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2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。
 藤田幸右 管理人

県土整備部と住民(1)大船渡湾の防潮堤

2012年11月22日 | どうなる復興計画


県土整備部のあくまでも防潮堤に強迫観念的にこだわる仕事ぶりが下の短い記事の中に見えてくる。防潮堤については多くの漁師からは海を死なすという意見が出ており、一般市民からは海が見えなくなる、もっと別な発想で津波防災を考えたいという意見が出ている。防潮堤防潮堤とあまりにも硬直した官僚主義の姿が見えてくる。



大船渡湾7.5メートルに変更 津波水位見直しで

 県は26日、これまで7・2メートルとしていた大船渡市の大船渡湾の防潮堤の高さについて、湾口防波堤や防潮堤の位置など湾内の海岸保全施設の計画が進み、設計津波の水位を見直した結果、最大7・5メートルに変更する方針を示した。今後、地元自治体や住民と協議し、正式な堤防高を決める。
 防潮堤は同湾の海岸線に沿って整備予定だったが、同市赤崎町の永浜・山口地区の災害廃棄物2次選別所の場所は、埋め立てた後に海側に整備。これによって、盛川河口部の津波の水位が6・2メートルから6・5メートルと高くなり、防潮堤の高さを7・5メートルと30センチ上げた。
 また、同市赤崎町の太平洋セメント大船渡工場では、港湾利用に支障が出るため、防潮堤を同工場より陸側に位置を下げる。  (2012/10/27 web岩手日報)


この記事からはそして、7.2m→7.5m、6.2m→6.5mとわずかばかりの数字にまどわされて右往左往する県土整備部の姿、わずか30センチの水位の変動にこだわるやまご官僚の思考回路は失笑ものである。現実の津波の上限波高30cmは明らかな(公認の)誤差の範囲、どっちかといえば5m~6m~7m~8mのコア波高を問題にするべきなのである。地盤沈下、平均満潮、平均干潮、低気圧高潮、季節の大潮など、30センチを大きく上回る海洋気象はなんぼでもある。その度に取り上げたり取り下げたり変更したりする防潮堤とはなんなのか? 30センチ変更はどこかの大手土建会社がはじき出す根拠薄弱シミュレーションに操られている役所仕事にしか見えない。

さらに大船渡湾の防潮堤の効果、権威は記事の最後の2行によって吹き飛んだと思うのは私だけであろうか?そうでなくてさえ「防潮堤の役目は人の命を100%守るものではなく、資産の目減りを減らすという事である」と言い切った復興計画アドバイザーの大学教授もいたくらいなのにその大資産である民営のセメント工場では防潮堤の効果を見限った。岩手県の県土整備部はその事を了としたとある。

廃棄物選別所の次第もあやしい。




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