英国の生活 ~ヨーク~

北部イングランドの町、ヨークから。

Scarborough ~アン・ブロンテの墓~

2006-09-29 | ヨーク、ヨークシャー


久しぶりに朝から良いお天気。
今日は、家から車で1時間の場所
スカーボロー城(Scarborough Castle)へ行ってきました。
2,500年以上もの歴史がある海に面したお城。
もちろん、見応えがあり、芝生の広がる気持ちの良い敷地でしたが、
このお城の入り口付近の案内標識
“Ann Bronte Grave”(アン・ブロンテの墓)
が気になって仕方がありませんでした。

そんなこともあり、お城は早々に出て、お城の入り口を下り
セント・メアリー教会(St.Mary's Church)の小さな墓地へ。

アン・ブロンテ(Ann Bronte 1820-1849)は、ブロンテ姉妹の一人(末娘)。
二人の姉(シャーロットとエミリー)の作品は読んだけれど、
アンの作品は読んだことがない、という人が多いのかもしれません。
私も読んだことは、ない。

代表作は『アグネス・グレイ』(“Agnes Grey”)。

あまり親しみを感じられない存在でしたが、
今日、彼女の眠る地を訪ねたら、「『アグネス・グレイ』読もうかな」
という気持ちになりました。
海辺の保養地として知られている、スカーボロー。
私は、ここの空気が気に入ってしまったのです。
この海辺にいると、
自己の内へ内へと意識が向いていくような静けさの中に
開放感、そして、希望をも感じられます。
イングランド南部のカラリとした明るさとは異なる海辺の空気。

29年という短い生涯を遂げたアン。
彼女もここで、私と同じような気持ちを抱いたのでしょうか。

行列の “Bettys”

2006-09-27 | カフェ、レストランなど


いつもいつも行列ができているティールーム“Bettys”
今日も、お店の外まで行列ができていました。
レストランやカフェで列を成しているのを英国では
見たことがないような気がします。

このお店、スイス人が1919年にハロゲイト(Harrogate)で
創業したのが始まりだそうです。

ヨークには、他にもティールームは数多くあるのに…。
雨の日も皆、傘をさして順番を待っているほどです。
行列ができることには、何か理由があるはず。
時間帯は関係なく、常に混んでいるので、
パンを買うために中に入ったことしかありません。

気になるティールームです。

“Jane Eyre”

2006-09-25 | 映画、本など


昨日から始まったBBCドラマJane Eyre
でも、このドラマを知ったのは今日。
「あぁ…見逃してしまった。見たかったのに。」
と思ったら、来週再放送があるようです。

私が“英国好き”になったのは、学生の時。
『ジェイン・エア』に出合ったのもそのころでした。
あぁ、懐かしい。
しかし、
英文学のことは、すっかり記憶の彼方へ。
せっかく英国にいるのに…そんな時に出会ったのが
ケンブリッジで英文学を研究されているMさん。
彼女のお陰で、あの頃の自分と
脳の片隅に追いやられていた記憶が蘇ってきたのです。

そして、今、私がいるのはヨーク。
原作者のシャーロット・ブロンテ(Charlotte Bronte:1816-1855) が
過ごしたヨークシャー西部の町ハワース(Haworth)は、
ここから遠い距離ではありません。
そこにはブロンテ博物館があり、
ブロンテ姉妹が使っていた家具が展示されていたり、
彼女たちの面影を感じられたりするはず。

多くの縁を感じる今日この頃です。


★川本静子『ガヴァネス ヴィクトリア朝の<余った女>たち』中公新書

York Food & Drink Festival

2006-09-24 | ヨーク、ヨークシャー


9月22日~10月1日まで
“Food & Drink Festival”が開催されているヨーク。
シティセンターには、
食べ物や飲み物を販売するテントが所狭しと並び、
近くの教会では、
食にまつわるワークショップに参加している親子で賑わっていたり。
また、いくつかのレストランでは、
この期間だけの特別メニューが設けられ、
手頃な価格で美味しい(?)食事も堪能できる。

今日は、ヨーク産のバターとジャム、
手作りケーキを購入して家路につきました。

それにしても…
観光客が多い町ではあるけれど、
こちらの人は、本当によく食べる。
食べ歩きをしている人が非常に多い。

今日のようなフェスティバル中は、テントで売られている
ターキーのサンドウィッチだったり、パエリアだったりと
食事らしいものを頬張っているけれど、
普段は、老若男女問わず
チョコバーやアイスクリーム、チップス等々
歩きながら食べている。そして、なんとなく
その食べ方が様になっていたりして。
でも、これを食べることを常にしていたら、
太りますよ。カクジツニ。

13日のブログに書いたテレビのダイエット番組
“You are what you eat”
だけでなく、
先日は、学校給食改善に奮闘する
料理人ジェイミー・オリヴァーの番組も放送されていました。

英国人の食に対する意識が気になるところです。

久しぶりの京都

2006-09-22 | その他


昨日、ランチに入ったお店でのこと。
オーダーを済ませた後、店員さんに
“Where are you from?”(出身は?)
と聞かれました。

観光客の多いヨーク。
時々尋ねられることだな…
と思っていたのですが、
私たちが日本人ということが分かると、
名古屋に半年間の滞在経験があること、
京都へ観光に行ったこと等を話してくれました。

さらには、
金閣寺を見たときには、泣いてしまった、とも。

え?泣いたの?

