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2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。
 藤田幸右 管理人

不安定な防潮堤(宮古市磯鶏)3

2017年04月06日 | 磯鶏、藤原

陸こうの外枠

 

撮影 K.古舘 2017.4.2)

 

陸こうの役割

岩手県は有事の時、県下沿岸防潮堤の陸こう・水門を気象庁の J-アラートと同時に一斉に自動閉鎖するとしている。津波の侵入を防ぐためだ。同時に、防潮堤の外部(海側)にいる漁業者、作業員、観光客、地元民を全員陸側に誘導、避難させる命の通路としなければならない。従来はその役割を消防団員がにない、先きの大震災では県下で48名の団員がその犠牲になっている。

 

開閉のタイミング

閉鎖の信号はその上辺に設置したパラボラアンテナで人工衛星からの電波をキャッチする。この気象庁→盛岡県庁(サブで釜石の県振興局)および盛岡県庁(サブで釜石の県振興局)→各地陸こう・水門220の閉鎖指示の細部の運用や、そのタイミングのソフトウェアはまだ発表されていない。地元住民にも説明されていない。220カ所が一斉閉鎖、ウソでしょうとしかいえない。

岩手県の陸こう・水門数 520カ所(うち自動閉鎖 220カ所)
宮古市の陸こう・水門数  60カ所(うち自動閉鎖 40カ所) 


ソフト・ハードの説明がない

具体的に陸こう、水門の門扉の形状がどうなのか、どのように開閉が始動し、どのように安全に人間を陸側に誘導するのかのソフト、ハードの説明も全くなされていない。人工衛星の電波状況、電動モーターとその電源、建設後のこのソフト・ハードのメンテナンスの主体、そして経費について情報ゼロの状態が長くつづいている。きめ細かく地元自治体、地元住民に説明する余裕さえない状態。


工事や業者優先が裏目

この磯鶏地区防潮堤の陸こうの工事もそれらソフト・ハードの設計が揃わないうちは進まないが、待ちきれないで、とりあえず外枠だけはつくっておこうという思想。一貫した県・宮古土木センター、本庁県土整備部のノウハウである。業者の部分完工認証、業者への支払い優先の伝統である。とりあえず、とりあえずで、宮古地区防潮堤、閉伊川水門はかえってトラブルが多く、工事が滞り、工期延期と予算の膨張が止まらない。 


陸こう、水門は産業道路

日常的には地元住民、観光客が往来するこの磯鶏地区の陸こうの導線などよく分からないが、ヨットやプレジャーボートなどの係留もあり、学生、社会人も常時出入りする。漁業者はもちろん、陸こうの向こうに見える材木、丸太の工場や貯木場、その作業のクルマなども頻繁に通る産業道路でもある。陸こうの大きさ高さの枠組みにも疑問がある。


全面的見直しが必要

今見る陸こうの外枠組みは死んだままの陸こうである。陸こうだけでなく防潮堤全体が欠陥だらけ、説明なしのまま住民から遊離している。なにより、その存在意義、その設計思想が地区住民と共有されていないという致命的欠陥はエンドレスにつづく。警告しておかなければならない事は、早々に、全面的な振り出し回帰をしなければ傷口は広がる一方であるということ。

 

大船渡での陸こうの開閉実験があったはず

全県一斉の試験はいつになるのか? 住民合意もなく、工事自体がこのような状態では、相手側だけでなくこちら側もそのような試運転試験の可能性は見えてこない。そのような中、どこからか 4月1日に大船渡市の防潮堤陸こうで、電波試験、開閉試験、が行なわれるという情報が入っていた。今のところ、その結果を伝える情報は聞こえてきていない。試運転試験は失敗したのか? 東芝の事情かなにかで、そもそも試験が実施されなかったのか?

 

 

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「 不安定な防潮堤」4につづく

 

 

 

 

 

 

 

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