これはだめだ!

自信喪失、無気力な日本に”喝!”、反日、侮日に反撃、一矢を報いる。

衆議院選挙の争点 TPP交渉参加、米国の企業は日本に何を求めているか(下)

2012-11-17 | 政治・経済

米国政府が募集したTPP 協定に関する日本との協議に関する意見の概要(主要団体の意見)
 
平成24 年2 月、主要団体や企業から米国政府によせられた意見は、1月13日の締切りまでに113件、その後2月6日付で2件追加され、合計115件であった。115件の意見の内訳は、肯定的なもの99件(86.1%)、否定的なもの8件(6.9%)、態度不明が8件(6.9%)であった。

 提出された意見の大部分は、日本のTPP交渉参加に肯定的である。その理由は、日本は米国にとって主要な貿易相手国であって米国の輸出に大きな機会をオたらす、日米関係の強化に資するなどである。ただし日本が交渉に参加するための条件として、現在の交渉のスケジュールを妨げることがあってはならない、合意済み事項についてはリオープンしてはならない等である。日本の交渉参加に肯定的な意見であっても、日本が一層の市場アクセス改善を求める意見が付されているものが多い。要は、日本は米国の示すルールに従って“開国”せよということである。
 以下、代表的な意見を掲載する。なお本意見は米国政府の立場ではない。
 各提出意見の原文については、下記の米国政府官報告示ホームページを参照。
http://www.regulations.gov/#!docketDetail;rpp=100;so=DESC;sb=postedDate;po=0;D=USTR-2011-0018) 

その1 日本のTPP参加表明に肯定的な意見(続き) 

18 National Milk Producers 全国生乳生産者協議会 
   
Federation、U.S. Dairy Export Cuncil
米国乳製品輸出連盟 
・日本を追加することはTPP 交渉の商業上の意義を劇的に増大させ、米国の乳製品その他幅広い農産品に新たな市場アクセスの機会をもたらす。 

 ・日本がTPP 交渉に参加する場合には、現在の乳製品の輸入制度よりも大幅に簡潔な制度の下での拡大された日本市場アクセスの確立が高い優先事項。 
・米国は、TPP 交渉を日本と進める一方で、食品添加物指定制度及び輸入証明に係る非関税障壁について、取り組むべき。ただし、いくつかの非関税障壁の存在をTPP に日本を追加するという絶好の機会を逃す理由としてはならないことが留意されるべき。 
・全てのTPP 参加国に関連する事項として、USTR は、検疫措置及び地理的表示(GI)に関し適切な規律の実現に向けて交渉すべき。

19 National Pork Producers Council 全米豚肉生産者協会 
・輸出額ベースで米国にとって最大の豚肉輸出相手国である日本を交渉に追加参加させることは、TPP の意義を強化し、TPP を一層網羅的なものとする。 

・TPP が高い水準の包括的協定であるべきことを認識し、これを受け入れる必要がある。 
・日本において豚肉に係る差額関税制度により、日本市場で価格競争力があるはずの低・中価格の豚肉に高い関税が課されている。 

20 Pharma
 米国研究製薬工業協会 
・日本経済の規模を踏まえれば、TPPの対象となる経済が大きく拡大する。

・生物製剤に関する規制、知的財産権保護、透明性等の分野における日本の水準の高さは、TPP交渉における米国の目標の達成にとって有益。
 ・日本がTPP協定の交渉国となる場合には、薬価算定ルールの改革、償還に関する事項、医薬品規制改革や予防的医療やワクチン等、現在日米経済調和対話(EHI)において議論されている課題が引き続き二国間の議論及び協議の対象とされるべきである。 

21 Retail Industry Leaders Association 小売産業リーダー協会 
・日本、カナダ、メキシコのTPP への参加は、経済的に意味のある市場アクセス機会をもたらし得るだけの参加国と対象範囲を有する高水準で21 世紀型の貿易協定を達成する、との目標の達成に資する。 

・日本、カナダ、メキシコは、全ての分野の貿易・投資を促進する高い水準の協定という目標を支持し、これにコミットする用意ができていなければならない。 
・新規参加国は、交渉妥結に向けたモメンタムを損なわない方法で参加すべき。 
・日本との新たな貿易協定は、食料品に対する高い関税、小売業者間の価格差を生む非効率的かつ談合的な流通ネットワークの改善等、日本における小売事業展開を妨げる貿易上・競争上の障壁に取り組む機会ともなる。 

