野田順康 

つぶやき

アジアにおける参加型居住開発プロセスに関する一考察

2010-09-27 14:01:03 | Weblog
アジアにおける参加型居住開発プロセスに関する一考察
―国連ハビタットの活動を事例研究として―

Process of Participatory Human Settlements Development in Asia
- Focusing on Case Study of UN-Habitat’s Activities -

野田 順康*
Toshiyasu NODA


1.はじめに
2008年時点において、アジアの都市には世界の都市人口の半分にあたる16億人が生活している。さらに2030年までに、世界の都市人口は50億人まで増加し、その内の27億人がアジアに定住するものと予測されており、この22年間にアジアの都市人口は約11億人増加することになる。結果として、大量の住民がスラム地区注1)に居住する事となり、住居の確保や居住環境の改善に対するニーズが急増するものと想定される。現在、国際機関や各ドナー国が実施している開発援助等でこのような状況に対応していくにも限界があり、住民自らが積極的に居住環境改善事業に取り組んでいく参加型居住開発が不可欠になるものと考えられる。
本稿は、今後の居住環境改善事業における参加型居住開発の有効性の検証を目的とする。第一に参加型開発の主流化の経緯を整理するとともに、参考にすべき先行研究について考察する。第二に特に居住政策における参加型開発の主流化について整理する。最後に、国連人間居住計画(国連ハビタット)注2)がアジア地域で実施している参加型居住開発をレビューし、その有効性について検証する。
2.参加型開発の経緯と先行的研究
2.1 参加型開発の経緯
参加型開発は、具体的な開発事業からの教訓や世界的な民主化の潮流を踏まえて、住民意識の反映と住民自体の開発事業への参加が注目を集めるようになり、その主流化が進んでいったものである。近年では、参加型アプローチがプロジェクト実施の効率性を向上させるとの認識が定着しており、プロジェクトの実施だけでなくモニタリングや評価も参加型で行うべきだとする方向に向かいつつある。1)
1950年代から1960年代における開発理論は、経済成長の達成が国全体の発展に貢献するという考え方に基づいていた。いわゆる近代化のアプローチであり、住民の価値観やローカリティは開発を阻害するものとして扱われ、トップダウン式に近代化へ導くことが重要視されていた。
しかしながら、1970年代には財の再配分の適正化や社会的公平性の重要性が認識され、より住民に近いところでの開発効果が重要視されるようになった。従って、開発事業の評価は住民の生活改善に寄与しているか否かに注目が注がれるようになり、結果として、開発事業の計画や実施に住民を動員する必要があるという考え方が生まれてきた。これが住民参加型開発の端緒と言える。
1980年代には、「持続可能な開発」という概念の発生に対応した貧困対策、社会的公平性やガバナンスの追求といった観点からの政策立案によって、さらに住民参加が奨励されるようになった。特に、持続可能な開発のためには、受益者自身が開発事業に積極的かつ主体的に参加すべきとの認識が高まり、「参加型開発」の事業が様々に実施されるようになっていった。また、住民の視点の導入を意図した簡易社会調査(RRA: Rapid Rural Appraisal)や参加型社会調査(PRA: Participatory Rural Appraisal)などの調査手法も普及するようになった。1980年代後半から1990年代にかけては「住民とともに学ぶ」というエンパワメント・プロセス(PLA: Participatory learning and Action)も注目されるようになってきた。
1990年代には、このような参加型開発の概念が国際機関の中でほぼ主流化したと考えられる。経済協力開発機構開発援助委員会(OECD, DAC)は1989年12月に「生産過程へのすべての人々の広範な参加を奨励し、利益をより公平に分配することが、開発戦略と開発援助の中心的要素となるべき(1990年代の開発協力にかかる政策声明)」と報告し、参加型開発を1990年代の最重要課題とした。2)また「21世紀に向けて:開発協力を通じた貢献:DAC新開発戦略(1996年5月)」においても参加型の持続可能な開発プロセスを重要視している。3)
このような報告を踏まえ、今日に至るまで、様々な国際機関や援助機関において参加型開発の試みがなされているが、未だに概念や定義について統一された方向性は見出されていない。また開発事業の実践においては、まだ徐々に導入されているといった状況にある。

