レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

カメハメハーン? アイスランディック・ストーム

2019-12-15 00:00:00 | 日記
「もういーくつ寝ると、お正月ー」と歌い始めてもおかしくない時期まで来てしまいました。もちろん歌いませんが。あと二週間すると新年ですよ! その前にクリスマスがあります。来週クリスマスですよ!

ワンパターンのリピーターですみませんが、月日の流れが早いです。早すぎます。そしてこれまたワンパターンですが、今回はまたお天気の話し。

先週はストームがアイスランドに襲来し、あちこちで被害が出ました。正確にいうと、レイキャビクでは先週の火曜日の午後から木曜日の朝までが荒天だったと思います。北部の後半な地域で停電となり、金曜日の夜現在でまだ約400世帯が、電力の供給を受けられないままでいます。停電も四日となると「不便」の域を超えていますよね。

今回は地図の左側から右側方面へ抜けていったので、北から南だったのかな?すみません、方位がどうも頭の中の地図と一致しないので、「おそらく」ということにしておきます。




気象局のホームページ 週間予報
Myndin er ur Vedur.is


気象局や市町村はかなり前から警告を発していました。二年くらい前から、気象局は新しい五段階の警報システムを使っています。

始めのふたつは –つまり、なんの危険もない段階– は何色だったかさえ覚えていません。多分グリーンとブルー。で、真ん中のイエローから注意が必要になります。イエローはすでに、かなり真面目に考慮に入れる必要があるくらいの荒天(90%くらいは強風)になります。

そのうえのオレンジは「まれに」出ることがあるくらいです。初めてこのオレンジを体験した時にブログに書いたことがありました。

気まぐれ天気に付き合うサダメ


オレンジの上に、さらにレッドがあるのですが、これはまだ一度も発令されたことのない警報です。

先週は月曜日のうちから、レイキャビクを含む西部、北部を覆うようにイエロー警報が出されました。もっとも月曜日は対象ではなく、火曜の午後から二日間くらいの長さで。

それが、火曜日の朝には黄色の地域が広がったのに加えて、昨日イエローだったところがすべてオレンジにグレードアップしています。気象局も相当気合を入れて警告してきました。



国内各地から、道路監視カメラを使ってのライブ
Myndin er ur Visir.is


私はこのようなヤバい状況では、タコ壷のタコのように真っ先に職場放棄して自宅に閉じこもる人なのですが、火曜日は昼の間にスタッフ会議があります。今月は教会もクリスマス関連で、不規則な活動が多々あるのでこれをサボるのはちょと具合が悪い。まあ、ストームの襲来は午後二時ということなので、大丈夫か?

毎度のことですが、スタッフ会議は最後はただのおしゃべり会と化します。今日はそれに付き合うつもりはないので、一時ちょっと前にそそくさと退散しました。ですが帰宅前に、近所の家具のスーパーで注文しておいた椅子を受け取らねば。

自宅方面へ向かう車の中で、ラジオのDJの男性がのんびりとして「ニュースはストームで満ち満ちているけど、こうなると最後の関心は気象局が今回初めて『レッド警報』を出すかどうかだねえ」なるほど、そういうのを楽しみにしている人もいるんだ。

家具スーパーで、買ったばかりの椅子(バーストール)の箱を抱えて、駐車場の自車へ戻ろうとすると、いきなり突風。足元は雪と氷と水で覆われていたのですが、歩きにくく二三歩よろよろとさせられました。来た、ストーム。

自宅に戻ると、風の方向を考えて、車をいつもとは逆向きにして駐車。私はガレージを持っておらず、車は内庭というか通りから入ったところにあるアパート用の駐車スペースに止めます。以前、田舎の方でしたが、強風が飛ばす小石で車の窓がメチャメチャになるケースが結構あったのです。

それで、小石が飛んでくるあろう方向を背にして駐車したのですが、フと気がつきました。いつも正面にしている方向にはお隣さんの四階建てマンションがあります。小石が飛んできても、すべてお隣さんがガードしてくれるはず。

無駄なことをした気がしましたが、まあ、いいや。小石の代わりにお隣さんの洗濯物やピザの空き箱が飛んでくるかもしれないし。洗濯物で車は壊れないだろうけど。

その夕方にはネットで天気の状況を確認。気合を入れた気象局の警告の成果か、午後四時くらいには市内の幹線のひとつである海岸通り(サイブロイト)には、ほとんど交通がなくなったとか。いつもなら超ラッシュの時間です。

そして、出ました、ついに。レッド警報。アイスランド国民、レッド警報初体験です。もっとも、この時点ではまだ西北部だけでしたが。




レッド警報、初めての発令 この後各地に拡大
Myndin er ur Vedur.is


さらにもう少し遅くなってからですが、私の住む西街古アパートから歩いて三分のところにある道路では、海から高波が、というか風に後押しされた波が押し寄せてきたそうで、まるで洪水の中を行くかのような交通になりました。。

また、Visirヴィーシルという、ネットのニュースサイトがあるのですが、そこでは全国の天気の様子が分かるように、あちこちの道路監視用のカメラからの映像を生で見られる、というコーナーを設けていましたね。

そういえば、台風19号の時は、日本でもずっとニュースで生の状況を伝えていましたよね。あれは実はアイスランドでも見れたのです。私も長い時間見ていました。

ちょっと脱線しますが、アナウンサーの人たちが代わる代わる「生命を守る行動をしてください」と言っていたのが非常に印象に残りました。私の生涯で、テレビのキャスターがそのような連呼をするのを見るのは初めてのことでしたよ。




我が家からすぐのところの道路の様子 雨ではなく海からの海水
Myndin er ur Visir.is/VILHELM


夜になると、レッド警報は西北部以外の地方にも発令。その晩から、翌日の水曜の夜くらいにまでに渡っての発令。長いなあ。

これがアイスランドのストームの特徴でしょうか?気象学的なことは何も知らないのですが、このアイスランドのストーム、とても台風と似ているのです。規模は小さいのでしょうが。

その代わり「低気圧の前線」みたいなとこもあって、あんまりさっさと行ってしまわないこともあります。今回はそのくちだったようです。

今回は、事前に関係当局から、ツアー業者に対しての指導というか協力要請がかなり出ていたようです。道路の多箇所での封鎖が予想されていましたので、観光客がどこかに孤立したりしないように意を払っていたようです。

これは良いことですよね。去年だったか、あちらこちらで観光客が孤立してしまったり、動けなくなってしまったことがありました。そうするとレスキューも出動しなくてはならず、ツアーのみなさんだけの問題ではなくなってしまいますし。

このストーム、こちらでは、特にハリケーンとか台風とか、特別な呼び方をしません。laegdライグズ(低気圧),stormur ストルムル(ストーム)、ovedurオウヴェーズル(悪天候)とかですませています。

せっかくだから、何か名前を付けてやって欲しいものだと思います。例えば「カメハメハーン」とか「アイスケーン」とか「ナルトーネード」とか。そうすれば「ただの悪天候じゃないんだ」と国民の意識も盛り上がるし、過去の被害とかに触れる場合にだって「2019年のカメハメハーン3号の時には、これこれで...」とかくっきりすっきりすると思うのですが。

カメハメハーン一過?の木曜日からは好天ですが、その分冷え込み。金曜日にはマイナス8度まで下がりました。向こう一週間くらいは寒い日が続きそうです。

皆様もせっかくのロマンチックなクリスマス前を、風邪などで台無しにしないよう、気をつけてお過ごしください。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is
コメント
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