22 U.S. Chamber of Commerce 全米商工会議所 
・日本、メキシコ、カナダを含む重要なエコノミーの関心表明を受け、TPP は、アジア太平洋地域における貿易の新たな基準を樹立する潜在力を有している。 

・農業、サービス等、主要な分野の開放から、米国の消費者、労働者、農家及びあらゆる企業は大きな利益を享受する。
・日本を追加することにより、アジア太平洋地域の地域経済統合のための一義的手段としてのTPPは更に強化される。
・日本は、投資保護、知的財産権保護の執行の強化等、TPP の枠内における共通政策目標を推進する上で米国の重要な同盟国たり得る。 
新たな国の参加がモメンタムを遅らせないことが不可欠。 
・新たなTPP 交渉参加国は、既に交渉に参加している国が合意しているものと同様の水準の野心と基準にコミットする用意を示すべき。
・新たな交渉参加国の政府に対し、TPP が定める高い水準を満たすことを可能にするために必要な改革を進める政治的意志の存在を示すよう要請する。 
・現在及び将来の交渉参加国は、全ての財・サービス及び貿易・投資に関する国内障壁を議論のテーブルに載せるという前提の下で交渉すべき。 
・関税に関し、米国は、特定の産品の除外を自らが求めたり、それを他国に許すべきではない。また、非関税障壁に関し、日本は、以下のような取り組みを積極的に進めるべき。
  工業・サービス分野全般において規制を改革し、及び規制の透明性を向上させること。  
  技術規格・工業標準・製品安全基準を国際的な標準及び良き慣行に一致させること。  
  農業及び食品安全に関し、科学的根拠に基づく国際的に認められた基準及び良き慣行に従うこと。  
・投資に関し、日本は、TPP 協定において、透明性及び説明責任に係る原則に完全にコミットすべき。特に、公正かつ公平なM&A 関連ルールを採用すべき。
・競争政策に関し、談合問題への取り組み等、日本におけるビジネス環境改善のために更なる取組がなされるべき。また、競争政策の執行手続における透明性及び適正手続に関する公正取引委員会のアプローチも、TPP 協定が目指す高い水準を満たすべき。
かんぽ生命及びゆうちょ銀行という商業市場における日本政府の巨大な利害を管理するべく改革を遂行しなければならない。かんぽ生命及びゆうちょ銀行を改革する政治的な意志は、21 世紀水準の協定にコミットする日本政府の能力を試す試金石となる。
規制の一貫性に関し、日本は、法令制定過程における透明性の水準を高め、公式・非公式の諮問過程において外国の利害関係者に有意義なアクセスを与え、また、公示及び意見募集の手続を改善すべき。さらに、規制及び標準における国際的な良き慣行を一層遵守すべき。 
・貿易円滑化のための単一規制当局の指定等によるチョークポイントの撤廃にコミットすべき。 
知的財産権に関し、以下を通じて保護を一層強化すべき。 
   コンテンツの保護強化(違法ダウンロードの刑罰化、著作権保護期間の延長、技術的保護手段の包括的な法的保護) 
   知的財産権保護の執行の強化(著作権・商標権の侵害に対する法定損害賠償の導入等) 
政府調達に関し、外国企業のアクセスを改善するため、複数年契約等を導入し、また、可能な場合において随意契約を撤廃することを期待する。 
・金融サービスに関し、かんぽ生命及び共済が享受している不公正な競争上の優位を除去し、全ての競合者が同一のルールで競争する市場において米国企業が公正に競争できることを確保することが重要。対等な競争条件の確保のための措置が取られるまでは、かんぽ生命及び共済は新規商品等の提供を許可されるべきでない。
・急送便サービスに関し、EMS に対する規制上の有利な待遇を終了させ、透明性を向上させ、通関時の待遇、検疫手続及び貨物事前情報の提供について対等な条件を与えるべき。
医療機器に関するデバイス・ラグを解消するための更なる取組が必要。 
日本がTPP に参加するためには、農業に関する貿易制限的な政策に対して取り組まなければならない。日本はセンシティブ品目の除外に関する特別な扱いを期待することはできないし、受けるべきでもない。
 また、TPP 協定の下では、全てのTPP 参加国は、正しい科学並びに国際的な基準及び慣行に基づく衛生植物検疫規制の採用を要求されることを理解しなければならない。  

23 U.S. Grains Council 米国穀物協会 
・日本は米国にとって4番目に大きな農産物の輸出先国。 

・とうもろこし輸出について、粗飼料への障壁はないが、表示規制等により混合飼料市場への参入は困難。その他、工業原料とうもろこしの関税割当、大麦のSBS 輸入等についての改革を期待。 
・日本のTPP 参加に当たっては、全ての品目を完全に自由化すべきであり、例外は認められない。 

