教えて!TOSHIさん:ブログ版

ライブハウス<T☆ROCKS>のオーナーTOSHIによる、音楽や音楽以外・・のお話!

T☆ROCKS:TOSHI

小田急相模原ライブハウス <T☆ROCKS>のオーナー「TOSHI」です。 音楽の話、音楽以外の話・・などなど色々!HPの 「教えて!TOSHIさん」も更新中! t-rocks@jcom.home.ne.jp

小さくする合戦

2018-01-06 | 音楽的アドバイス

バンド演奏に永遠の課題として、良い演奏、良い音、効果的なアレンジ・・・

等々、どこまで追及しても終わりのないテーマがあると思うけど、

技術やアレンジなどはひとまず置いておいて、”良い音&良い音量”ってのを

考えてみたいと思う。

もちろん相互に関係してくるので、音質によってそれ相当のアレンジも

出てくるのは当然なのだが、共通事項としてはいつでも周りを意識して、

一番効果的な”音質、音量”を目指さなくてはいけないと思う。

 

もちろんバンドなので、ある程度のわがまま、と言うかわがままを言いたいから

雇われミュージシャンでなくお気に入りの人間とバンドを組んでいると言う側面も

あるので、そこも大事なのだがそれでもやはり周りに気を遣うのは最低限の

エチケット、またはその人の程度が知れるのではないかと思う(笑)。

 

演奏の仕方や音質もはてなマークがつく場合も多々あるけど、一番わかりやすいのは

やはり音量かな。

明らかに非力なボーカリストなのにまったく気にせず我が道を行く、我が音しか

聞いていない演者をたまに見かけるけど、残念だよね。われ思うゆえにわれあり。

(ちょっと違うな)

 

気が付いて調整する気持ちになればよいのだけど、それでもなお音量を

下げられない人がいる。

なぜか。

理由として”大音量が気持ちいいから下げたくない”はわかる。

わかるが物理的に他の人の迷惑になってる可能性があるので調整したら?って話。

問題は”音量を下げると何をやっているのか把握できなくなるから下げたくない”

って場合。

これは他のサウンドを凌駕するくらいの音量でないと自分が何をやっているのか

認識できないと言うことで一言で言うと音作りが悪いってことだ。

音のすみわけがうまく出来ていないと言ってもいいかも知れない。

ギターの領域、ベースの領域、キーボード、バスドラ、歌声・・・・様々な

音が同時に鳴っているので周波数的にぶつかってしまってマスキングされるのは

良くあることだし、いちいち気にしてたらきりがないってのも正論。

弦楽器の高域はシンバルやハイハットにかき消されることも良くある。

 

確かにそうなんだけどちょっと工夫するだけでグッと音が抜けてきて、

音量を大きくしなくても大丈夫なポケットみたいなものも存在する。

ギターも全体を大きくするだけでなく、ある周波数を少し上げたり

削ったりするだけで急に聞こえやすくなったりする。

逆の考え方としては例えばローが膨らみすぎていて不明瞭だった場合、

そこを削ればスッキリした分音量を上げても邪魔にならない場合もある。

また歪みすぎも音程感が不明瞭になりやすいので気を付けたいところ。

 

ベースはコンプレッサーが重宝する。

上手く使えば音量を上げなくてもフレーズが聞き取れる音に変化してくれる。

ベースは性質上やはり低域が不明瞭になりやすく、FだかF#だかわからない

サウンドになってしまいがちでもある。

そこもコンプやEQをうまく使って整えればかなり改善できるはずだ。

 

大体、ステージ上でドラムの音をモニターから返さないと演奏をするのに

困るって状況はおかしいと個人的には思う。

1000人以上入る大きなステージでも演奏したことがあるが、ドラムに

関してはモニターに頼った覚えはない。

キーボードやギターや歌が聞こえにくいと言うのはありうると思うけど。

 

ドラムの音を返さないと聞き取りにくいと言う状況は明らかに自分の

音作りが悪く、音量を大きくしないと自分のフレーズが判別できないため、

ボリュームが上がりすぎていてドラムの音をマスキングしているのでは

ないか。

少なくとも簡単に「モニターからドラムを」と言う前にいったんは

自分の音作りを疑って見る気はないか。

 

繰り返しになるが、これが”ドラムの音も返してもらうと気持ちがいいから”と

言う理由からなら話は分かる。

わかるがステージ上のサウンドは混沌としてくるのでやり過ぎは良くないよと

言うことも覚えておいてほしい。

 

最近、色んなバンド、色んな人々と演奏をする機会が多いんだけど、周りを見ら

れる人と一緒にやるといかに自分の音を小さくするかが課題になってきて、

楽器隊は小さくする合戦になってたりする(笑)。

歌を最大限に生かしたい場合などはいかに音量を抑えてそれでも尚且つ良い音、

全員の音がしっかり聞き取れる音を目指して試行錯誤したりするのだけど、

これはなかなかに大きなチャンレジで、大きな音量で自分の音が聞こえますは

当たり前だけど、逆はかなりセンスが無いと出来ないので非常に勉強になるのだ。