京都は、美しい 
とか
また行きたい
とか
そういった類の感想は、外国人旅行者から聞き慣れているけれど…。

私が、しばらく何の反応も返せずにいたら
「あまりにも(金閣寺が)美しくて、泣いてしまった」
と、その時の感動を思い返しながら言葉を繋いでくれました。

桜、若葉、深緑、紅葉、雪景色…
春夏秋冬、それぞれの自然美が背景を彩る金閣寺。

どの季節に行ったのかと聞き忘れてしまったために
久しぶりの京都の四季の景色が脳裏にうかび、
その地で過ごした日々を思い浸ることができました。
今ごろは、少し涼しい風が吹くころでしょうか。

そんなことを昨日から思い描いていたら、
今朝、ポストには、京都の友人からのお手紙が届いていました。

今、自分が住む場所を忘れてしまった束の間の朝の時間。
何かが繋がっている。

ダイエット 【Ⅱ】

2006-09-15 | 

13日のつづきを…


「チップスが食べたい」
と泣きつかれても、動じないダイエットトレーナ。
しかし、厳しいお言葉で叱りつつも、
オーブンで作るノンオイルの野菜チップスのレシピを紹介して、一件落着。
ダイエット挑戦者も、このチップスが気に入ったようです。

また、この番組中にトレーナーが繰り返し伝えていたのは
「自分の食事は、自分で作ること」。
要は、料理に使うオイルや砂糖の量をきちんと知りましょう、ということ。

この徹底的な厳しくも健康的なダイエット、
結果としては、成功だったようです。
挑戦者がダイエット前に着ていたジャージのような洋服は、
大きすぎて着られなくなり、華やかな明るい笑顔。
生まれ変わったかのような
達成感溢れる満面の笑み、生き生きとした表情が印象的でした。


この番組、来週もあるようです。(8:30pm ~ Channel4)
次なる挑戦者は、チョコを毎日食べ続けて太ってしまった女性。

今週はポテト、
次週はチョコレート。

ポテトを常食にしている人、チョコフリークな人…
身近なところにもいそうです。
町でよく見かけます。
歩きながらポテトチップをランチ代わりにしている人、
甘いあま~いチョコバーを歩きながら食べている人を。


写真は、チョコペーストのように見えますが、
英国の健康食品、野菜からのイースト、ナイアシン、
ビタミンB等が豊富に含まれているマーマイト(Marmite)。

ダイエット 【Ⅰ】

2006-09-13 | 


“クイズミリオネア”や“あいのり”など
英国にも、日本と同じようなテレビ番組があります。
今日は、ダイエットの番組“You are what you eat”を
ついつい見てしまいました。

今回ダイエットに挑戦していたのは、
食事もおやつもチップス(ポテトチップやフライドポテト)や
ハンバーガーなどのファーストフードを食べ続けたために
太ってしまった女性。

この番組は、徹底したダイエットプログラム。
ダイエットトレーナー(GILLIAN MCKEITH:Holistic nutritionist)は、
無理なく健康的な食生活に戻られるような
料理やエクササイズを指導したり、
ダイエット中の悩みを聞いたり…。
さらには、自分の排泄物のチェックまでさせていました。
マスクに手袋という完全装備のトレーナも一緒に。


といっても、メインは“食”です。
普通の食事、つまりチップスやファーストフードだけはない食事に切り替える
のですが…
これが辛いようで
ダイエットに挑戦している女性は、途中、
「チップスが食べたいの。チップスが恋しいの。チップスが…。」
とトレーナーに電話で泣きついておりました。


つづく

Dev Aura 2005

2006-09-12 | Aura-Soma


オーラ・ソーマ(英国発祥のカラーセラピー)の授業風景。
昨年8月に参加したコース中に撮ったもの。
Dev Aura(オーラ・ソーマの教育兼宿泊施設)にて。

普段は、屋内での授業ですが、
この日は、室内にいるのがもったいないほどの良いお天気でした。
それぞれ椅子を外へ運び、木陰で授業再開。

気持ちよかったなぁぁぁ~。

のんびり馬車

2006-09-11 | ヨーク、ヨークシャー


写真は、家路を急ぐ…いえ、のんびりと車道を走る馬車。

日中のシティセンターでは、
観光客を乗せた“ガイド馬車”をよく見かけます。
ゆっくり走行するため、車は一時停車し、
馬車が過ぎ去るのを待つのです。
こういう時、通過を待つドライバーは、
決してクラクションを鳴らして急かすことはありません。
“常連さん”として認識されているのかもしれませんが、
そういう場面に遭遇すると
「急いでも仕方がない」とのんびりした気持ちになります。

英国人には
「ラバータイム(rubber time)」
があるそうで…。

これは、ゴムバンドのように、ながぁ~ぁ~く延びる時間のこと。

約束の時間になっても、なかなか来なかったり、
そろそろ帰るわ、と言っても帰る気配がなかったり、
忙しいから5分だけ、というところが30分になったり…。

そういう日頃の習慣が
“急かさずのんびり待つ”ことに繋がるのでしょうか、ね。

Fountains Abbey&Studley Royal

2006-09-10 | ヨーク、ヨークシャー


家から車で1時間も走って辿り着くのが Fountains Abbey&Studley Royal
(ファウンティンズ修道院遺跡とスタッドリー王立公園)。

ここは、世界遺産。
そして、ナショナル・トラスト(The National Trust)のひとつでもあります。
ナショナル・トラストとは、
自然や歴史的建造物を保護するために設立された英国の組織。

家から車でヨークの町を抜け、一面緑の田園風景を眺めながら片道1時間。
Fountains Abbey に近づいてくるにつれ道は狭まり、木々が生い茂り
まるで森の中を走っているようでした。

Fountains Abbeyが最終目的地でしたが、
そこまでの風景は、見とれてしまうほどの美しさ。
馬や羊が草を食んでいたり、
放牧されていた牛が狭い車道を移動し、牛舎に戻る光景に出くわしたり…。
その一体の景色やその地域の住人の生活、すべてが昔と変わらずに残され、
保たれているようでした。

この豊かさには、心が満たされます。