24 USA Rice Federation 米国コメ連合会 
・全てのコメ関連タリフライン(の自由化)を含んだTPP 協定は、米国のコメ生産者、製粉業者及び商社にとって商業的に重要な市場アクセスの機会となる。 

 ・全てのタリフラインを含むという意味での包括性があることを前提として、日本のTPP への追加により、TPP は同協会にとって商業的に魅力的なものとなる。TPP 交渉においていずれかのタリフラインを除外することは、米国にとっての利益を弱め、TPP の性格に疑問を付し、将来の参加国に「除外が可能」とのシグナルを送ることとなる。 
・米国産のコメは日本の一般市場で入手可能でないため、日本の消費者に対してアクセスできず、日本において市場の開発もできない。
・残留農薬に関し、リスクに比べて高くつく検査コストは米国供給者に萎縮効果をもたらしている。科学的根拠に基づく検査方法は日本の食品安全基準を維持しつつ、不必要な検査を減少させる。 
  また、遺伝子組換え米の混入検査に関し長粒種における偶発的な混入事案を受けて、混入事案がなく、米国内で実施している検査でも発見されたことがない中短粒種に対して、検査要件が維持されているが、科学的根拠がないように思われる。 

25 U.S. Wheat Associates 米国小麦協会 
   
National Association of Wheat Growers 全国小麦生産者連合 
・日本は米国産小麦の主要な輸出先。 

・TPP という高水準な貿易協定への参加を約束する前に、日本は厳しい改革への取組を決意しなければならない。 

26 Walmart ウォルマート 
・日本をTPP に追加することは、日本における同社の事業を妨げる貿易上・競争上の障壁について取り組む好機。

・日、カナダ、メキシコをTPP に追加することは、同社にとって極めて重要な経済連合を作り出す。
・全ての新規参加国は、全ての産品に及ぶ幅広い自由化を伴った、包括的かつ高い水準のTPP に合意するべき。 
・新規参加国は交渉妥結に向けたモメンタムを損なわない方法で参加するべき。  
・ただし、米国政府は、TPP参加を希望する日本がその意欲を損なうほどに慎重な対応を取るべきではない。 
・コメ、乳製品、魚、柑橘類、肉類等の食品に対する高関税は、同社の店舗における食料品店頭価格を著しく引き上げている。 
・非効率的かつ談合的な流通ネットワークが小売業者間の価格差をもたらしている。 
・米国産リンゴに対する厳格な検疫手続が店頭における保存期間を縮め、輸出を著しく阻害している等、絶えざる非関税障壁が米国の対日輸出を妨げている。  

27 Western Growers 西部生産者協会 
・日本の参加は輸出拡大の大きな可能性となる。 

USTRに以下の不公正な貿易障壁に取り組むことを要求する。
・柑橘の関税が負担(季節に応じ10~32%)。 
・日本に輸出されるレタスの25%が検査でくん蒸対象になっているが、多くは日本既発生の病害虫の検出を理由としたもの。 
・1業者から基準を超える残留農薬が検出されると、当該業者が100%検査となるだけでなく、品目全体のサンプル率が上がり、不公正な費用が発生。 
・農作物を保護する化学物質の暫定基準について、日本は米国と協働し、早期に残留基準値を設定すべき。  

28 Wine Institute ワイン・インスティテュート 
 
日本はワインに対して15%の高関税を課しているため、日本とのTPP 交渉は、同業界にとって、日本とFTA を締結しているチリ産ワインや、多額の補助金を受けているEU 産のワインに対する価格競争を維持するために死活的に重要。

 ・米国産ワインに対する関税の撤廃。 
・米国のワインブランドに対する知的財産権の保護。 
・規制及び規制の変更に係る透明性の改善。 
・複雑かつ高コストな税関手続の改善。 

29 World Wide Fund for Nature 世界自然保護基金 
・日本市場の重要性や、政治・経済力を考えれば、日本の参加はTPPの範囲を拡大する可能性。 

・TPP ではTPP 参加国における環境維持と野生生物保護の強化のための強い原則と規則を定めることが重要であり、新規参加国はこれらの義務を満たす用意がなければならない。 
・TPP交渉で漁業補助金、マグロやフカヒレなどの漁業資源の乱獲、違法伐採等に対して取組むべき。  

