「チンプイ」の原作は全部で58話ありますが、その中で下記の4話だけは、アニメ化されませんでした。(全て完全版第4巻に収録)
第51話「ヒミツのバードウォッチング」
第56話「魅惑のマール料理」
第57話「エリさまは幸運の女神!?」
第58話「遠い思い出」
第56~58話がアニメ化されなかった理由は、単に時間的な問題だと思います。要するに初出誌発売時期から考えて、シナリオを起こすのが間に合わなかった・・・もしくは既にオリジナルエピソードのシナリオが上がっていたと・・・
「チンプイ」のアニメは、1991年 4月 18日に最終回が放送されていますが、第58話が掲載された「UTOPIA 最後の世界大戦」が発売されたのは、その約2ヶ月前なので、ラスト3本程度は物理的にアニメ化が難しかったと思われます。ただ「チンプイ」は湾岸戦争関連の報道特番のため、残念なことに当初の予定より1話減らされていますので(アニメージュ1991年6月号の記事より。藤子アニメだいすき!さんのサイトのこちらの記事参照)、第56話あたりまで、シナリオ程度は起こされていた可能性もあるかもしれません。
しかしながら、第51話がアニメ化されなかったのは、おそらく別の理由だと考えられます。その後の第55話「エリさまの絵が130億円!」まではアニメ化されていますから(アニメは #55 Aパート「名画獲得作戦」1991年 4月 11日放送)、時間的な問題とは考えにくいです。
ということで、今回は「チンプイ」未アニメ化作品について、簡単にご紹介します。
第51話「ヒミツのバードウォッチング」
この作品は、はっきり言ってそのままアニメ化は不可能だったでしょう(^^);
なぜなら、まず他の作品のFキャラが多数ゲスト出演してるからです。それも、ドビンソン、バードマン、ウメ星のみなさんという、もはや何と言っていいやらわからないセレクト(笑)。それに、作中で唐突に「ドレーク博士の宇宙文明方程式」まで登場。F先生すみません・・・このお話だけは、ちょっとどういう読者層に向けて描かれたのか、わかんない内容になっちゃってます(^^); ちょいとマニアックすぎるというか(笑)
といっても、そういう脇道はともかく(笑)、ストーリーやオチは、ちゃんとチンプイしてますので、番組が続けば、大幅にアレンジしてのアニメ化はあり得たかもしれません。まず方程式はアニメ的にカット(笑)。おそらくFキャラ登場シーンもなかったでしょう。「ウメ星デンカ」の前回アニメ化は白黒時代だったし(リメイク映画化は「チンプイ」終了の数年後)、ドビンソンなんて、よほどの藤子ファンしか知ってるわけがない(笑)。でもバードマンだけでも登場して、さらにその声を安原義人さんが演じていたら・・・藤子ファンの間では伝説になっていたことでしょう(^^);
第56話「魅惑のマール料理」
この作品は、時間的にも内容的にも、普通にアニメ化されていても全く不思議はないお話です。湾岸戦争で潰れた1話は、もしかするとこのお話だったんじゃないでしょうか。
マール星にはニンジンスキー氏というシェフがいますが、彼はアニメオリジナルキャラ。この作品に登場するブースカ氏は「料理はオーケストラであります」と言い切って、見事なマール料理をたくさん作ってくれます。「タロモンモコッコドンブラ」「カレキハナワンワ」「カメツレラレリューグ」なんて、あまりにも想像力をかき立てられる素晴らしいネーミングの数々(^^); 嶋中行雄氏は、中央公論社の副社長だった当時「チンプイ」について、「言葉のギャグに関しては『ドラえもん』以上のものがあると思いますね」と語っておられます(NEO UTOPIA 第15号のインタビューより)。まさに面目躍如であります。
この作品は、F先生が亡くなった後に発売された「婦人公論」に再録されています。
また、この作品は個人的な思い出が・・・高校生の頃、何故かこの作品をシナリオ化して、シンエイ動画に送ろうなどという、無謀かつ意味のわからんことを思いついて、ワープロで実際にシナリオを書いたんですよ(^^); その時点で既にアニメは終了してましたし、シナリオを見てもらいたいなら、普通はオリジナルエピソードを書きそうなものなのに、なんで原作をリライトするような作業をやったのか・・・当時の自分の行動が全く理解できません(笑)。実際にシンエイ動画に送ったかどうかは、全く記憶にないのですが・・・送ってなかったことを祈ります(^^);
