チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

ミグロ・オリジナル

2004年10月09日 01時28分51秒 | Weblog
CD-R を買いに、街の大きなミグロ(ミグロ・シティ)に行きました。

最上階にある電機コーナー「M-Electronics」に行ってびっくり。ミグロ・オリジナルのCD-R を売っていたのです(写真)。ミグロのオリジナル製品は「M-Budget」と名づけられ、緑色のパッケージ、表面に小さい白い字で MIGROS MIGROS MIGROS と書かれています。

この M-Budget、実にいろいろな製品があります。食料品のコーナーに行けば、お菓子やコーヒー豆、ミネラルウォーターにチョコレート、たいていの物にこのミグロ・オリジナルが存在すると言っても言いすぎでないように思えるくらいです。食料品だけでなく、歯磨きチューブやティッシュペーパー、トイレットペーパーだってオリジナル。しかも、(調べたわけではないけど)いずれも他社製品より安い。自然と M-Budget 製品が家に増えてきます。それにしても、CD-R まであるとは……。

ミグロの商売が手広いことは有名で、単なるスーパーの範疇をはるかに越えています。セルフサービスレストランは、大学の学食より安いし(もっともこれは、法外に値段が高い学食の方に問題があるわけですが)、旅行代理店に銀行、カルチャーセンターや語学学校、そして保険もどうやらやっているらしい。1925年に5台のトラック行商から始まったこの会社、途中で生活協同組合に改組して、来年で創業80周年になるその歴史を、アルフレート・A・ヘスラー『ミグロの冒険』(岩波書店、1996年、2233円+税)が描いています。まだ途中までしか読んでいませんが、創業者ゴットリープ・ドゥットワイラーのまさに「冒険」には結構引き込まれるものがあります。その分、スイスの「伝統的」小売業者やその連合組織が悪役に描かれているわけですが。

ミグロのスーパーには、他社製品と並べてオリジナルブランドが置かれています。どう見ても、M-Budget の方が安いので、ついついそちらに手が伸びます。それでも他社製品を買う人もいるのでしょう。ブランドイメージってやつでしょうか。

スイスには、カルピスを炭酸飲料で割ったような Rivella(リヴェラ)という飲み物があり、レストランなどで結構飲んでいる人を見かけます。笑えるのは、これにもミグロ・オリジナルがあるのですが、その名前が Mivella(ミヴェラ)なのです。こんな露骨なパクリが許されるのか、リヴェラは怒らないのかと思うのですが、ミグロはこの手のパクリが得意なようで、上に挙げた『ミグロの冒険』にも同じような例が出てきます。ミヴェラを買って飲んでみましたが、味に違いはないようでした。

わが故郷にある「コープこうべ」は、世界最大の生協組織だそうですが、どうも商売の上手さではミグロに及ばないような気がします。コープこうべにも旅行代理店や引越し屋があるみたいですけれど、それを知っている人がどのくらいいるのでしょうか。

ミグロの会員になった我が家には、毎週毎週100頁を越える分厚い新聞『ミグロ・マガジン』が送られてきます。そこには安売り情報がいっぱいですが、ライフスタイルについての読み物なども多く、とても読み切れません。

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