レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

いいなあ、人生の青写真

2014-02-24 05:00:00 | 日記
明日の火曜日二十五日に、アイスランド大学の施設の一部であるシネマ館の大きなホールを使って「アイスランド・日本 シンポジウム」なるものが開催される予定です。

シンポジウムとかいうと偉い博士や政治家が登場するイメージがありますが、今回のこのシンポジウムは「未来の博士、政治家」たる学生の皆さんが主体です。スピーカーの中には現役の教師等も交じっているようですが、企画運営の主体は日本の大学院生四人で、彼らはそろって昨春までアイスランド大学への交換留学生でした。

交換留学に来た学生の人が、このような形で何かを還元してくれることは決して当たり前のことではありません。それぞれ日本では東京、大阪、九州と別々の地域に住むにもかかわらず、自主的に企画をし、開催まで持ってきたことはたいしたことだと思いますし、是非良いシンポジウムにして欲しいものだと願っています。

で、週末に再来氷を果たした四人の若者の皆さん(可愛い女の子三人と真面目な男の子ひとり)とお茶をする機会がありました。

皆さんとはもちろん顔見知りだったのですが、全員と深く話しをしたことがあるわけではないので、いろいろと考えを聞かせてもらい楽しい時間となりました。

大学院卒業前後、という彼らの状況の故に、当然就職や仕事関連の話しも多く出ました。「就活、キツイっすよ」という話しを聞くことが多かった昨今なのですが、今回はそういうサミシイ話しばかりではなく相当な夢を宿すものもありました。

四人の中で唯一すでに職を得て働いているのは東京のA子さんです。外国人向けの日本語教育が専門で、インターナショナルスクールで教えています。ただ非常勤から常勤への壁はなかなか厚いものがあるということで、将来的には外国での仕事も視野に入れているとのことです。

A子さんの場合は、ある意味自分のしたい仕事に既についているのですから、そういう意味では次の一歩を踏み出すのは余計難しいことなのかもしれません。

九州の大学で地質学のドクター修了目前のIさんは女性(かつ酒豪)。かたはらで就活も頑張っているようです。私のような素人には地質学も鉱物学も資源調査も同じに思えてしまうのですが、もちろんそんなアバウトなものではなく「自分の専門性」ということを中心に据えてしまうと、仕事の幅が相当に限られてきてしまうのだそうです。

アイスランドでは地熱利用とか、海底油田の探索とかの話題がここのところ多いので、そういう仕事に結びつかないかと考えていたのですが、そうは容易くないようで。

三人目の女性はシンポジウム実行班の中の中心人物だというNさんです。Nさんは首尾よく新聞社に就職を決めています。これから三年間は高校野球の取材を担当し、その後何年かは地方支社で経験を積むのだそうです。これは個人の希望ではなく、そのように新人教育コースがセットされているとのこと。現在野球の猛勉強中だそうです。

地方時代の後はできれば東京とかに戻りたい、というのが普通の夢なのでしょうが、Nさんの場合には、口にこそしませんでしたが、ワシントン支局長くらいが既にロックオンされてるんじゃないかなー、と勝手な想像。

さて最後、四人目は紅一点ならぬ黒一点のY君。Y君は北欧語専攻でこの中では唯一二年間アイスランドに留学していました。「相棒」の鑑識米澤さんの学生時代を想像してください。いや、顔が似ているというよりはそのかもし出すイメージです。

そんな彼がアイスランド語というその存在さえ世界の大多数には知られていない言葉をひたむきに勉強している。というような風評から「あの人オタクよ」というような噂が彼が登場した学期始めには聞かれました。ワタシ、日本語コース手伝っているので、そういうの耳に入ってくるのです。

「そういうのを偏見というのだ!止めたまえ!」というのが牧師の真の姿でしょうが、ワタシの反応は「ああ、そうだろうな」もちろん実際に会って話しをする機会があればものすごく真面目でひたむきな青年であることは一目瞭然、でもないか...まあ、オタクの部分があるかないかはさておいて、勉強熱心な青年であることは良く分かりました。(*^^*)

しかしです。今回のY君は真価を見せてくれました。塾でアルバイトをしているのだそうですが「塾で教えるのは楽しいです。あの、ちょっとやる気をなくしてるかな?という生徒に興味と覇気を持たせるのはたまらないです。教師以外の仕事は考えられない!」

オタクどころか「オーッ! ミッキー!」の頃の水谷豊ではないか。しかもY君、専門の北欧語に関しても近いうちにアイスランド、スウェーデン、ノルウェーをまたにかけたマスターのプロジェクトに着手したいとのこと。こんなに熱血青年だったんだ...

四人とももう大人ですが、それでも人生の青写真はまだそっくりそのまま机の上に大きく開いて置かれています。もちろんこれからの過程でいろいろな軌道修正を余儀なくされることは確かでしょうが、もともとの夢がなければ修正も変更もありません。

それぞれの青写真をしっかりと握りしめたうえで人生のこれからのステージに向かって欲しいものだと思います。ワタシ自身の経験から言わせてもらうと、自分のしたい仕事をできるということは幸せなことですから。いいよなあ、青写真がある人生は! 応援してるよー、オジさんは!


応援します、若い力。Meet Iceland


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is

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