第57話「エリさまは幸運の女神!?」
F先生はツチノコがお好きなようで、「ドラえもん」の世界では、ジャイアンがツチノコの発見者ということになってるのは有名な話です(^^); ツチノコは、東北地方では「バチヘビ」とか呼ぶらしく、矢口高雄先生が、ツチノコをテーマにした作品を描いていましたね・・・たしか。ツチノコって、21世紀になっても、きちんと見つかったという話は聞きませんね(^^); ヤマカガシの見間違いだとか、そういう話だけはたまに耳にしますが・・・結局いまでもUMAの一種の扱いなんですね。
さて、このお話では、エリが絶滅寸前だったツチノコの最後の1匹を、偶然捕まえてしまうというお話です。宇宙クラゲの一種「ノタリヒネモス」(また素晴らしいネーミング)なども絶滅寸前で、こういう稀少動物を保護するため、エリのマール財産が使われるという、晩年のF先生に多いエコロジー路線の1本となっています。
この作品のアニメ化は、おそらく時間的に少し難しかったのでしょう。初出が1月発売号ですからね。今ならノタリヒネモスによるトリップ描写まで問題にされちゃったりするのかな?(^^);
とりあえず「まねきエリさま」は、商品化しなきゃいけませんよ!(笑)>おもちゃメーカー様
第58話「遠い思い出」
事実上、原作「チンプイ」の最終回となってしまったのがこの作品。月あかりの下、ダンボールに入れられていた幼き日のエリ(2歳)が長い夜道を泣きながら歩くという、あまりにも意味深なシーンからスタートします。
エリママは、エリが小さい頃に「そんな悪い子はダンボールの箱に入れて捨てちゃいます。あんたはもともと橋の下から拾ってきた子だから」なんて、とんでもないことを言ってエリを叱っていたらしく、その記憶と結びついてエリのトラウマになってしまっていたようです。
もちろん、あんなにそっくりなエリとエリママが、実の親子でないわけがなく、ちょっとした経緯があったのですが、それは実際に原作をお読みください。(絶版状態で気軽に読めないのが難ですが・・・たぶん1~2年のうちに復刊されますよ・・・根拠のない希望的観測)
さて、ダンボールはマール星で「エリさま記念館」を作るために収集されていたわけですが、そこの館長というのが、チンプイよりさらにネズミ風のキャラクター。顔には勉三さん風ぐるぐるメガネ(笑)。名前はミキマス・・・ネズミでミキマス・・・ミキマス・・・某D社が何か言い出す前にやめておこう(笑)。
この作品は、エリの幼い頃からのおてんばぶりと、なんだかんだ言ってもしっかり愛情で繋がってるエリとエリママの絆がわかる、余韻の深い内容となっています。ある意味では最終回っぽくもあります。それだけに駆け足のようになってしまったオチが少し残念(^^);
未アニメ化作品のご紹介は以上です。
ところで完全版の4巻を読み返していて気がついたのですが・・・ちょっとサブタイトルにイマイチなものが多いですね(^^); 第58話も「遠い思い出」より、「エリさま思い出記念館」みたいな感じの方がゴロが良かった気がします。
第4巻の第49話以降は、F先生が亡くなった後に発売された「完全版チンプイ」第4巻で初めて単行本に収録され、サブタイトルもそのときに付けられたものです。つまり、F先生がチェックしたものではない可能性が高いのです。(生前にサブタイトルを考えておられたのなら話は別ですが)
むしろアニメ化された際に付けられたサブタイトルの方が、しっくり来るものが多いという印象です。参考までに単行本とアニメ化されたもののサブタイトルを並べてみました。なんとなく、アニメのサブタイトルと同じにするのを、意識して避けたような雰囲気もあります。そのまま使えば良いのに(^^);
第51話「ヒミツのバードウォッチング」
第56話「魅惑のマール料理」
第57話「エリさまは幸運の女神!?」
第58話「遠い思い出」
第56~58話がアニメ化されなかった理由は、単に時間的な問題だと思います。要するに初出誌発売時期から考えて、シナリオを起こすのが間に合わなかった・・・もしくは既にオリジナルエピソードのシナリオが上がっていたと・・・