2.2 先行的研究
参加型開発の重要性については、様々な研究論文が発表されているが、従来型アプローチ(トップダウン式)の問題点の整理に努めた第一の研究者としてはチェンバース(Chambers)をあげることが適切であろう。
チェンバースは従来型アプローチの結果、両極化、「埋もれた過ち」、専門家と住民のリアリティのギャップ、リアリティの移転といった問題点が発生するとしている。両極化とは、従来型アプローチでは開発効果の配分に不平等が生じ、「富や権力を持った上層」と「貧しく無知な下層」の二極化が発生すると言うものである。「埋もれた過ち」は、トップダウン式では援助の専門家が間違いに気づけず、過ちが繰り返されることと指摘している。また、専門家と住民のリアリティのギャップとは、住民の複雑かつ多様な生活に基づいたリアリティを専門家が事業計画の中で単純化してしまうために生ずるギャップを意味している。さらに、リアリティの移転とは、トップダウン方式である限り、専門家のリアリティを押し付けることになり、画一的な事業展開を免れないこととしている。
チェンバースは、このような問題点を指摘した上で、住民のリアリティを学ぶところから始めることが重要とした。専門家のみに理解できる統計や計画よりも、住民が理解できる言葉と視覚的手法を用いて「住民のリアリティ」を表現してもらい、住民によって問題点を捉え、解決方法を見つけ、事業を実行または中止していく事業手法となる。これが参加型開発の基本的な考え方になっている。注3)
しかしながら、上述したとおり、参加型開発の定義や概念は援助機関の間では明確になっていない。このことに関しても様々な研究がなされているが、参加型開発の段階性を論述したプレティ(Pretty)の研究は有益と考えられる。
プレティは、事業への住民参加は、エンパワーメント、持続性、オーナーシップ、有効性、効率性を強化させるとした上で、住民参加のレベルを7つの種類、段階に分類している。5)
第一段階は受動的参加 (Passive Participation)である。住民は報告を受けるためだけに事業に参加する。住民の意見等を公聴することなく、事業の実施・管理側が一方的に状況報告するものである。。
第二段階は情報提供のための参加 (Participation in information giving) である。アンケート調査等によって外部専門家の質問に回答するための参加となる。住民がその後の事業実施に関わる機会は無い。
第三段階は協議のための参加 (Participation by consultation) である。事業実施について、住民は外部専門家から協議を受け、自分の意見を提示するために参加する。外部専門家は問題点とその解決策を見出し、住民の意見に基づいてそれを修正していくこととなる。
第四段階は利益動機に基づく参加 (Participation for material incentive) である。住民は食料、現金、その他の物質的利益を得る為に労働などの使役を提供し事業に参加する。多くの農業社会調査はこの分類に属している。動機付けが無くなれば、参加は終了するため持続的な参加にはなり得ない。
第五段階は機能的な参加 (Functional Participation) である。住民はグループを形成して事業目的の形成に参加する。外部専門家等の指導によって、組織的な住民団体を設立することも多いが、事業の初期段階や計画サイクルに関わることは少なく、主要な計画決定がなされた後に設立されて事業の実施に参加していくことになる。
第六段階は相互・双方的参加 (Interactive Participation) である。住民は、行動計画や新しい地域の仕組みの形成、既存の仕組みの強化に係わる共同調査・分析に参加する。このような共同調査・分析グループが具体的な事業実施の意思決定を担い、住民は事業の維持管理に関与していくことになる。
第七段階は主体的・主導的参加 (Self-Mobilization) である。住民は外部専門家から独立し、事業実施のイニシアチブを取るために参加する。このような主体的・主導的参加と集団的行動が既存の富と権力の不平等な配分構造を是正していくこともあり得る。
実際の住民参加の状況は、上述した様々な段階に分布しているものと思料されるが、より高い段階での住民参加が期待されるところである。冒頭でも述べたとおり、今世紀中の人口爆発に起因する諸問題は、量的に莫大な開発需要を発生させるため、既存の援助システム(有償や無償資金協力などの政府開発援助)だけで十分に対処していくことは難しくなるものと想定される。従って、あらゆる側面において主体的・主導的な住民参加による問題解決と事業実施が不可欠となる。

