寅の子文庫の、とらのこ日記

本が読みたいけど本が読めない備忘録

岩波写真文庫『戦争と日本人』が復刻されて/赤瀬川セレクションから

2007年10月07日 06時08分05秒 | 岩波写真文庫
[戦争と日本人]1953/8/15~初版復刻なる。


No101[戦争と日本人~あるカメラマンの記録/2007/9/27/第1刷]

右は1987年に『復刻ワイド版/シリーズ戦争の記録』で復刻されたときのもの。初版と今回の復刻では同じ1枚を比べても解像度が良くなっていて掲載写真の差し替えは見つからなかった。ワイド版との相違は、44頁2番目の空襲惨劇(瓦礫の写真)が両者共同じ1枚の写真を使用しているが、ワイド版の瓦礫全体のアングル(撮影したままを掲載か?)に対し、初版・今回の復刻とも瓦礫の中の犠牲者を生々しくクローズアップしている。またワイド版目次頁に掲載した愛児、死の写真へ追加挿入されていたコメント(2行白抜き)は無くなっている。今回の復刻は初版同様B6判を踏襲したが個人的にはA5判が好きだ。先にB6判(初版・今回復刻)を見て、次にワイド版(A5判)を見たとき、版の大きさの違いの為か、ワイド版(A5)のほうが写真に端切れがない。→(42頁1番の函南村畑温泉疎開の写真を例にとると、ワイド版には右端に郵便ポストが見えているが、ワイド版を見ずに先に初版・復刻を見るとポストが在ることが分からない~ほんの端しの一部分しか写っていない・・・といった具合。)何はともあれ、このナンバーが復刻されて嬉しい。(復刻にペタンと貼った丸い大きなシールは邪魔なら簡単に剥がすことができる)

あるカメラマン=「影山正雄」は本名で、写真家・影山光洋として世に知られている。


[ある報道写真家の見た昭和30年史]雄鶏社1955年1月10日1刷B5判216頁


[写真昭和50年史~あるカメラマンの半世紀]講談社1975年1月20日1刷A5判167頁


[芋っ子ヨッチャンの一生]新潮社1995年4月25日/著者協力影山智洋/A5判131頁
芋っ子ヨッチャンの一生 (フォト・ミュゼ)
クリエーター情報なし
新潮社

激動の昭和という時代のド真ん中を歩き、半世紀にわたり撮り続けてきた社会の記録と自身のご家族の記録。もし柔道や剣道のように写真にも「道」があるとするなら、影山さんは大いに「写真道」を極められたのではないだろうか。影山さんは1907年(明治40年)に生まれ1981年(昭和56)に世を去った。しかし、その記録写真はいよいよとばかり輝きを増している。

《サイト内関連記事》
影山正雄(光洋)の写真、の記事(2006/9/14)
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