寅の子文庫の、とらのこ日記

本が読みたいけど本が読めない備忘録

今年買い取りした本の中から~東日流外三郡誌

2009年12月30日 20時50分31秒 | オンライン古書店
「東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)」については、
昭和50年、青森県市浦村から「市浦村村史資料編」という形で発刊され、古代東北地方に中央政権にも屈せぬ一大勢力が存在していたという触れ込みで話題を呼び、発行元を替えて豪華本で再販までされた。今はもう産能大学を定年退官された安本美典教授が自らが主宰する『季刊邪馬台国』第51巻/1993年春号以降、逐次糾弾看破しており、一般的になんら価値のない人騒がせの《偽書》として烙印が押されている。しかし「東日流外三郡誌」が社会にもたらした影響=害毒はあまりに大きい。青森県を中心に過疎の行政では《偽書とは知らず》安易に村おこしに利用して神社や石塔の建立、果てはお城まで建つという始末、また各市町村史をはじめ、大手出版社の辞典にも引用されている。今でも「東日流外三郡誌」を堂々と置いてある図書館が全国には数多いという。これだけの量を只一人の人間が捏造、或いは創作し《ウソの》古文書として書き表わしたのだから敬服?すると同時に、今なお大学教授、歴史家の多くが騙され続けているという事実に愕然とする・・・おとぎ話としてなら許せるが古文書として発表した罪は大きい。偽書なる故学問的には当然価値はなく二束三文といったところだが、どっこい市場では依然高値が付いている。


『東日流外三郡誌全6巻/八幡書店/東日流中山史跡保存会(和田喜八郎)』
定価31,350円/1989~1990年
◎東日流外三郡誌なるものを初めて知ったのは、年号が昭和から平成へに代わった年(1989年)の夏、青森県を海岸線伝いに車で行く旅の途中、立ち寄った十三湖の中之島で貰った安倍安東氏の催事リーフレットを見て。今でも物置の何所かのダンボール箱にそのA4判小冊子は後生大事と眠っている筈だが、なんとしても見つからない・・・寝正月に[鑑定団]になった気分でウソを暴いてみるのも一興だが、ミイラ取りがミイラになるのも困る。

●ウィキペディアで、東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)を見る
●ウィキペディアで、安本美典(やすもとびてん)を見る

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