米長官 中国はルール順守を
アメリカのケリー国務長官は東京都内で演説し、中国について極めて重要なパートナーだとしながらも、多くの課題を抱えていることを指摘して、国際的なルールに従うよう求めました。
中国、韓国に続いて14日から日本を訪問していたアメリカのケリー国務長官は15日、都内の大学で学生らを前にアジア太平洋政策に関する初めての演説を行いました。
この中で、ケリー長官は、アジア太平洋は世界で最も活発に動いている地域だとしたうえで、「アメリカはこれからも長い期間にわたって積極的にこの地域に関わっていく」と述べて、今後もアジア太平洋地域を重視する政策を続けていく姿勢を強調しました。
そして成長を続ける中国について、極めて重要なパートナーだとする一方で、「中国が大国としての責任を持ち国民の意思を尊重し、ルールを守るならばアメリカや世界は恩恵を受けることになる」と慎重な言い回しをしながらも領有権を巡る周辺国との対立など中国が依然、多くの課題を抱えていることを指摘しました。
また、アメリカ国内で懸念が高まっている中国からのサイバー攻撃について、「経済への最も深刻な脅威はこの地域を発信源としている」と述べて、名指しこそ避けたものの、中国に対してサイバー攻撃への適切な対応を強く求める姿勢を示しました。
ケリー長官は、15日の演説で、アメリカが中国を重視し、関係を深めていく基本的な方針を打ち出しつつも、国際的なルールから外れている点については厳しく対処し徐々に改善を求めていく考えを明確にしました。