その2 日本のTPP参加表明に否定的な意見の概要 

1.
American Automotive Policy Council (AAPC) 全米自動車政策評議会 
・日本の自動車市場は先進国の中で最も閉鎖的であり、その改善は容易でないため、日本の交渉参加は交渉の遅延につながる。

・日本の参加は、米国の製造業と雇用を犠牲にして、日本の輸出依存体制を温存させることになる。
・日本との間のFTA は、日米自動車貿易の一方的な関係を固定化するのみ。
・TPP 交渉妥結前に日本が交渉参加すれば、TPP 協定が高い水準のものとなることが著しく遅延する。
・日本にのみ利益をもたらすFTAは、米国の主要輸出産業たる自動車産業の足かせとなり、追加投資を妨げ、雇用創出も妨げる。
・日本は、TPP 交渉参加の前に、自動車市場を輸入車に開放する複数年に亘る約束を示すべき。
・21 世紀のFTA たるTPP 協定には、為替操作の取り扱いに関する基準を設けるべき。
・日本の自動車の技術基準及び認証手続は(国際標準と)完全には調和しておらず、日本に輸出される自動車に対して大幅な開発・製造コストがかかる。
・日本の自動車関連規制及び規制の策定過程は閉ざされており、公開された時には既に制度が固まっているため、変更提案は難しく、ほとんど受け入れられない。この完全な透明性及び提案容認の欠如によって輸入自動車メーカーの間で予測不可能であるという感覚が広まっている。 
・日本において国内生産者のみが利益を受けている軽自動車規格に対する特別な待遇は廃止すべき。 

2 AFL-CIO 全米労働総同盟・産業別組合会議 
・交渉中のTPP 協定は未知の点が多いため、労働者に与える影響等について見解を示すことは困難。 

・自動車関税の撤廃は対日自動車貿易赤字を拡大させ、日本メーカーが米国内で生産するインセンティブを減少させる。不適切な形で日本がTPP 協定交渉に参加する場合には、米国経済及び労働者への利益がなく、日本に一方的に利益を与えることにもなり得る。 
・仮に適切な交渉がなされれば、TPP 協定が貿易均衡を改善し、対日輸出の増加によって(米国内に)雇用を創出する可能性があるが、その実現性は大変疑わしい。NAFTA 等のFTA による雇用創出効果の見積もりも不正確だった。 
・(自動車分野を例に挙げて、)日本の非関税障壁(為替操作、排他的な「系列」の取り決め等を例示)への対処が必要(具体的指摘はなし)。 
・日本は貿易協定による利益を確保する前に、自動車分野における持続的な市場改革を行うべき。 
・日本のTPP への加盟に係る意志決定には、下記の諸点に関する影響について回答が必要。  
    グローバル・サプライ・チェーン 
    国有企業を国内的に規律することに向けた各国の取組  
    為替介入に対する対応    
    国内の雇用及び賃金水準  

3 International Union, United Automotive, Aerospace & Agricultural Implement Workers of America (UAW) 全米自動車労働組合 
・米国の労働者に真の利益を与え、国内生産を増加させ得る協定を作り出し、交渉する能力を米国交渉担当者が示さない限り、日本、メキシコ、カナダその他各国への参加国の拡大は時期尚早であり、懸念。   

・米国交渉者は、TPP によって既存の対日貿易赤字を悪化させたり、投資を促進させたり、失業を助長したり、賃金格差を拡大したりすることのないようにするべき。
・日本との経済関係の規模に鑑み、二国間の貿易問題はTPP の枠外で取り組まれることが望ましい。
・日本の不公正な為替操作や、根深い非関税障壁により、深刻な二国間自動車貿易の赤字が引き起こされている。 
・日本には自動車市場の開放に関する持続的かつ複数年にわたる実績の確立を要求すべき。

4 Generic Pharmaceutical Association ジェネリック医薬品連合 
・日本の交渉参加はTPP 協定交渉妥結を遅延させ、または妨げる。 

・日本の医薬品市場は米に次ぐ世界2番目の規模だが、日本のジェネリック医薬品市場は未発達で、潜在性が高い。かかる機会を有効活用するためには、TPP 協定は適切な手段ではない。 
・米国とこの重要な市場との間の特別な関係に対処するためには、日本との間の貿易交渉はTPPと切り離して行うべき。  
・後発医薬品企業は、市場参入に際し、承認申請の審査の深刻な遅れなど、数多くの障壁に直面。 
・米国が推進する交渉においては、ジェネリック医薬品の参入に更なる障壁となる高い水準の知的財産権保護の追求よりも、技術革新の促進とジェネリック医薬品への消費者の速やかなアクセスとのバランスを図るべき。  

5 Maine Citizen Trade Policy Commission メイン州市民通商政策委員会 
・日本のように大きな経済規模を有する国がTPP協定に参加することは、TPP 協定の元々の目的からの乖離及び州の主権と既存の貿易関係に対する脅威であり、また、州が意味ある形で意見を出す機会もなく、規制や調達政策にかかる州の主権を減じることになる。 

・TPP 協定の下での紛争処理手続では、州による規制の弁護をUSTR が行うため、州の主権に壊滅的な打撃が与えられかねない。 目で見える物品の貿易を超えて非貿易的な規制及び慣行を対象とする最近のFTA は、州固有の権限の侵害である。 



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