3.居住政策における参加型開発
居住注4)の整備は元来住民自身の手によって行われていたが、近代化に伴って行政システムが整い、政府や技術専門家が居住計画や事業実施を担っていくようになった。6)
1960~1970年代半ばにかけては、スラムの増大に対応すべく、各国政府による低所得者層向けの公共住宅供給が主流となった。しかし、このような公的計画の限界は間もなく明らかとなった。すなわち、各戸の単価が高く生産戸数が少数にとどまった上に、住宅を供給された低所得者層が中所得者層に転売するといった状況が相次いだのである。さらに、公共住宅は居住者自身による改善の余地がなく、貧困者の生活ニーズに見合わないといった側面もあった。7)
1970年代半ばから、居住政策は一変し、Turner が提唱した「セルフ・ヘルプ(住民による住宅自助建設)」を取り入れた施策がとられるようになった。8)その代表的なものが、土地とインフラは政府助成によって提供し、住宅は住民が建設する「サイト・アンド・サービス」である。しかし、多くの事例は、画一的な住宅モデルを指定する政府主導型であり、Turnerの主張した「建てることの自由 (freedom to build)」は実践されなかった。9)また、もう一つの施策である「スラム改善事業」では、自治体と住民の協働でスラムのインフラ改善を行い、住民による住宅の自助改善を促したものの、高騰する土地からの利益を求めて、スラム地主が住民の立ち退きを行うようになっていった。10)
これらの教訓を踏まえて到達したのが国連の「イネーブリング戦略 (Enabling Strategy) 」である。これは、1988年の国連総会で採択された“Global Strategy for Shelter to the Year 2000”の根幹となる政策である。11)「イネーブリング戦略」において政府の役割は、住宅を直接供給するのではなく、低所得層の住民が自ら居住開発できるよう、様々な制度づくりを行うことである。具体的には、官僚的な規制や手続きを緩和し、低所得層に対し「安定した土地保有注5」」の保障、技術や資金など資源へのアクセスを可能にすることである。そのために、住民組織、NGO、フォーマル・インフォーマルな企業セクターの有する資源を動員することとした。
このような戦略は、プレティの分類に従うと、第六段階または第七段階に属する住民の主体性の高い事業方法であり、アジアにおいては、一般にPeople’s Process(=住民による居住開発プロセス)と呼ばれ始めている。

