『単騎、千里を走る。』、映画館で観ました。
高田剛一は、余命幾ばくもない息子の遣り残した仕事を成し遂げるため、中国
大陸奥地への旅を決意する。民俗学を研究する息子の健一は、仮面劇「単騎、
千里を走る。」を撮影する約束をしていたのだった。言葉の通じない異郷の地で
途方に暮れる高田だったが、息子のためにという一途な思いが、現地の人々を
次第に動かしていく……。
チャン・イーモウの映画を観る度に、彼が如何に“優れた人格者”であるかを
思い知らされる。ご承知のように、今、日本と中国の関係は、政治的な問題や
歴史認識の違いから、かつてないほどにギクシャクし、緊迫したものになって
いる。映画は、老いた日本の旅人が、単身、中国へと渡り、そこに住む人々の
優しさに触れ、言葉を超えた“心の交流”を描いたコミカルでハートフルな内容。
まぁ、出来そのものは、思い通りに前へ進まぬ計画と、会話のすべてに
通訳が入ってしまう本作の特質上、テンポの悪さは否めないんだけどね。しかし、
名声も、財産も、すべてを手にした“中国の偉大な監督”が、「高倉健」という
日本人を主役に抜擢し、その“友情”を描いたという事実に、何より…心から
感動した。
さて…、だとしたらチャン・イーモウは、この映画を単なる“理想主義者の
絵空事”として描くだけで、昨今の日中両国間を取り巻く諸問題をどう解決
すべきだと言っているのだろうか??、いや、ボクは思うんだ。この主人公が
中国にて出会う心優しき人々との交流はあくまでも“理想”であって、実は
主人公とその息子の関係こそが、今の中国と日本ではないのかな。彼らは
“過去の誤解”から衝突し、それについて深く話し合おうとせず、“自分の殻”に
閉じこもる。その息子が中国の“仮面劇”に惹かれたのは、本心を仮面の下に
隠してしまう“自分自身”をそこに見たからなんだろう(涙)。つまり、今
大切なのは、両者が“本心”を包み隠さず、ありのままの自分を曝け出すこと。
そして、相手に“自分の心”を投げかける勇気なんだよ。もしかしたら、
この問題は根が深そうでいて、心と心が通じ合えれば簡単に解決されるのかも
しれないね。
初めてお邪魔したのに、ズーズーシクモTBが3回も!
お恥ずかしい…削除してください。
ホントにすみません。
懲りずにまた遊びに来ますので、ヨロシクお願いします。
TB,&コメント、どうもです。
> 主人公とその息子の関係が、今の中国と日本では…
> なるほどと感心してしまいました。
この映画を日本ではなく、中国の監督が撮ったという事実に
大きな意味があると思います。
一部の中国人が起こした反日デモを、
さも中国人のすべてが悪いかのように伝える
日本のマスメディアもどうなのか・・、
この映画のように、中国にも心ある人々は
沢山いると思う・・・、少なくともボクはそう信じたい。