肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『フリーダ』、観ました。

2005-09-26 19:58:59 | 映画(は行)
フリーダ DTS特別版

アスミック

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 『フリーダ』、観ました。
18歳のときの瀕死の事故をきっかけに、絵を描くことが生き甲斐となった
フリーダ。彼女は夫の浮気癖に悩み、怪我の後遺症に苦しみ、中絶や
流産の悲しみに耐えながら、その苦悩をキャンバスに描いていく‥‥。
 予告編を観る限りじゃ眉毛の繋がった女が登場し、こりゃ期待できねぇゾと
観てみたら、思った以上に面白い。
 「美術館」さえ行ったことないボクだから…、女流画家“フリーダ”の
名前なんぞ知るよしもない。だけど、観る前はヘンテコに思えた彼女の顔が、
観終わった時には、何と愛しく、何と哀しく、何と美しく、思えてしまう。
闘病、裏切り、挫折を体験し、その人生のほとんどで苦杯を舐めてきた
彼女にとって、“絵”は唯一自分の苦しみを分かってもらうための表現方法
だったんだろう。だからこそ彼女の作品には“涙”があり、“痛み”があり、
“真実”がある。「美術館」さえ行ったことないボクだけど…、しかと
この目で彼女の絵だけは観てみたい、、とそんな気持ちになりました。
 映画は、ミステリアスで“絵画的な映像美”に溢れている。主人公の
フリーダは生きながら体験する様々な苦痛を絵として表現するんだけど、
要所要所で挿入される彼女の絵に込められた“哀しみの重さ”に胸が痛くなる。
ここで一貫して描かれるのは、彼女が望んだものは“地位”でも
“名誉”でも“お金”でもなく、ごく当たり前の“家族の愛”だったってこと。
彼女が死ぬ間際、夫に「火葬にしてくれ」と頼んだ理由を知れば絶句‥(涙)。
一見、軽快なメキシカンの音楽とカラフルな色彩が印象的、、、
でも、これはとっても痛みを伴う映画、哀しい物語です。


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