4. 参加型居住開発の支援ツール
参加型居住開発を支援するために、様々なツールが考案、試行されているが、ここでは国連ハビタットが開発、実践している参加型居住開発(People’s Process)の支援アプローチを紹介する。これは、言わば「人々の開発プロセスに外部者がいかに参加するか」といった「住民主体型開発」であり、住民をプロジェクトのプロセスに参加させるのではなく、逆にPeople’s Processを外部者が支援することが基本原則となっている。開発の主体はあくまでも住民であり、外部者や専門家は、People’s Processの支援に徹することが求められる。
People’s Processの支援アプローチは、過去20年間「スラム改善事業」において実践されてきたが、近年、災害や紛争の「復興支援」にも適用されつつある。以下では、まずPeople’s Processの支援アプローチの概念とツールを提示する。次に、「スラム改善」「紛争復興」「災害復興」という異なる取組における適用事例を分析し、その有効性を検証する。これにより、スラム改善のみならず、紛争・災害復興という不安定な状況下において、「住民参加型居住開発」が、いかなる支援によって有効となり得るかを論じる。
4.1 People’s Processの支援アプローチ
国連ハビタットでは、「イネーブリング戦略」を具現化すべく、「コミュニティー」のエンパワーメントを重視しながらPeople’s Processを支援するアプローチを開発してきた。1988年には、ザンビア、スリランカ、ボリビアの3ヵ国において、各国政府と共同で、低所得コミュニティーの住民参加型居住開発プログラムを開発した注6)。
そのうち、スリランカでは、国を挙げての「住宅百万戸計画(1984年~1989年)」が実施されたが、これは「イネーブリング原則適用の最良モデルとして国際的な注目を集めた」事例であった。同計画では、様々な規制緩和注7)のもと、不法居住区を再区画し個人の土地権利を保証する。住民は、住宅建設のために、住宅開発公社からの住宅ローンに応募する手続きや、住宅設計・積算の基本を学び、さらに、コミュニティー・インフラを住民自身が整備する。これらの一連の活動は、コミュニティーに対する体系化されたワークショップを通じて段階的に実施されている。12)こうした「住宅百万戸計画」の実践を通じて開発されたプログラムがPeople’s Processの支援アプローチのツールとなり、国連ハビタットの他国での支援事業に適用されていった。
4.2 支援アプローチの概念
People’s Processの支援アプローチの概念図を、図1に示す。基本概念は、「居住開発の主体はあくまでも住民であり、政府機関やその他関係者は、その開発プロセスのサポートに徹する」ことである。支援アプローチの重要な点は以下に示す2つの考え方である。

図1 People’s Processの「支援アプローチ」概念図



4.2.1 コミュニティーを通じ、住民のエンパワーメントを図る。
居住開発においては、個人単位ではなく「コミュニティー」を支援することがより有効である。それは、低所得居住地には社会的弱者が多く、コミュニティーにおける相互扶助が各世帯の生活改善に不可欠だからである。また、居住改善では個々の住宅のみならず、井戸、排水溝、集会所といったコミュニティー・インフラを整備、維持管理する必要があるため、おのずとコミュニティーの役割が高まる。さらに、貯蓄貸付や職業訓練など、コミュニティーを単位とした活動を続けていく素地を作るためにも、住民組織化を通じたコミュニティーの強化が重要である。
4.2.2 住民による居住開発を政府が支援できるよう、行政能力を強化する。
住民による居住開発を支援するには、住民組織化、技術や資金の支援のほか、安定した土地保有の保障など、行政機関のみが担える役割も多い。さらに、行政手続きの簡素化を通じて、これらの支援制度や体制を整えることも政府の重要な役割である。したがって、中央・地方政府の行政能力の強化は、People’s Processの支援において不可欠である。
本来コミュニティーに社会サービスを提供するのは中央・地方政府の役割である。行政能力を強化し、コミュニティーを持続的に支援する体制を整えることは、事業実施後のサステナビリティーの面でも重要である。
国連ハビタットでは、国連機関という“Intergovernmental Agency”の立場から、各国の中央・地方政府に対し、People’s Processを推進するための行政能力強化を行ってきている。また、政策策定支援を通じて、政府による制度づくりの支援にも力を入れている。
4.3 支援アプローチのツール
上述のアプローチ概念を実践するために、国連ハビタットでは体系的な支援ツールを開発してきた。これらは、先述したように、スリランカ「住宅百万戸計画」で用いられたプログラムを基礎にしている。用いられるツールは、支援事業の特質や状況によって取捨選択されるが、「コミュニティーに対して直接提供された資金が、コミュニティーが自ら策定した活動計画のために使われる」という原則は共通している。以下に、主なツールを示す。
4.3.1 住民組織形成
ひとつのコミュニティー(100~250世帯)の住民を15世帯程度にグループ化し、各グループで選出された代表によりコミュニティー開発協議会(CDC: Community Development Council)を形成する。CDCは、コミュニティーの課題や活動計画を協議する場であり、各メンバーは自身のグループの意見を代表して協議に臨む。各CDCは、役員を選出し、定款を定め、地方政府に行政登録を行う。この手続きにより、CDCは法的に認められた組織となり、銀行口座の開設が可能となる。さらに、行政サービスを受ける組織としての法的根拠が成立するのである。
4.3.2 コミュニティー行動計画策定(CAP:Community Action Planning)
CDCによりコミュニティーの課題を協議し、それを解決するための「行動計画」を策定する。例えば、限られた予算の中、建設するコミュニティー・インフラの優先順位を決定し、コミュニティー自らができることや、行政機関から得られる協力などについて話し合う。ここで重要なことは、「ファシリテーター」の役割である。プロジェクトの実施者がコミュニティーであることを強調し、CDCによる解決策の提案、決定を促す。策定された「行動計画」は、コミュニティーの総会で住民からの同意を得た上で実施される。なお、CAPは単発で行うものではなく、インフラ整備後の維持管理方法の協議や、計画した活動の進捗管理など、様々な場面で用いられる 。
4.3.3 コミュニティー契約 (Community Contracts)
CAPで決定された活動を実施するため、CDCと政府(または国連ハビタット)の間でコミュニティー契約が締結され、契約金はCDCの銀行に直接送金される。このシステムにおいては、外部の工事業者に委託するのではなく、国連ハビタットのプロジェクト・スタッフの技術指導のもと、住民自らが住宅やインフラの建設に従事することになる。これにより、コミュニティー内の雇用機会を創出するほか、住民の技術習得にもつながる 。13)このような利点を鑑み、国連ハビタットでは、コミュニティー契約を国連内の法的な手続きとして位置付けている。
CDCのメンバーは、会計や在庫管理のトレーニングを受け、活動の進捗にあわせて会計報告を行う。契約金は、その会計報告をもとに、分割で銀行口座に支払われる。このようにシステム化された資金管理により、CDCの役員による資金の不正使用は防止されている。住民相互のアカウンタビリティー(説明責任)も、資金の適正な使用に寄与している。さらには、事業の最終的な実施効果についても住民参加型で行われるのである。


