこなっています。その一部を紹介します。

 「面積基準緩和のほうも市町村のほうにある一定程度の自由度を与えてくださいという、幾つかの選択肢の1つだというふうに私は受けとめて、それで解消すると思っていませんけれども、自由度を与えていただくほうがありがたいという意味で、緩和の方向というのはある程度あるんじゃないかと考えています」(2010年12月21日・第一回専門部会)

 「今回のもの(面積基準の緩和―引用者注)で言えば、先ほどもちょっと触れました町田市の政策と同じように、面積基準の緩和について議論になっているものについては、私は臨時的な措置という、最初からそういう前提で始まっている議論ですから、例えば10年なら10年という年限を切ったような物の言い方、この部会としてはそんな方向性を出してもらいたい。年限を切ってもらいたいというふうに思っています。…実態的な話で言えば、弾力化ということを毎年やっているわけなので、弾力化の幅が広がるということというのは、市町村にある程度の自由度を与えていただければ、認可に入れていただける弾力的な運用が園の側としてもとりやすいという意味で私としてはほんとうに歓迎すべき自由化だというふうに思っております」(2011年1月27日・第二回専門部会)

 一方で、23区区長会の代表として参加をしている文京区の成澤区長は「反対です」と一貫して発言をしています。そして、26市で面積基準の緩和の対象となっている9市のうち一つも「面積基準を引き下げる」ということは選択していないわけです。

◆認可保育所の増設・最低基準を引き上げることこそ必要

 児童福祉施設最低基準の第3条には、「都道府県知事は、…地方社会福祉審議会の意見を聴き…最低基準を超えて、その施設及び運営を向上させるように勧告することができる」「厚生労働大臣は、最低基準を常に向上させるように努めるものとする」と常に最低基準を向上させていくことが明記されています。

 「OECD保育白書」は「人生の始まりこそ力強く」という言葉を使って、乳幼児期の発達の特別の重要性を強調しています。

 世界から見ても低いと言わざる得ない面積基準。60年前にできたこの基準を引き上げることはあっても、引き下げることはとんでもないと思います。

 子どもの成長と発達を保障するという観点で、どのくらいの面積が必要なのかを検討すべきです。一つの指針となるのは、全国社会福祉協議会がおこなった「機能面に着目した保育所の環境・空間に係る研究事業」で示されている、2歳未満児は4・11平米プラスαだと思います。

 「待機児解消のため」というのであれば、認可保育所の増設を柱に据えることが必要です。そして、公的保育をなくす子ども・子育て新システムは絶対にやるべきではありません。

┏┓池川友一(日本共産党町田市議会議員)
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