沖縄県知事 翁長雄志 様
2015年2月27日
下地島空港を軍事利用しないことを求める要請書
このたび沖縄県民の「誇りある豊かさ」を掲げて知事に就任され、県行政の舵を取られますことに、私たち宮古島市民も心から敬意を表します。
この間、沖縄県民の総意であります「建白書」を無視、民意を一顧だにしない日本政府によって、辺野古新基地建設が県民を押し伏せて強行されている現状に私たちは怒りを抑えることができません。
また日米両政府は「日本を取り巻く情勢の変化」や「集団的自衛権行使」の名目で、宮古島をはじめ南西諸島への新たな自衛隊配備を早急に進めようとしています。すでに与那国島においては、住民の多くの反対にもかかわらず自衛隊基地建設工事が始まっています。
このような動きの中で、民間機の訓練空港に限定し開港されたはずの下地島空港が、民間機(JAL・ANA)訓練の撤退にともなって新たな“利活用策”が模索される中、県は広く公募を呼びかけいたしました。今後、いくつかの応募案を検討し、選定作業に着手されることと存じます。応募案の中には、民間空港である下地島空港に自衛隊導入の道を拓く危険性が想定される「総合防災拠点」案や、軍用機排除が明記されていない「小型ジェット機開発・製造」などがあり、不安が残ります。
人口減や雇用不安などの理由で、自衛隊誘致が唯一の経済発展につながるかのような「神話」が横行するのは、「離島振興」が遅々として進んでいないことが背景にあります。神話であることは基地県・沖縄が何よりも熟知していることであり、「基地こそが経済発展の阻害要因」との知事の信念を離島部においても貫いていただきたいと考えています。
かつての悲惨さを極めた沖縄戦で県民は「軍隊は住民を守らない」ことを学びました。軍事基地がある所が攻撃されることは周知のことです。ひとたび、下地島空港が自衛隊利用に道を拓けば、今や軍事利用に境界線はなく、オスプレイを使用した日米行動訓練、離島奪還訓練を名目にした日米合同演習からも明らかなように、米軍が共同使用することになるでしょう。辺野古基地問題と下地島空港軍事利用問題はつながっています。
躍進するアジア経済の中で、下地島空港開港の本来の趣旨に沿い、沖縄本島と連動するような宮古圏域の明るい未来を拓く道を、住民の声に耳を傾けながら策定していただきたいと切望します。私達はそのような危機感と新県政への希望をもって、知事に以下の点を要請いたします。
記
1 下地島空港の利活用策においては、屋良覚書を厳守し自衛隊を含むあらゆる軍事
利用を排して、平和利用をあくまで貫いていただきますよう要請します。
2 宮古圏域への自衛隊部隊及び施設の誘致や増強・配備を認めないよう要請します。
以上
宮古平和運動連絡協議会
共同代表 川平俊男 清水早子 砂川洋子
平和運動センター宮古島
議 長 小禄雅夫