「チンプイ」のアニメは、1991年 4月 18日に最終回が放送されていますが、第58話が掲載された「UTOPIA 最後の世界大戦」が発売されたのは、その約2ヶ月前なので、ラスト3本程度は物理的にアニメ化が難しかったと思われます。ただ「チンプイ」は湾岸戦争関連の報道特番のため、残念なことに当初の予定より1話減らされていますので(アニメージュ1991年6月号の記事より。藤子アニメだいすき!さんのサイトのこちらの記事参照)、第56話あたりまで、シナリオ程度は起こされていた可能性もあるかもしれません。
しかしながら、第51話がアニメ化されなかったのは、おそらく別の理由だと考えられます。その後の第55話「エリさまの絵が130億円!」まではアニメ化されていますから(アニメは #55 Aパート「名画獲得作戦」1991年 4月 11日放送)、時間的な問題とは考えにくいです。
ということで、今回は「チンプイ」未アニメ化作品について、簡単にご紹介します。
第51話「ヒミツのバードウォッチング」
この作品は、はっきり言ってそのままアニメ化は不可能だったでしょう(^^);
なぜなら、まず他の作品のFキャラが多数ゲスト出演してるからです。それも、ドビンソン、バードマン、ウメ星のみなさんという、もはや何と言っていいやらわからないセレクト(笑)。それに、作中で唐突に「ドレーク博士の宇宙文明方程式」まで登場。F先生すみません・・・このお話だけは、ちょっとどういう読者層に向けて描かれたのか、わかんない内容になっちゃってます(^^); ちょいとマニアックすぎるというか(笑)
といっても、そういう脇道はともかく(笑)、ストーリーやオチは、ちゃんとチンプイしてますので、番組が続けば、大幅にアレンジしてのアニメ化はあり得たかもしれません。まず方程式はアニメ的にカット(笑)。おそらくFキャラ登場シーンもなかったでしょう。「ウメ星デンカ」の前回アニメ化は白黒時代だったし(リメイク映画化は「チンプイ」終了の数年後)、ドビンソンなんて、よほどの藤子ファンしか知ってるわけがない(笑)。でもバードマンだけでも登場して、さらにその声を安原義人さんが演じていたら・・・藤子ファンの間では伝説になっていたことでしょう(^^);
第56話「魅惑のマール料理」
この作品は、時間的にも内容的にも、普通にアニメ化されていても全く不思議はないお話です。湾岸戦争で潰れた1話は、もしかするとこのお話だったんじゃないでしょうか。
マール星にはニンジンスキー氏というシェフがいますが、彼はアニメオリジナルキャラ。この作品に登場するブースカ氏は「料理はオーケストラであります」と言い切って、見事なマール料理をたくさん作ってくれます。「タロモンモコッコドンブラ」「カレキハナワンワ」「カメツレラレリューグ」なんて、あまりにも想像力をかき立てられる素晴らしいネーミングの数々(^^); 嶋中行雄氏は、中央公論社の副社長だった当時「チンプイ」について、「言葉のギャグに関しては『ドラえもん』以上のものがあると思いますね」と語っておられます(NEO UTOPIA 第15号のインタビューより)。まさに面目躍如であります。
この作品は、F先生が亡くなった後に発売された「婦人公論」に再録されています。
また、この作品は個人的な思い出が・・・高校生の頃、何故かこの作品をシナリオ化して、シンエイ動画に送ろうなどという、無謀かつ意味のわからんことを思いついて、ワープロで実際にシナリオを書いたんですよ(^^); その時点で既にアニメは終了してましたし、シナリオを見てもらいたいなら、普通はオリジナルエピソードを書きそうなものなのに、なんで原作をリライトするような作業をやったのか・・・当時の自分の行動が全く理解できません(笑)。実際にシンエイ動画に送ったかどうかは、全く記憶にないのですが・・・送ってなかったことを祈ります(^^);
第57話「エリさまは幸運の女神!?」
F先生はツチノコがお好きなようで、「ドラえもん」の世界では、ジャイアンがツチノコの発見者ということになってるのは有名な話です(^^); ツチノコは、東北地方では「バチヘビ」とか呼ぶらしく、矢口高雄先生が、ツチノコをテーマにした作品を描いていましたね・・・たしか。ツチノコって、21世紀になっても、きちんと見つかったという話は聞きませんね(^^); ヤマカガシの見間違いだとか、そういう話だけはたまに耳にしますが・・・結局いまでもUMAの一種の扱いなんですね。
