肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『バッド・エデュケーション』、観ました。

2005-12-25 20:26:32 | 映画(は行)





監督: ペドロ・アルモドバル
出演 :ガエル・ガルシア・ベルナル、フェレ・マルチネス、ハビエル・カマラ、レオノール・ワトリング

 『バッド・エデュケーション』、観ました。
1980年、マドリード。新進気鋭の映画監督エンリケの元に、神学校の寄宿舎で
共に少年時代を過ごしたイグナシオが訪ねてくる。幼い頃の面影が全くない
イグナシオにエンリケはとまどうが……。
 その、監督としての“実力”もさることながら、見せ方の“センス”とでも
いうのかな…、改めてペドロ・アルモドバルという監督の、呆れちゃうほどの(?)
才能に、もう恐れ入りましたって感じ。映画は「現実の話」と「小説の中の話」と
「撮影中の映画の話」とが巧みに交錯し、“ホモセクシャル”や“性的虐待”を
絡めた4人の男たちによる愛憎劇、、その内に秘めたる“秘密”と“嘘”を
暴いていく‥‥。それにしても、この複雑な構成を、いとも簡単にみせてしまう
テクニック。さすが、その切れ味鋭い演出力に魅了され、知らぬ間にボクは
物語へとぐいぐい、ぐいぐい惹きこまれていく。今年最高の“スピード感”を
体感し、今年最高の“禁断のスリル”ってやつを味わった。映画全編に漂う
濃厚なエロチズムと、妖しくも美しい愛の炎に身を焦がす‥‥、まさしく、
2005年を代表する一本だ。
 だとしたら、ペドロ・アルモドバルは、男同士の同性愛を描いたこの作品で、
一体何を描こうとしたのか??、観終わったボクがおぼろげながら感じたことは、
もはや消すことの出来ない“罪の重さ”について‥‥。この映画に登場する
4人の男たちは、それぞれに“罪”を犯し、その罪を忘れようと忘れずに、
引きずりながら生きている。中でも、印象的だったのは、イグナシオの心に
今も残る“罪の記憶”だった。少年の頃、親友と誓い合った“愛の契り”…、
しかし、神父の性的虐待によって、二人の仲は引き裂かれ、その瞬間に彼の
人格は崩壊してしまう。穢れてしまった己の心と身体を恥じながら、それ以後、
彼は薬に溺れ、それまでの(男性の)身体とも決別してしまうわけだ。
だからこそ、その人生の最期にして“愛する人”に向けて書いた手紙の意味‥‥、
短くとも、悲しみが滲み出る“償いの文面”に胸が痛くなる(涙)。その一途で
“清い愛”がゆえに、傷つき穢れてしまった恋心、、残酷にして何とも皮肉な
結末だ。



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