『ALWAYS 三丁目の夕日』、観ました。
東京タワーが完成する昭和33年、人情味溢れる住民達が暮らす夕日町三丁目。
自動車修理工場・鈴木オートに、青森から集団就職で上京してきた六子。一方、
三流少年誌に小説を執筆する駄菓子屋の店主茶川竜之介は、ひょんなことから
引き取りての無い一人の少年の世話をすることになるのだが…。
ちょっと恥ずかしくてカッコ悪い…、今の若い人に言ったら大口開けて
笑われるかもしれないが、人間同士の“絆”だとか、心と心の“触れ合い”を
強く感じる作品だった。ハッキリ言って、物語自体はとてもスマートとは
言い難い。むしろ、コテコテ浪花節タッチの下町“人情劇”。セリフの演奏も
キツけりゃ、吉岡秀隆も、堤真一も、堀北真希ちゃんも、みんなが揃って
これでもかというほどのオーバーアクト(笑)。だけど、そんな“クドさ”を
感じさせない「温かさ」と「優しさ」がこの映画にはある。普段はオイラが
滅多にレビューで書かない“役者の演技”にしても、今作だけは薬師丸ひろ子も、
小雪も、可愛い子役達も、みんなを一人ずつ書き綴ってあげたいような…、
そんな魅力に溢れている。しかも、それらの個性が喧嘩して孤立することなく、
見えない硬い糸で結ばれているのが、妙に嬉しくなった。まぁ、38歳オイラの
世代からすれば、『クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲』の方が郷愁感を
そそるのだけど、本作は、例えその時代を知らなくても充分に感動できる内容。
懐かしくて遠い故郷にいるみたい、心安らげる一本だ。
さて、物語の舞台となるのは戦後まもない、まだ日本が高度成長にさしかかる
以前の、貧しい時代。だけど、そこに生きる人々の顔に悲壮感はない。物は
無くても、人は“豊かな心”に満ちている。生活は苦しくても、“明日への
希望”を信じて生きている。“大きな夢”に向かって必死になって働く者…、
“小さな幸せ”さえつかめずに涙を流す者…、全てを失い“過去の思い出”に
すがる者‥‥。ひとつ言えることは、そんな不器用だが心優しき人々が、時に
助け合い、時に慰め合いながら、ひとつの時代を懸命に生きていたってこと。
オープニングに子供達が大空高く飛ばす模型飛行機…、ラストシーンの夕焼けに
聳(そび)え立つ東京タワーのシルエット……、きっとそれらは人々の“心の
支え”となり、未来へと続く“希望の象徴”だったんだろう。その美しい世界は、
いつまでも、どこまでも果てしなく、人々の“心の中”に広がっていた。
古き良き昭和の時代を描いてるんだろうなぁ~、
良い映画だろうな、とは思って見たんですが
こんなにさまざまな部分で私の琴線に触れまくって
しまうとは思ってませんでした(^^ゞ
久々の涙涙の作品でした。
あ~、映画館で見なくて良かった、恥ずかしすぎだ、と思ったりして(^^;;)
きのこスパさんが書いてらっしゃるように、
オープニングのシーンとラストのシーンに、当時の
人々の「希望」を感じました。
今、夕焼けを見て、50年後もきっとこんなに綺麗だよ、と胸をはって言えるか・・と考えた時に
ちょっと悲しくなっちゃったりもしました。
TBさせていただきましたm(_ _)m
TB,&コメント、サンキューです。
良い映画だったと思います。
途中、いくつかツッコミを入れたくなる場面もありましたが、
(例えば、プロポーズするのに、リングを買わずに
箱だけ先に買うなんて‥‥(笑))
この映画は、そういう風に観てはいけないだろう。
生活が貧しくても“豊かな心”を、
外見が不細工でも“美しい心”を。
うん、やっぱり良い映画だったと思います。
ただ、現実問題として、
もし、自分がこの映画の時代に生きれるかどうか‥‥
パソコンもない、DVDもない、携帯電話もない、
ちょっとキツイだろうなぁ(笑)。