さて、このお話では、エリが絶滅寸前だったツチノコの最後の1匹を、偶然捕まえてしまうというお話です。宇宙クラゲの一種「ノタリヒネモス」(また素晴らしいネーミング)なども絶滅寸前で、こういう稀少動物を保護するため、エリのマール財産が使われるという、晩年のF先生に多いエコロジー路線の1本となっています。
この作品のアニメ化は、おそらく時間的に少し難しかったのでしょう。初出が1月発売号ですからね。今ならノタリヒネモスによるトリップ描写まで問題にされちゃったりするのかな?(^^);
とりあえず「まねきエリさま」は、商品化しなきゃいけませんよ!(笑)>おもちゃメーカー様
第58話「遠い思い出」
事実上、原作「チンプイ」の最終回となってしまったのがこの作品。月あかりの下、ダンボールに入れられていた幼き日のエリ(2歳)が長い夜道を泣きながら歩くという、あまりにも意味深なシーンからスタートします。
エリママは、エリが小さい頃に「そんな悪い子はダンボールの箱に入れて捨てちゃいます。あんたはもともと橋の下から拾ってきた子だから」なんて、とんでもないことを言ってエリを叱っていたらしく、その記憶と結びついてエリのトラウマになってしまっていたようです。
もちろん、あんなにそっくりなエリとエリママが、実の親子でないわけがなく、ちょっとした経緯があったのですが、それは実際に原作をお読みください。(絶版状態で気軽に読めないのが難ですが・・・たぶん1~2年のうちに復刊されますよ・・・根拠のない希望的観測)
さて、ダンボールはマール星で「エリさま記念館」を作るために収集されていたわけですが、そこの館長というのが、チンプイよりさらにネズミ風のキャラクター。顔には勉三さん風ぐるぐるメガネ(笑)。名前はミキマス・・・ネズミでミキマス・・・ミキマス・・・某D社が何か言い出す前にやめておこう(笑)。
この作品は、エリの幼い頃からのおてんばぶりと、なんだかんだ言ってもしっかり愛情で繋がってるエリとエリママの絆がわかる、余韻の深い内容となっています。ある意味では最終回っぽくもあります。それだけに駆け足のようになってしまったオチが少し残念(^^);
未アニメ化作品のご紹介は以上です。
ところで完全版の4巻を読み返していて気がついたのですが・・・ちょっとサブタイトルにイマイチなものが多いですね(^^); 第58話も「遠い思い出」より、「エリさま思い出記念館」みたいな感じの方がゴロが良かった気がします。
第4巻の第49話以降は、F先生が亡くなった後に発売された「完全版チンプイ」第4巻で初めて単行本に収録され、サブタイトルもそのときに付けられたものです。つまり、F先生がチェックしたものではない可能性が高いのです。(生前にサブタイトルを考えておられたのなら話は別ですが)
むしろアニメ化された際に付けられたサブタイトルの方が、しっくり来るものが多いという印象です。参考までに単行本とアニメ化されたもののサブタイトルを並べてみました。なんとなく、アニメのサブタイトルと同じにするのを、意識して避けたような雰囲気もあります。そのまま使えば良いのに(^^);
原作 | アニメ | |||
第49話 | おし売りおことわり!! | #47b | 別荘星はいかが! | |
第50話 | 苦しい断食祭 | #49a | 科法断食祭 | |
第52話 | エリさま記憶そう失!? | #40b | お姉さんがやってきた | |
第53話 | ボク、バブバブ・・・ | #53b | バブバブの唄が聴こえる | |
第54話 | 貧しくも誇り高く | #55b | マール星財産の使い道 | |
第55話 | エリさまの絵が130億円! | #55a | 名画獲得作戦 |
また、この“聴こえる”が自動変換で出てこないのもニクいところです(笑)。
バブバブが、笑うように、囁くように歌うところが良かったです。やっぱり曲は田中公平さんが作ったのかな?
遭難したおじさんがバブバブと出会うシーンも、何かシーンとした雰囲気で、そこはかとなく緊張感が漂っていて良かったです。
うちのも「聴こえる」は変換できませんねー(^^); 今回のリストは以前作ったリストからのコピペだったので気付きませんでした(笑)