5.おわりに 
国連ハビタットの参加型居住開発支援ツールがスリランカの「住宅百万戸計画(1984年~1989年)」を通じて開発されたことは上述したとおりであるが、コミュニティー行動計画やコミュニティー契約が当初からスムーズに進んだわけではなく、プレティの第三段階から第五段階を試行錯誤の中で乗り越えながら進行していったというのが実態である。現在においても、それぞれの国の社会情勢によって事業手法に変化を持たせる必要はある。また、ダム建設などの大規模建設事業の場合にはプレディの第四段階、第五段階で止まらざるを得ない場合もある。しかしながら、国連ハビタットの20年を超える経験を通じて、課題の認識、事業の形成、実施、維持管理といったプロジェクト・サイクルを参加型開発で実施するノウハウは蓄積されたと言える。更に、最近では事業実施中のモニタリング、事業終了後の評価も参加型で実施されるなどプレティの第八段階とも考えられるような開発手法に発展してきている。
第二章「参加型開発の経緯」の中で、国際機関や援助機関において参加型開発の試みがなされているが、未だに概念や定義について統一された方向性は見出されていないことや、開発事業の実践においては、まだ徐々に導入されているといった状況にあることを記述した。国連ハビタットの支援アプローチの概念やツールにしても、まだ共通の評価や認識が定着しているわけではないが、アジア地域においては着実に実践の開発手法として根付き始めており、その理論化と普及啓発によって参加型開発の大きな前進に寄与する可能性がある。
特に、事例研究から明らかなように、プレティの分類からすれば第七段階に類する参加型開発レベルであり、チェンバースが投げかけた多くの疑問、課題にも答え得る事象が多い。さらには、モニタリングや事業評価についても住民参加型で行われ始めている。今後、他機関が実施している参加型開発との比較研究を行い、学術的整理と理論的一般化、適用範囲の明確化と実践での検証の深化を進めることが重要と考えられる。

九州大学大学院人間環境学府紀要第18号より転載

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