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2011.6.1~、大津波、宮古市、鍬ヶ崎、蛸の浜、浄土ヶ浜、復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。

宮古議会へ陳情 9/7

2017年09月10日 | 鍬ヶ崎の防潮堤を考える会

宮古市議会議長  前川 昌登 様

 平成29年9月7日

 

 防潮堤・閉伊川水門を調査・検証する特別機関を設置する陳情

 

提出者「 鍬ヶ崎の防潮堤を考える会 」

 

 (趣旨)

 

宮古市内の防潮堤及び閉伊川水門の完成までの工事、完成後の維持管理体制ならびにその費用について、恒久的に(少なくともある程度の見通しが見えるまで)調査・検証する特別委員会を宮古市議会内に設置する必要がある。少なくともその予備的機関を早急に設置する事。

 

(理由)

 理由は以下の2点である。

 

 一、維持管理費の元になる施設整備費が1,000億円を越えて巨大であること。

 防潮堤:16海岸16施設 676.6億円(2015年度会計検査院調べ)、閉伊川水門:295億円(2017.5.26宮古土木センター発表)。台風10号などその後の状況でゆうに整備費用1,000億円は越えている。防潮堤・閉伊川水門が完成してからの維持管理について、特にその費用について国並びに県は当該自治体への受益者負担の傾斜を強めている。防潮堤ならびに閉伊川水門の工事費用については全て国費においてまかなわれ問題はないとしても、1,000億円からの巨大整備費用の完成後のランニングコストについては例えば港湾整備、道路整備等の通常の維持管理費用を桁違いに大きく越えていく。全体が見えないだけでなく地元自治体負担についてはどうなるのか地元住民の心配は大きい。仮に計算上平均的に毎年1%の管理費がかかるとして10億円、宮古の24,000世帯には1世帯当り毎年4万円強、5%だと50億円、20万円強の負担になる。国、県、市の財政状況の中でその負担割合など、宮古市議会としても維持管理費についての骨太の見通しを立てなければならない。議会内にそのための調査検証委員会、少なくとも予備的機関を早急に設置するよう陳情する次第である。

 

二、防潮堤、閉伊川水門施設の工事プロセスとその完成施設の調査と検証。

 (1)一般的な維持管理責任において調査・検証作業が必要である。

 このことについては岩手県の所管だからといういう理由で、閉伊川水門の市民参加議論時点(2011年末)を除いて宮古市も宮古市議会もほとんど関心を向けてこなかった。いまこのように防潮堤、閉伊川水門の巨大施設が宮古市沿岸の景観や都市構造をかえ、変化が現実のものになり、なおその維持管理(費用)が問題になってきて無関心を装うわけにはいかなくなってきた。維持管理責任といえば自然劣化の発生程度で済むと思っているかも知れないが巨大施設であれば経年瑕疵も巨大である、と同時に予期しない問題が付随発生する。コミュニティの意思疎通、産業障害、犯罪、衛生問題等である。行政当局だけでは手に負えない事案である。

宮城・気仙沼市議会では議会内に「東日本大震災調査特別委員会」が常設されており防潮堤工事の進捗状態が行政(県、市)からその都度報告されるほか「委員会」では巾広く復興に関連する事案を取り扱っている。気仙沼市とはいわないまでも被災自治体としてはそのような機関のない方がおかしい。

 (2)特に防潮堤と水門の人為的不完全工事について(完成後の維持管理費用等の関連で)積極的に調査・検証しなければならない。

 岩手県は地元宮古市民との合意形成を図ろうとしていないように思われる。防潮堤、水門の工事の進捗状態の住民への説明機会についても必要量の1%も努力していない。地元に全く知らせていないといえる。将来の維持管理費用に大きく影響する以下のような項目については当該地元の方で積極的に調査・検証するべきである。われわれ「鍬ヶ崎の防潮堤を考える会」が調査した限りであるが相当に杜撰、劣悪な工事が行なわれている。経年劣化や自然寿命問題とは異なる下記のような人為的、制度的な不完全工事についてはまさに宮古市と宮古議会が宮古市民に対して責任と義務を負うべきテーマである。

 ●不完全工事による工事完成後の劣化・崩壊(の発生予測)の調査・検証

・手抜き工事、設計ミス、事前調査不備、等による修繕、手戻り工事(の発生予測)

・受発注システム、工法の問題性に起因した大小の構造的破綻(の発生予測)

──以下はいくつかの懸念事例──

 ・完工時期の未達成が予測される: 閉伊川水門、防潮堤とも何度も工期延長を行ってきた。鍬ヶ崎防潮堤についていえば2017年度が期限である。2016年度の台風10号の影響などで閉伊川水門の2020年度の工期も疑わしい。

 ・閉伊川水門のシミュレーション: 無条件で工事が進んでいるがいまだにネガティブシミュレーション(決壊した場合の浸水等)が示されていない。

 ・藤原地区磯鶏地区防潮堤の脆弱さ: 防潮壁の厚さが64cmに過ぎないほか、基礎から上物までの連結が弱い。地区にとっては魔の防潮堤となる。

 ・鍬ヶ崎地区防潮堤の曲り角部分には芯鋼管が入っていない: 津波の横圧が強まる港町などの防潮壁に鋼管が入っていない。

 ・鍬ヶ崎地区防潮堤の鋼管杭の検証: 最初の上町地区120メートルは基礎鋼管杭80本が支持地盤層に届いておらず打ち直しになった。ほか鍬ヶ崎地区で1000本を越える基礎鋼管杭の検証は行なわれていない。

 ・陸こうの自動閉鎖システムの住民合意: システムの説明、閉鎖タイミング、ランニングコスト負担、等について住民合意が進んでいない。

 ・施設による生態系破壊: 宮古湾の藻場(もば)・回遊魚への影響、養殖事業への影響、伏流水への影響など

 ・工法: 岩手県は工期短縮などのために防潮堤、水門の工法に「標準断面方式」を採用しているがそれが裏目に出ている。「通常の工事であれば詳細な現地調査を行った上で入札を行う。だが、被災地では着工を早める概略設計で入札する標準断面方式を採用し、契約後の変更が多い。資材や労賃の高騰も重なり、大幅増額になるケースもある」(岩手日報 2016.3.22)。

 ・設計思想: 防潮堤、水門にかかる津波の圧力計算を貯水ダム、河川堤防と同様に水深だけに関係する水圧力「静水圧」で計算している。

  これらの瑕疵発生懸念は経費規模としては大きい。ものによっては振り出しに戻りほとんどやり直しのプロセスを辿る。われわれの指摘を含め、委員会として大きな網を張って検討することで将来の維持管理費の把握のほか、その負担の問題、政治的処理の問題、まっとうな施設の維持管理の基礎資料にしなければならないと考える。

 

  ☆

最後に: 防潮堤、閉伊川水門の国民に対する立地上の巨大債務地として、その維持管理の責任を全うする義務がある。宮古市は市民を津波等災害から守る立場で、その義務と責任を明確にするべきである。──市議会に問いかける。市議会はそのための調査・検証機関を発議するべきである、と。

以上














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